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ピザハット特製オマールソースのダブル・シュリンプ 山梨の甲州ワインの吟醸香との意外な調和
子供からのリクエストでピザをテイクアウト。自転車で行ける距離にピザハットを見つけ、テイクアウト半額のためにペダルを漕ぐ。
過去にピザーラの冬の絶品グルメクォーター(カニとウニクリームソース他)とシーフードイタリアーナ(貝柱、エビ、イカ、スモークベーコン)に、スペイン北西部でポルトガル北部のリアス・バイシャスの白ワインを合わせた。海のワインとも言われる海岸に近いこの地のワインはシーフードピザにも好相性だった。
今回は、ピザハットでハーフ&ハーフにして以下の2枚を注文。
・マルゲリータ&特製オマールソースのダブル・シュリンプ
・ハワイアン&とろける4種チーズのフォルマッジ
自宅にストックされていたリーガロイヤルの冷凍ピザも焼く。
・海老と貝柱のアメリケーヌソースピッツァ
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子供たちはオーソドックスなマルゲリータ、パイナップルたっぷりのハワイアン、そしてデザート代わりに蜂蜜をたっぷりかけた4種チーズのフォルマッジを美味しそうに食べる。
私はその横で、シーフードピザに粛々とワインを合わせていく。セラーから取り出したのは、南アフリカのスパークリングワイン(シャルドネ品種)、山梨の白ワイン(甲州品種)、イタリア リグーリア州の白ワイン(ヴェルメンティーノ品種)の3種。
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特に興味深かったのは山梨の甲州ワインがまとう吟醸香のような香りとモッツァレラチーズの軽快で(チェダーほど重くなく)、クリーミーな風味との絶妙な相性。この相性の良さを起点にエビの風味にも繋がりが発展。ただ、ピザハットの特製オマールソースのダブル・シュリンプはもっとエビ感が強いかと期待していたので少々肩透かしか。エビはたくさん載っているのだが風味が控えめ。ピザ自体は美味しいのだが。リーガロイヤルの冷凍ピザ、海老と貝柱のアメリケーヌソースピッツァは冷凍食品の域を超えていた。貝柱感はやや控えめだったがエビの風味がチーズのリッチなコクとともに力強く広がる。
これでピザーラ、ピザハットのシーフードピザとワインの組み合わせを実食完了。宅配ピザチェーンの三本柱の2つを制覇。今度はドミノ・ピザだ。
さて、ピザハット(+冷凍ピザ)とそれぞれのワインの相性について。
ロリアン, 勝沼甲州, 2019, 2,035円, 12%, 2,035円
L’Orient, Katsunuma, Koshu
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L’ORIENTは仏語で「東洋」を意味、ヨーロッパに劣らぬ高水準のワイン造りを目指し名付けられたもの。その志とたゆまぬ努力が報われ、こちらのワインは2021年ロンドンで開催された世界最大のワインコンクール、デキャンター・ワールド・ワイン・アワードでプラチナを受賞。受賞の年に購入し、自宅のセラーで2年弱寝ていたものを開栓。
非常に透明感高い色調。香りにはおおらかに和梨、カボス。日本酒のような吟醸香をまとう。微かに白い花とセルフィーユのハーブ香。非常に清らかで透明感が高い。
味わいには瑞々しい口当たり、穏やかな酸味。ピュアで透明感の高い風味の余韻に軽快なほろ苦さ、余韻に微かに旨味と乳製品のようなまろやかなタッチ。収穫から4年目とは思えないフレッシュさを残す。
特製オマールソースのダブル・シュリンプにワインを合わせる。モッツァレラチーズか、白色のチーズの軽快なクリーミーな香りに、甲州ワインがまとう吟醸香のようなニュアンスが絶妙に調和。モッツァレラと甲州ワインだけでワインが何杯もいけそう。この好相性を起点に、オマール海老からのエキスが入ったソースとエビにワインの軽快な柑橘香も調和。ダブル・シュリンプということでエビエビしているのかと思いきや、エビ自体の風味はやや軽め。そこはやや物足りなかったが、その分、軽快な風味の甲州ワインとボリューム感のミスマッチはなかった。相性: ★★★★☆
エルギン・リッジ, MCC, ブリュット ブラン ド ブラン 2015, シャルドネ, 南アフリカ, エルギン, 12.5%, 2,960円
Elgin Ridge, MCC Brut Blanc de Blanc
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畑では化学薬品や農薬は一切使せず、ビオディナミ農法に沿って畑の手入れを行う。エルギン・リッジは南アフリカ屈指のクールクライメイトを誇る銘醸地。
琥珀がかった強い色調、細やかな泡が力強く持続的。開栓翌日も力強い。
香りには蜜漬けの花梨、洋梨のコンポート、自然派系の作りに典型的なビネガー香り。モカのビターなニュアンスと熟成による落ち着いた果実香が重なりグリップのある芳香。
味わいには酸味が攻撃的ながらその奥の奥に、リンゴのリキュールの微かな甘み。余韻にはほろ苦さが残りゆるゆると長く風味が持続。
特製オマールソースのダブル・シュリンプに。南アフリカでもっとも冷涼とされるエルギンの力強い酸味、さらに自然派仕上げ特有の強靭な酸味は、繊細なモッツァレラチーズの風味と、やや軽めのエビの風味を完全になぎ倒してしまった(ピザはダブル・シュリンプというネーミングに期待するほどのエビの風味は強くはなかった。ピザ自体は美味しかったが)。相性: ★★★☆☆
海老と貝柱のアメリケーヌソースピッツァに。こちらのピザはチーズとエビの風味がリッチで、ワインの泡の刺激とボリューム感にマッチ。が、それでも自然派のつくりの特有の酸味がやや攻撃的。相性: ★★★☆☆
ルナエ, エチケッタ・ネーラ, コッリ・ディ・ルーニ, ヴェルメンティーノ, イタリア, 3,729円
LVNAE, Etichetta Nera, Colli di Luni Vermentino
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トスカーナ州とリグーリア州の境にワイナリーと畑をもつ。コッリ・ディ・ルーニは両州にまたがる産地の呼称。ワイナリー名のルナエの由来はラテン語の「Lunae(月)」。古代ローマ時代、ワイナリーの土地の近くに「Luna(イタリア語で月)」という名の町があり、高品質なワインを造っていたことにあやかった。
その年の最良畑からブドウを厳選し造られる。9月半ばに手摘みで収穫。24-36時間コールドマセラシオンした後にプレス。
ステンレスタンクで定温下(15-17℃)で発酵。
香りにはフレッシュなグレープフルーツ、レモン、ライムの活力のある柑橘香が溢れる。軽快で繊細にハーブと潮の香りが絡みワインをエレガントの極みに。
味わいには瑞々しくのびやかな果実味。シャープでメリハリの効いた酸味、余韻にはグリップ感のあるほろ苦さが残り様々な表情がエレガントに。
海老と貝柱のアメリケーヌソースピッツァに。クリーミーでいてしつこさのないチーズが絡んだホタテ、エピに、ワインの柑橘香と磯の香りが活力を与える。シーフードの旨味、チーズのミルキーなコク、ワインの酸味と柑橘、磯の香りが奏でる素晴らしきハーモニー。相性: ★★★★☆
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