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マックのえびフィレオに白ワイン 究極のファーストフードに悠久の歴史のワインを

お腹をすかせた仕事上がりの帰り道。
マクドナルドが目に入ると、普段そういうことはないのだが無性にバーガーが食べたくなってしまった(より正確にはマックの商品にワインを合わせたい衝動に駆られた)。
最近よく見るキムタクのCMの刷り込みもあったかもしれない。
マックの代表的シーフード、えびフィレオを注文。これを持ち帰って自宅で白ワインに合わせるのだ。

中年オジサンが珍しくMマークの包みを抱えて帰宅すると、家族から好奇の視線が集まる。

ファーストフードの雄、マクドナルドは1940年にカリフォルニアで創業。生まれて80年のバーガーを、8000年超の歴史をもつワインに合わせる。
本日セラーから取り出したワインの産地ローヌでは紀元前後からワインが造られていたので、この産地に絞ると2000年の歴史、そして本日のワインの生産者はローヌで創業200年。

さきほど注文してものの5分で目の前に現れたバーガーに、2019年に収穫されたブドウで造られ3年以上の熟成を経て我が家で開栓されたワインを合わせる。
究極のファーストフードと、その対極にある悠久の歴史が流れるワインの共演はいかに。

さて、えびフィレオとワインの組み合わせについて。


M.シャプティエ クローズ エルミタージュ ブラン レ メゾニエ ビオ 2019, 3,051円
M.Chapoutier, Crozes Hermitage, Blanc, Les Meysonniers BIO

ワインのボトル写真の撮影を失念したので剥がしたエチケット写真を

M.シャプティエは、1808年に創業してから7代目ミシェル・シャプティエに至るまで一貫して家族経営。畑を守りテロワールを尊重。
ワイン名のレ・メゾニエは、この畑の最初のオーナーに由来。樹齢20~40年のマルサンヌを有機栽培。
香りには花梨、洋梨、リンゴジャム、黄色い花のフラワリーなフレーバー、軽快にバニラ香、様々な要素ありつつ香りのバランスが素晴らしい。
味わいにはピュアで透明感のある果実味、繊細さとほんの少しの緊張感。酸味は中庸で的確、ひとひらの蜜のように高貴で上品な果実味の甘さのあと、余韻に心地よいほろ苦さやミネラルのタッチ。開栓後、数日にわたり風味が発展していった。
えびフィレオにワインを合わせる。
エビの旨みにワインの柔らかく繊細なミネラルが繋がりかけるが、オレンジ色のマヨネーズのパンチがそこに分け入り、少々興醒め。このオレンジはオーロラソースといって、マヨネーズとケチャップを混ぜ合わせたソース。これは控えめな方が繊細なワインには寄り添いそう。
ケンカはなくバーガーもワインも進むが、風味の高め合いは望めないか。相性: ★★★☆☆


セラーに入っていたドンペリラベルのイタリアワインにも合わせてみる。こちらの方が相性は良かった。

カーサ・ダンブラ, イスキア・ビアンコ, イタリアカンパーニャ州, 2021, 13%, 1,989円
Casa D'Ambra, Ischia Bianco, DOC, Italy, 2021, 13%

カンパーニャ イスキアの土着品種ビアンコレッラ、フォラステラ品種のブレンド。
香りにはライチ、青リンゴ、洋梨、白桃のみずみずしく伸びやかな果実香に白コショウが混じる。セルフィーユのハーバルなタッチと海岸を歩いているようなほのかな潮の香りや貝殻、海藻の香り。フラワリーで吟醸香のようなフレーバーも。
風味にはみずみずしく力強い硬質なミネラル感や塩味に富む、よく熟した果実味の微かな甘みが心地よい、酸味は中程度で的確、余韻には微かにほろ苦さもあり。南部州とは思えないようなピュアで清々しく様々な要素に富むワイン。
えびフィレオに。
ワインの塩味やミネラルはエビのカツに活力を与え、エビの風味が豊かに広がる。風味の強いオーロラソースはワインの強めのフラワリーなフレーバーがしっかりカバー。相性: ★★★★☆

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