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サーモンの刺身ディル添え 樽発酵の甲州ブドウの滋味

先日、サーモンの刺身やマリネと合わせてきたワインを振り返ったところ。

サーモンは幅広いワインと相性が良く、我が家の食卓への登場頻度も高い。今回はシンプルに、ノルウェー産サーモンの刺身にディルを振って。

合わせたのは最近少しずつ飲んでいる、山梨の甲州ブドウで造られたワイン。甲州は地方名であり、ブドウの品種名でもある。日本ワインを飲み始めると最初に経験する“アレ?ナルホド”のひとつ。日本で数百年前から生食で親しまれているブドウだ。甲州で醸されたワインはフレッシュでフルーティーな仕上げのものが多いが、樽発酵でふくよかにしあげたものも味わい深い。シャトー・ルミエールの光は、甲州ブドウを樽で発酵させてワインにした後、さらに樽で熟成。それでいて樽に負けず、ブドウの風味をしっかりと感じさせてくれる。しっかりとブドウを完熟させているからこそ。このワインは2021年にロンドンで開催された、デキャンター・ワールド・ワイン・アワードで金賞の上のランク、プラチナ賞を受賞(2018ヴィンテージ)。毎年購入しているが限定数なのと知名度の上昇により早々に売り切れになる。

複数年ビンテージをストック

さて、料理とワインの相性について。

シャトー・ルミエール, 光, 甲州 山梨, 2020, 3,658円

1885年創業。山梨県笛吹市一宮町南野呂。自社農園で栽培した甲州種を樽発酵した後、20ヵ月の樽熟成で仕上げる。
力強く濃い色調。香りには枇杷、大ぶりの和梨、カボスに微かに柚子、果皮のフェノールの複雑な香り、カモミールティーのほんのりスパイス香。
味わいにはジューシーで滋味溢れる染み込む果実味。ほろ苦さはゆるゆる続き、甲州品種とは思えないほどの非常に長くまったりとした余韻。甲州の魅力を引き出し尽くした名品。

サーモンのディル添えにワインを合わせる。サーモンの、どこか樹木を思わせるグリップのあるフレーバーに、樽発酵のワインの複雑な香り、甲州の滋味が調和。ディルの爽やかさが際立たせるねっとりとしたリッチな脂に、ワインの余韻のほろ苦さが調和。相性: ★★★★☆

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