ホッケのオーブン焼きにレモンを絞って ヴェネトのミネラルの恵みソアーヴェ
干物のホッケをオーブン焼きに。じゃがいもとブロッコリーを一緒に焼いてヘルシーな夕飯。レモンを絞ってジューシーな脂を引き締める。
外国産のホッケの大きくてふかふかの食感も良いが、北海道産の身が締まって風味が詰まったものも好き。今回は北海道産。
ホッケに合わせたのワインは、イタリアのヴェネト州の白ワイン（ソアーヴェ。ガルガーネガ品種）、シチリア島の白ワイン（シャルドネ品種）、山形のロゼスパークリング。ホッケの肉厚で柔らかな身を噛むとジューシーに広がるクセの少ない軽快な脂に、ソアーヴェの軽快な果実味とミネラル感、ほろ苦さとの相性が極上。
ホッケはしょっちゅう自宅でオーブン焼きにしたり、バーベキューで焼いたりしていて、これまで合わせたワインでは山梨の甲州、イタリアのソアーヴェ（ガルガーネガ品種）、サルディーニャのヴェルメンティーノ品種あたりが素晴らしい相性をみせてくれた。
シャトー・ルミエール, 光, 甲州 山梨, 2020, 3,658円
相性: ★★★★☆
ピエロパン, ソアーヴェ クラッシコ ラ・ロッカ, ヴェネト, イタリア, 2020, 12%, 3,773円
相性: ★★★★☆
ピエロ・マンチーニ, プリモ, ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ 2021, 2,049円
相性: ★★★★☆
ジュゼッペ・ガッバス, マンザニーレ, 2019, ヴェルメンティーノ・ディ・サルデーニャ , イタリア, 2,464円
相性: ★★★★☆
さて、ホッケのオーブン焼きとそれぞれのワインの相性について詳しく。
ジーニ, ソアーヴェ・クラシコDOC, イタリア, ヴェネト, 2021, 2,920円
Gini, Soave Classico DOC, Italy, 12%,
1700年代からブドウ栽培農家としてガルガーネガ種を栽培してきた歴史ある造り手。最高のソアーヴェのひとつとして広く知られる。
香りは軽快で爽やかなグレープフルーツの柑橘香に花梨、ほのかに白い花。微かに潮の香りや干しワラやハーブのニュアンスも入りバランスよくきれいに纏まり上品。
味わいは瑞々しい果実味にキュッと舌を引き締める酸味、軽快でフレッシュ。果実味と他の要素の統合が素晴らしく上品、中盤から余韻に塩味のニュアンスや硬質でスーッと冷ややかなミネラルのほろ苦さもあり、ソアーヴェ・クラシコの魅力をギュッと上品に凝縮。
ホッケのオーブン焼きにワインを合わせる。ワインの軽快な果実味、ミネラルのほろ苦さがホッケに合わさってもぶれず、魚肉の風味の奥まで調和しながら染みわたっていく。安定感抜群のペアリング。相性: ★★★★☆
クズマーノ, ヤレ, シャルドネ, シチリア, 2020, 3,069円
Cusumano, Jale, Chardonnay, Sicilia
祖父の代からバルクワインを生産していたクズマーノ家、2000年に現オーナーの兄弟が自社でボトル詰めを開始。海抜700mの畑「フィクッツァ」から収穫されるシャルドネ。"ヤレ"とは、畑沿いの白っぽい小道の呼び名。畑の周りの森に吹く風がブドウにアロマをもたらす。
手摘みで収穫、低温でスキン・コンタクト225Lのバリックでアルコール発酵。そのまま澱と共に6ヶ月間寝かせて瓶詰め。
香りには焼きリンゴ、リンゴジャム、コーンや樽由来のバニラの香りの厚み。ホシワラ、アカシアのニュアンスに加え、潮の香りはしっかりと産地の個性を表現。
味わいは瑞々しく重くない。ひとひらの蜜の高貴な甘美なニュアンス。穏やかながらワインを心地よく引き締める酸味。ほろ苦さやミネラルのニュアンスに富む奥行きある余韻。
ホッケのオーブン焼きに。ワインのトロピカルなトーンと樽のロースト含む香りはややホッケの繊細な味わいを圧倒してしまう。ただ、ワインのどこか潮のようなニュアンスはきれいに寄り添う。ふっくら仕上がりのホッケだったが、焦げ目をつけてこうばしく仕上げると、樽の香りとの調和もよくなりそう。相性: ★★★☆☆
ベルウッド・ヴィンヤード, コレクション・ヴァン・ペティアン ル・ペタル, 山形県上山市, 2022, 12%, 2,750円
Bellwood Vineyard, Collection Vin Petillant, Le Petale, 2022
山形出身の鈴木（ベルウッド）智晃さんが独立して上山市に設立したワイナリー。 山形県上山市産の黒ブドウ4品種（メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、ブラック・クイーン、カベルネフラン）を使用し、スキンコンタクトを行い皮の旨味を引き出したワイン。
香りには青果のダークチェリー、アメリカンチェリーにバラ。イチゴキャンディやバナナまでいかないがボジョレー・ヌーボーに共通するフレッシュ、チャーミングなフレーバー。
味わいには滋味溢れるチャーミングな果実味、しっとりあたりゆったりと残るタンニン。こぎみ良く快活な酸味、余韻はドライ。気まぐれなペティアンがきれいなバランス！
ホッケのオーブン焼きに。ワインの明るい果実味と酸味、なんといっても泡の刺激が魚の生臭さが立ち上がるのをブロックしてくれる。口内ではややワインがまさってしまうが。ホッケに少し醤油を垂らすとさらに繋がりが良くなりそう。相性: ★★★☆☆
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？