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下垣さん、「いいプライドの持ち方」ってなんでしょうか。 gooddo,Inc.の下垣さんと. [後編]

【連載note】セプテーニグループの社内ベンチャーをめぐり、事業家ひとりひとりが持つ“プレイスタイル”を聞き集める企画です

今回は、設立6年目を迎えたgooddo株式会社の代表 下垣さんとたっぷり1時間お話させていただきました。そのときの会話を、できるだけそのままに、お届けしたいと思います。

 それでは、後編スタートです!

全員が同じものを『良い』と言うかは別だけど

ー下垣さんは、「社会にいい変化を残すこと」をご自身のミッションと掲げていて、人の動きや文化をつくる領域としての建築から、インターネットへシフトしたと。gooddo,Inc.を立ち上げて丸5年、「いいこと、しやすく。」とステートメントにあるように、ソーシャルアクションとの接点を身近にしようとなさってる。そもそも、なぜ「いいこと」なのでしょうか。

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それは今回のリブランディングで改めて整理したことなんだけど、さっき「世の中がどう変化していくのか、先が見える。確信がもてる」って話をしたじゃない。

それは結局、“誰もがそうだよねと思う方向” へいくということで、まあ、歴史に学ぶと当たり前ではあるんだけどね。つまり、究極、概念として最強なのは「いいこと」だと思ったわけ。

ーあ、概念。

そう、おもしろい、楽しい、は人によって違う。面白いと思ってる横で面白くない思いをする人もいる。でも「いいこと」に関しては、みんなが同じものを『良い』と言うかは別だけど、「本質的に良い方向」、誰しもがそっちに行けたらいいよねと考える方向は、変わらないじゃない。

例えば、テレワークや時短勤務にしても、いろんな意見はあれど、「子育てしながら、毎日満員電車に乗って通勤し、高い家賃払って都内の会社に近い場所で暮らさなくても、いい感じで働けるならその方がよくない?」と聞かれたら「まあ、そうだね」となると思う。

ただ、今は物理的に難しいから色々な意見が出る。大人になると、その色々なしがらみがどんどん入ってきて、何がいいかわからなくなる。それでも社会は本質的に「いいこと」の方へ、徐々に向いていくと思う。戦争がない方がいい、差別がない方がいい、とかさ。

自分を信じられなくなることは恐怖だよね

ー下垣さんに絶対聞きたいと思ってることがひとつあって、いいですか。

うん。

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ー前に、社内からも「会社のCSR部門?」と聞かれたこともあると。それくらい収益化がすぐには難しい領域で、この5年間、ソーシャルアクションを身近にする事業1本でやってきたとおっしゃってました。

そうだね。

ー事業ってかなり裾が長いですよね。周囲の理解を得るのも時間がかかる。その上で、「いいプライドの持ち方」ってなんですかね。プライドの持ち方に質はあるのか。

おー、いい質問だね。これはさっきの人生観の話にも繋がるんだけど。

ーはい。

何があろうと、自分が見据えた未来を確信していくこと。絶対にこうなると自分が心から思っていくこと。それがプライドの持ち方だと思うね。

30歳で事業を立ち上げたとき、そもそも、人生をかけての長いスパン、つまり60歳くらいにゴールがあることじゃないと意味ねえなと思ったのよ、俺は。

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自分の人生30年かけて、それでやっと「ほらこうなったでしょ」と言えるような分野で事業をやる。その大前提がある。さっき、「自分が死ぬときに世の中アップデートできたなと思える人生をやって、死にたい」と言ったじゃない? で、今、gooddoをやっていると。だから、数年で理解されるとはそもそも思っていないかな。まだまだ、5/30だからね。30年かけてやっていきたいこと、まだ5年しか経ってないんだから。

それに正直、「ここ数年で絶対くるよね」という分野は全然興味がない。だって俺じゃなくたっていいしさ。自分のビジネス人生すべて捧げるくらいのものじゃないと、そもそもやりがいがねえなと。

ーなるほど。

だから一番怖いのは、自分自身が自分の見据えてるものを信じられなくなることだよね。これは恐怖だよ、最大の恐怖。

この5年間だって、別に常に好調なわけじゃないから「なんでこれやってんだろう、辞めてえな」と思う瞬間もあったよね、で、ふと思うのよ。「俺が30年後に描いてるビジョンって、もしかして勘違いなんじゃないか?」と。

ー壮大な誤算かもしれない…?

そう、本当にそう。この事業を始めた当初、みんなから言われたわけ。「気でも狂ってんのか」と。でも30年後を見据えて始めてるから、今とギャップがあるのは当たり前っちゃ当たり前なんだけど、思うようにいかない日々が続いたり、足元がうまく行ってないと、それこそ「壮大な誤算だったらどうしよう」って怖くなるよね。

俺はある種、自分の勘を信仰にしてるっつうかさ…それがもしガセ…いや偽物だったら。俺の勘が外れてたら、もう、ねえ(笑)。

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半分冗談だけど、宇宙で無駄なことやりたいね〜

ー長いスパンでの挑戦。50歳、60歳になったときに「違うことやっておけばよかった」とはなりますかね。

ないね〜

ー必ず実現するから思わないな、ということですか?

いや? すでにもうない。

ー…格好いいです。

仮に思ってたのと違う結果になっても、60歳までのビジネス人生はこの領域に捧げようと、最初に決めてるからね。

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ー今見据えてる未来像に、早く到達したら?

それはラッキーだよね!まさにgooddoは、「30年後の未来を1日でも早く実現させるためにやる」って感覚だから、10年で到達したら万々歳。

ーそうしたら、次なにやりますか?

ふふふ。それね、俺ね、もう決めてて。宇宙だよね。資金がある前提だけど宇宙で………温泉掘りたい。

ーあはは!!

ほら、30年後のビジョンを達成したら「いいことした」で教科書載るでしょ、事業が成功したんだから資金もある。そしたら宇宙に温泉掘りたいね〜。半分冗談だけど、宇宙で無駄なことをやりたい。

ー今日のはじめに『合理主義だし、無駄なことが嫌い』とおっしゃってましたけど、日常はどうですか。

全然合理的じゃないね〜。超感覚的。貯蓄とかあんま考えられないタイプ。

ー最近のベストオブ無駄、『いい無駄を踏んだぜ!』、聞きたいです。

それはもう〜。毎日、無駄に飲んじゃう。酒が飲めるのは強みだけど、無駄に飲むのは、むしろ弱点だよね、帰ればいいのに(笑)。

ー『帰ればいいのに』(笑)。

ビジネスだったら長期的なこと考えられるけど、個人としては “今” を生きてるからね(笑)。

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5年経って社内での理解も変わったと思うよ

ー『すぐ成果がでる事業は自分がやらなくてもいい』とすると、同じ領域のプレイヤー、特に社内ベンチャーとして、コミュニケーション難しそうだなあと感じました。ある種、インターネットの強みの逆を行ってるのかなと。

うん、だから『こいつ何言ってんだろう』と思われることもあるよね。事業を作るときも、グループの社長に「新規事業をやりたい」と直接メールして、『ずっと言ってるもんな』とオーケーだったんだけど、具体的な事業プレゼンでは当時の役員8人くらいかな?、ほぼ猛反対だった。

ーどうしたんですか?

言いまくった、同じことを。あはははは!それしかないんだよね〜、もうその時は『こいつはしゃーないな』と思ってもらうしかない。デジタルマーケティングの会社なのに30年先の社会をどうこうって、そりゃすぐにいいよとはならないよね。

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でも、5年経ってグループ内の理解も変わったと思うよ。みんな『よくわかんねえけど、そういう未来になったら確かにいいよね』と応援してくれるからね。

ーそっかあ。

俺は3年後どうなってるのと聞かれてもあんまピンとこない、興味がないのよね。今日の繰り返しが、3年後、5年後になる。そもそも短期的にどうこうって領域じゃないし、まだ5/30終えたとこだし。やっと6年目だしな。だからこれからも、目の前のことをちゃんとやると。

だってほら、30年後を見据えたら全部プロセスでしょ? 3年後とか、どうでもいいっちゃどうでもいいからさ。そりゃ貯蓄とかあんま考えないよね!(笑)。

ー(笑)!今日、すっごく楽しかったです。本当に、ありがとうございました


プロフィール

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下垣圭介(しもがきけいすけ)
gooddo株式会社 代表取締役社長

2006年 株式会社セプテーニ新卒入社、Facebook広告チームの立ち上げや営業職などを経て、2014年にグループ内ベンチャーとしてgooddo株式会社を設立。あらゆるソーシャルアクションに誰もが参加しやすい社会を目指し、多面的な事業展開を行う。設立6年目の今期より、コーポレートブランドを刷新。「いいこと、しやすく。」とのステートメントを掲げ、より多くの人が「いいこと」に出会い行動できる、 “ちょっといい明日づくり” に全力で挑戦している。> https://gooddo.jp/magazine/


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