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『結局ビジネスが好きなんだよね〜』の “結局” は、 どこからきたんですか? gooddo,Inc.の下垣さんと. [前編]

【連載note】セプテーニグループの社内ベンチャーをめぐり、事業家ひとりひとりが持つ“プレイスタイル”を聞き集める企画です

今回は、設立6年目を迎えたgooddo株式会社の代表 下垣さんとたっぷり1時間お話させていただきました。そのときの会話を、できるだけそのままに、お届けしたいと思います。

プロフィール

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下垣圭介(しもがきけいすけ)
gooddo株式会社 代表取締役社長 

2006年 株式会社セプテーニ新卒入社、Facebook広告チームの立ち上げや営業職などを経て、2014年にグループ内ベンチャーとしてgooddo株式会社を設立。あらゆるソーシャルアクションに誰もが参加しやすい社会を目指し、多面的な事業展開を行う。設立6年目の今期より、コーポレートブランドを刷新。「いいこと、しやすく。」とのステートメントを掲げ、より多くの人が「いいこと」に出会い行動できる、 “ちょっといい明日づくり” に全力で挑戦している。> https://gooddo.jp/magazine/
企画・聞き手は、 editing unit [Spielen] よりkeiko.mei.fukushimaです

やっぱ信頼じゃない?遠隔でも、うちのメンバーはちゃんと仕事すんだろ

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ー今回は、みなさんの日常も知りたいなあと思って「チームメイトカメラ」という企画にもご協力いただきました。インスタントカメラを下垣さんの隣のデスクの井上さんにお渡しして、gooddoの日常を1週間たっぷり撮ってきてもらいましたが…めちゃくちゃいい写真で…!!

あ、本当? 『これどうやって撮るの〜?』とか言ってたよ(笑)。

ーいや〜最高です。これなんですか? ボトルみたいな

これなんか試供品でもらったやつ…きったねえなデスク(笑)。

ー写真を見ると、チームは全員で5名でしょうか

いや、俺以外に社員2名と業務委託のスタッフが10名くらいかな。ほぼフルコミットの人もいれば、都度稼働の人もいて。オフィスに出社するのは4名、あとはだいたいオンラインだね。副業の人もいるし、九州にいる人も。業務委託の8割くらいは元セプテーニのメンバーでやってる。これがひとつ賢いやり方なんだけどさ…

ー?

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遠隔の勤務形態だとマネジメントがどう、とかあるじゃない。でもみんなグループの元社員だから、スキルもイメージできるし、お互いに知ってるから信頼できる。これは非常に良くて、余計な不安がないから、事業の実務部分はオンランだけでもちゃんと運営できるのね。

ーセプテーニグループのみなさん、全国に点在していながら、お互いにちゃんと知り合いですよね。別のグループ会社ができた時も、そう感じた場面がありました〜。

なんだかんだ、ねえ。でも人数も多いから全員は正直わからないよねえ。新卒の若い人なんかも、俺のことわかんないんじゃないかな、「あの人誰だ?」って。

ーむかし自分がいた会社では、隣の席にいて気配がわかることも重要だし、近くにいるからこそ、チームメイト同士で称え合うみたいな風土もありました。

あ〜、うちは遠隔だけど、でもみんな仲良くやってるんだよねえ。それはやっぱ信頼じゃない?「オンラインとはいえ、うちのメンバーは仕事ちゃんとすんだろ」って。

ーだからわざわざ盛り上げ合わなくても。

そうそう。俺も暑苦しいのそんな好きじゃないから、合理主義でもあるし、無駄もやだし。通勤とか大っ嫌い。できたら東京にも住みたくない(笑)。

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ーあ、gooddoは、出社メンバーも毎週水曜はテレワークなんですよね?

そう、『そもそもなんで出社するんだっけ?』と。もちろん、会わなきゃ伝わらないこともあれば、会った方が早いこともあるけど…それは極論テレワーク技術の話じゃない?とも、思うからね。隣にいるのと同じように会話できれば、どこにいてもいいよね。今はまだ、全部は振り切れないけど。

我々は死ぬらしいじゃない?どうやら。

ーこないだの夏、下垣さんが『俺は結局ビジネスが好きなんだよね〜』とおっしゃってたのが印象に残っていて…

どの夏?(笑)。

ーンフフ(笑)。セプテーニグループの新規事業コンテスト、gen-tenの本選です。下垣さんは出場チームのメンターとしていらしてて。その『結局』はどこから来たんだろうって。

ああ〜、もともとなぜこの仕事やってるのかといえば、まあ人生観の話になるのかな?子どもの頃から「人生とはなんだ」みたいなのをよく考えてたのよ。

ほら、我々は死ぬらしいじゃない?どうやら。

ーそうみたいです。

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『人生は1回きり』とみんなが言う。誰も死んだ経験はないのにさ。だから、なるほど1回だけらしいぞ、と。じゃあ人生がいつか終わるとするなら、ゴールは死ぬ瞬間に「俺の人生最高だったな」と思えることだな、と考えたわけ。

で、どういう状況なら最高だと思えるのかは、人それぞれだよね。家族の幸せや、医者になって人の命を救うこともあると思う。俺は「偉大なことしたな」と思いたい。

ー偉大なこと、なんですね。

そう、歴史が好きだからさ、教科書載りてえな〜って思ったのよ。悪いことでも教科書のれちゃうけどさ(笑)、“社会をよく変えた” という意味で、功績を残したいなと思ったわけ。

それをやれるフィールドとして、ビジネス。もちろん宗教家やアーティストでも、できるかもしれないけどね、俺はビジネス。やっていて楽しいし、資本主義の中で影響力はあるよね、レバレッジも効く。

ー『やっていて楽しい』はいつ頃気づいたんですか?

もう仕事はじめてすぐ。学生インターンかな、内定者アルバイト。

ーあ、本当に『すぐ』だ。

もともと建築家になりたくて。建築事務所のオープンデスク(無給のアルバイト)をやってたんだけど、そのとき「俺に建築は無理だな」と思ったのよ。理由は2つあって、ひとつは能力。

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学生のころ、ある有名な建築家の方の事務所に通っていたのね。アトリエ入ったらドーンって模型とかあるんだけど、その下で寝てる人がいてさ、本人なの。びっくり。毎日夕方になると『行ってくるね〜』と渋谷の東急まで出かけて、大量の食材を買って帰ってくるの。何かと思ったらアシスタント20人分くらいの食事を自ら作ってくれる。それがめちゃくちゃ美味くてさ、多才。ある時は「君たち時間ある?」って聞かれて、ウイスキー飲みながらロックの歴史を振り返るとかさ。ははは! ぶっ飛んでるんだよね、アーティスト。

ーすっごい刺激的。

でもね、俺はあそこまでぶっ飛べねえなと思ったのよ。俺にはまだ現実味があるから。

もうひとつ。俺がやりたかった建築は、建物ではなくて、文化の流れを変えるものだったのね。人類の歴史の中で、建築は社会を作ってきた。駅の場所、道、街、とか。昔は手紙送っても飛脚が東海道を走ってたわけよ、でも今はデータが飛ぶわけでしょう。建築はある意味で、“社会の基盤を作る” という義務から解放されつつあるのかなと感じたから、インターネットにしたと。

ーへえ、ああ。だからgooddoのスタンスも「仕掛けや仕組みの方でありたい」とおっしゃっていたんですか

そう。インターネットや広告も、建築と結構近いところがあって、ある種それによって人の動きを変えられる、“かも” しれないからね。

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変数のいじり方まで決まってたら、多分面白くないんじゃないかな。

それで大学院も考えてたけど、建築から領域を変えて広告業界で就活を始めたのよ、でもね、エントリーシートで全部落ちたの。

ーえ!

今考えると、「いや俺でも採用しないな」って感じだよ、超尖ってたからさ(笑)。それでセプテーニはね、“みんしゅう” のレコメンドがキッカケ。あれ、『みんなの就職活動日記』ってWebサイト知らない?当時俺ら世代はみんなやってたよ。

ー初めて聞きました〜。

セプテーニはエントリーシートが無かったから、ヨシ! って。それで内定もらって、せっかくだからちゃんとやろうって思ったのよね。

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内定者アルバイトは営業職。成果グラフとか書いちゃってさ、ばーんと行った人が1番。建築やアートは第三者からすれば絶対的な指標がないところがいいんだけど、ビジネスは達成率何%と出る。その単純明快なのが面白いなと。

ービジネスは変数が多いのに結果だけ見る、とも言えますけど、それがつまらないとはならなかったんですね。

あーそうだねえ。最終的なゴールは「この数値を上げたい」と明確で、変数はいっぱいあるけど、そこをどう行くかは自由だからね。変数のいじり方まで決まってたら、多分面白くないんじゃないかな。

ーどんな仕事にもハウツーはあれど、最後は「×自分」ですよね。本人という因数は結構大きいと思いますが、営業職時代のご自身の切り札みたいなのは。切り札というか、いいところ、といいますか。

うん、少なくとも2つあるな。あ、3つあるな。これ全て今も変わらないけど、ひとつめは、素直なところ。ちょっとした嘘はつくけど、クリティカルな嘘は絶対つかない。

ーちょっとした嘘(笑)。

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お世辞くらいは言うけどさ、「ここは譲れない」という点で嘘はつかない。本当に微妙だったら「本当に微妙です」と言っちゃう。それがお客さんにも伝わって話が進むのはいいところだな。ふたつめは、勘っちゃ勘なんだけどね、

ーはい。

先が見えること。

ー会話や勝ち筋ですか? それとも世の中の動きでしょうか。

世の中かな。子どもの頃からそういう感覚はあったんだけど、どう変化していくのか、先が見える。確信がもてる。ロジックはないけどね。だからそれは仕事においても役立ってる。

ーなるほど。

それで最後はね、酒が飲める! ははははは!

ーンフフフフ(笑)。

なんの話だっけ。

ー「いいところ」、です。

あ、そうね。今の3つは、営業でも、今こうして事業をやっていても、非常に重要で役立ってるなあと思うね。素直で、先が見えて、酒も飲める。うん、俺はこれだね。


▷NEXT:続いて後編はこちら!

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