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#建築 まとめマガジン

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2019年1月の記事一覧

「人間臭い都市づくり」─旅する街づくり 若き都市計画家の欧米都市見聞録【万来舎】

伊藤滋 著 A5判/444頁/4,000円+税 若き都市計画家の欧米都市見聞録 都市計画の第一人者、伊藤滋の風雲記 五十年前、若き都市計画家がアメリカの地に降り立った。 日本の都市計画分野からは、当時誰も留学していなかった欧米の地。第二次大戦の傷跡からの復興が進み、自動車が社会のあり方を変え始めた。 その世界を自分の眼で見るため、伊藤滋はフォルクスワーゲンを駆り、大陸横断バスに揺られ続け、ユーレイルパスを使いまくった。 自身の研究の土台となった留学中の発見を、当時収集し

地形から見る団地─団地図解 地形・造成・ランドスケープ・住棟・間取りから読み解く設計思考【学芸出版社】

篠沢健太 吉永健一 著 B5変型判/140頁/3,600円+税 団地はどれも同じ…だなんて大間違い。地形を生かしたランドスケープ、コミュニティに配慮しつつ変化に富む住棟配置、快適さを求め考案された間取りの数々。目を凝らせば、造成から植木一本まで連続した設計思考が行き届き、長い年月をかけ育まれた豊かな住空間に気づくはず。あなたも知らない団地の読み解き方、教えます。 建築やランドスケープの設計者である筆者が地形に着目して団地を解説した本書. 多くの団地が建設された高度

アイリーン・グレイ 建築家・デザイナー【みすず書房】

ピーター・アダム 著/小池一子 訳 A5判/320頁/5,400円+税 「家は住むための機械ではない。人間にとっての殻であり、延長であり、解放であり、精神的な発散である。外見上調和がとれているというだけではなく、全体としての構成、個々の作業がひとつにあわさって、もっとも深い意味でその建物を人間的にするのである」(アイリーン・グレイ) 「あなたの家で過ごした二日の間に、その家の内外のすべての構造に指令を出している、類い稀な魂を称賛する機会をもつことができてとてもしあわせで

40代を迎えるためのステートメント①-1

1.私が建築家を志したきっかけ 私が建築家を志すきっかけになったのは、父で建築家・都市計画家の水谷頴介の影響であることは言うまでもありません。父は93年に他界し、当時の私は11歳です。直接、父から建築を教えてもらうことはありませんでした。幼少期の頃に父に仕事場に連れて行かれることが多く、絵を描くことや工作をすることが好きだった私は、模型や図面を広げ、デスクで作業をする姿に憧れたのがきっかけでした。当時は都市計画家という職業は当然知らず、建物を設計する仕事に魅力を感じていまし

「感動が大きくなるから、旅は一人がいい」

昨年9月に亡くなった盟友のみ江さんは、旅が好きだった。それが改めて実感できたのは、先日開催したお別れの会で配った冊子「たかぎ み江 作品集」制作でのことだ。み江さんがここ10年あまりで撮影した写真を俯瞰したところ、多岐にわたる旅の記録にとりわけ目を奪われた。 特に興味深いのが一人旅だ。モロッコ、新疆ウイグル自治区、メキシコなど、移動や安全性、言語といった面でなかなか難易度が高そうなところに一人で行っている。誰かと行くときは、ハワイとか、イギリス、イタリア、ドバイ、香港など、

あの建築を生かすために、僕たちに何ができるのだろう

今日は建築に携わる人なら皆抱えている、あの問題について考えてみたいと思います。 そう、建築を生かしていくために、僕たち一人ひとりに何ができるのだろうか、というあれです。 曲がりなりにも建築のコンテンツに関わる仕事を通して考えてきた、現時点での僕なりの答えを書いてみます。 違う考え方ももちろんあるでしょうから、ぜひ一緒に考えてみてください。 こんにちは、ロンロ・ボナペティです。 今まさに存続の危機に瀕している「都城市民会館」。皆さんご存知でしょうか。 特徴的な外観が異彩を放つ

駆け出しの頃、辺境の地にて

「私の失敗」は建築家自身が自分たちの失敗を赤裸々に語るコラムです。建築家たちはさまざまな失敗を重ね、そこから学び、常に自分たちを研鑽しています。 そんな建築家たちの試行をご覧ください! 執筆者:堀部安嗣 1967年神奈川県生まれ/1990年筑波大学芸術専門群環境デザインコース卒業/1991〜94年益子アトリエ/1994年堀部安嗣建築設計事務所設立/現在、京都造形芸術大学大学院教授/2002年「牛久のギャラリー」(『新建築』0108)で第18回吉岡賞受賞/主な著書に『堀部安

中山英之 1/1000000000【LIXIL出版】

中山英之 著 A5判/ 160頁/1,800円+税 中山英之は2006年のデビューから現在まで、「世界」とは何かを問うてきました。彼は作品を通して建物の建つ「土地」やあたりまえの「生活」に対する人々の認識を超えて、これまでの世界をつくりかえる新たな空間を提示しています。 本書では、図面上にあらゆる世界を描くことができる「スケール(縮尺)」の考え方を軸に、小さな石から住宅、都市、地球とさまざまな大きさを行き来し、建築が世界を変えうる可能性について説いています。 《円と弧

T_ADS TEXTS 02 もがく建築家,理論を考える【東京大学出版会】

東京大学建築学専攻 Advanced Design Studies 編 新書判/304頁/1,500円+税 ふたつの東京オリンピックのはざまで,時代の大きなうねりのなか形作られた現代日本建築の多様性を「理論」「技術」「都市」「人間」という四相から見直すシリーズの第1弾,「理論編」.日本を代表する建築家自身による作品解説とインタビューによる現代日本建築入門. 本書では6名の建築家(磯崎新,香山壽夫,藤森照信,大野秀敏,妹島和世,隈研吾)の代表作に訪れて行なわれたインタビ

12月のテキサス : 水と素材と光と (その③・・・レンゾ・ピアノの美術館2題)

「先達の作品から学び、模倣しなさい」・・・・建築学科にいた頃、頻繁に耳にした言葉だ。意外かもしれないが、建築の設計・デザイン教育の場では、マネすることの重要性は思いのほかよく説かれる。が、頭のカタイ学生だった僕はなかなかこの言葉が飲み込めなかった。「マネなんかしたらオリジナリティが殺されちゃうんじゃないの?」って。「模倣」と「創意」が共存しうる、ということがサッパリ理解できていなかったのだ。 キンベル美術館・増築棟 この、模倣あるいは一種のオマージュと、創意・オリジナリティ

センスとは才能ではない プリンシパルだ

突然ですが、デザインのセンスって何でしょう。「センスに自信がありますか?」と誰かに訊ねてみると「いやいや~」と、大抵自信なさげな返事が返ってきます。そこから感じるのは、まるでセンスは神から与えられた才能で、自分には関係ない、という感覚です。かつては僕もそう思っていました。しかし断言します。センスは才能ではなく、少しの気づきで練習できるものです。

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形はつくるものではない 見つけるものだ

デザイナーは形をつくることが仕事ですが、上手なデザイナーに共通するのは、形を自分でつくるというよりも、形を見つけるように形を生み出す感覚を持っていることです。

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