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人生で初めてアイドルのライブに行った話

はじめに

先日、人生で初めてアイドルのライブに足を運んだ。


そのアイドルグループの名前は、『アップアップガールズ(プロレス)』
(以下:アプガプロレス)

『アップアップガールズ(仮)』の姉妹グループ的な存在だが、名前にもあるように、アイドル活動だけでなくプロレス活動も並行して行っている。
まさに、【「歌って、踊って、闘える」最強のアイドルを目指すアイドルグループ】!!!
(by公式サイト)


2023.6.10、新宿FACEで行われた彼女たちの単独ライブ・『アップアップガールズ(プロレス) 2nd SHOW 掴むぞ!最上級のステージ!』は、アプガプロレスとしては2度目の単独公演となった。


私が今回このライブに足を運ぼうと思ったキッカケは、実に単純だ。
プロレスの試合がアイドルの公演内に組まれるという、ただそれだけの理由だったから。

彼女達が参戦している東京女子プロレスでは、毎大会アプガプロレスによる歌のコーナーが組まれていた事もあり、何度かパフォーマンスを見る機会があった。
正直な所、自分の好きなプロレスが絡まない限り、こうしてアイドルのライブを見る機会は無かったと思う。


普段の私が好きな音楽は、GRAPEVINE、TRICERATOPS、9mm parabellum bullet、THEE MICHELLE GUN ELEPHANT、ストレイテナー、Nothing's Carved In Stone、the band apart、a flood of circleといった邦楽ロックバンドが中心。
これまでアイドルの楽曲を聴く事はあっても、曲を歌うアイドルグループや個人まで深く掘り下げる事は無かったし、そもそも私の楽曲の嗜好自体アイドルとは縁遠い所にある。


そんな状態でロクな予習も無いまま、当日に勢いで足を運んでみたのだが、色々と気付きを得る機会になった。
結論から言って、素晴らしいライブだったのだ。


アクティブなアイドルファンと、メンバーが紡ぐストーリー

今回、ライブ会場となった新宿FACEは、中央にリングを設置して東西南北に座席を配置する格闘技・プロレス興行用のステージプランと、奥の座席をステージに転換させて観客を入れる演劇・ライブ用のステージプランの2種類がある。

東京都内のプロレス会場で使用頻度も多い同会場では前者のプランで行われるのだが、この日はライブとプロレスが両立する興行。
故に、リングを設置した上で、向正面となる北側をほぼステージにする特殊な形が取られた。


近年、アイドルからプロレスラーとしてデビューする事例も少なくない女子プロレス界にあって、アイドルとプロレスは親和性の高い関係性だと私は思っていた。

しかし、実際アイドルのライブに行ってみると、プロレスファンとは似て非なる気質だと感じてしまったのだ。
アイドルファンは良い意味で、とにかく熱かったのである。


当たり前と言われればそれまでだが、普段の東京女子プロレスの会場よりもペンライトの本数が明らかに増えていたし、手を動かして盛り上げるファンの人数も多い。
東京女子プロレスの会場だと、大会前のライブで歓声は起きても、ここまで熱く盛り上がる場面は(失礼ながら)見たことがなかった。

無論、プロレスとアイドルライブはそもそもの文化や趣が異なる面は否めない。
(基本は椅子に座るプロレス観戦と、椅子があってもスタンディングだったりするライブ、みたいな)

それでも、比較的アイドルと親和性の高そうな東京女子プロレスでも見られないような、アクティブな空気感が会場を満たしていたのである。


アイドルライブというフィルターを通して見た時に、普段と違うアプガプロレスの面々が見られたのも新鮮だった。
この日、メンバー全員のソロ入場曲が生歌だった点も、単独公演ならではの演出だったように思う。

渡辺未詩
鈴木志乃
乃蒼ヒカリ
らく


私にとって一番の目当てだったプロレスも各試合にコンセプトが感じられた上、今後の東京女子プロレスを牽引するであろう若手選手が多く参戦していた。
先々、彼女たちがタイトル戦線に絡んでくるようになると面白いし、その未来はそう遠くない先にあると確信した。

先輩選手+同期のカードで先輩の宮本もかに立ち向かう鈴木志乃
角田奈穂とのタッグチーム・『ふりーWi-Fi』で絆の深さを見せた乃蒼ヒカリ
らくとエルボー合戦を展開する渡辺未詩
おやすみエクスプレスを決める、らく


メンバー4人がプロレスのリングで試合もしながら、アイドルとしてのパフォーマンスにも取り組む。
「プロレスとアイドルという似て非なる2つの車輪を動かして活動する事って、実はスゴいんじゃないか」という尊敬の念しか出てこなかった。

プロレス会場でしか彼女達を見ていなかったら、恐らくこういう事に私は気付けなかったかもしれない。


まとめ

アプガプロレス2度目となる単独ライブは、普段の東京女子プロレスのリングだけでは見られないような、メンバー4人の成長を密に感じられる素晴らしいものだった。


前述したようにプロレスのリングとライブのステージプランを両立させた関係上、観戦上の不便があったのは唯一勿体ない所ではあった。
リングが設置されると正面でもない限りステージは鉄柱等で隠れて見えなくなってしまうし、素人目で、スタンディングならスタンディング、カメラ撮影用ならスタンディング禁止で振り分けても良かった気はした。
(立ちたかったけど、「後ろの人座ってるから迷惑かけるなあ」で躊躇…)

ただ、この辺りは席に座って見るプロレスと、スタンディングのライブハウス等が多いアイドルライブという、前提条件がそもそも違う2つを並べた事で起きた事であって、双方の文化が悪いとは個人的に思わない。
寧ろ、プロレスしか知らなかったら気付けない、新鮮な点だった。


とはいえ、そういった不満は超えてくる満足度がライブにはあった。
ライブの最終盤では、募集中の新メンバーオーディションに合格した16歳のウタがアプガプロレスに新加入。
既存の成長物語に未来を担保する。まさにこれは、ハッピーエンドではないだろうか?


31年生きてきて初めて訪れたアイドルのライブは、非常に刺激的でした。
アイドルファンは熱い!🔥

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