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若人の 活気と熱気に 満ちた磁場~2022.10.15『星野良&佐藤嗣崇&北村彰基vs馬場拓海&松永準也&太嘉文』~

はじめに

「プロレスリングZERO1所属の若手選手は、過小評価されている」

何度か試合を生で見ている中で、私自身感じたことだ。


ZERO1の団体規模は決して大きくないし、過去には主力選手の退団でピンチを迎えた事もある。

田中将斗や、現在欠場中の大谷晋二郎の存在感に加え、2021年は外敵に管轄しているベルトが流出したこともあって、「若手が不甲斐ない」と言う意見も見かけたりした。


でも、果たしてそうなのだろうか…?


冒頭の私見に至った理由は、極めてシンプルだ。
今のZERO1の若手は、先輩に頼らずとも熱を生み出せる力が備わっているから。


私自身、2022年はZERO1に沢山行けている訳ではないけれど、それでも、足を運んだ大会で若手が躍動し、爪痕を残しているのを何度も見た。


そんな若手の熱量が、ギュッと詰まっているように感じられた試合がある。

2022.10.15・ZERO1東京タワー特設リング大会にて行われた、『星野良&佐藤嗣崇&北村彰基vs馬場拓海&松永準也&太嘉文』だ。


ZERO1の恒例行事の一つである、東京タワー特設リング上でのプロレス。

入場料500円という破格な大会で、今回のメインは所属6選手による60分3本勝負。

この日、現世界ヘビー級王者の田中将斗や、所属の久保田ブラザーズ(ヤス久保田&ヒデ久保田)は不在…。


中堅やベテラン選手ではなく、若手だけで構成されたメインは、今のZERO1若手選手達が持つポテンシャルと熱量を存分に堪能する試合となった。


『星野良&佐藤嗣崇&北村彰基vs馬場拓海&松永準也&太嘉文』

迎えたメインイベント…。


この日は、マスク完全着用であれば声出し応援が可能。

10.30栃木大会で行われる、インターコンチネンタルタッグ王座の前哨戦も兼ねていた試合だが、前哨戦という側面を抜きにしても、盛り上がりは凄まじいものだった。


前哨戦で火花を散らす松永と北村。


場外でも激しくやり合う若人達。


特に、観戦していた子供達の声援は凄まじく、北村に対しては、複数人から声援が飛んでいたほどだ。


試合は、タッグ王座挑戦者である北村が、王者の松永から3カウントを奪う幸先の良いスタート。


しかし、松永も反撃開始。

リングサイドまで集まった子供達が、北村にあらんばかりの声援を送るも、2本目は松永が北村から取り返して、1-1の五分に。


迎えた3本目は、6選手中キャリアが一番浅い星野が捕まる展開に。


終盤、馬場と星野のマッチアップになるも、星野が痛めつけられる苦しい状況は変わらず…。


しかし、星野が猛攻を耐え切ると、味方の佐藤や北村が星野に強力な援護射撃。


この流れを逃さなかった星野が、最後はレッグロールクラッチで馬場を丸め込み、見事な3カウント。


ZERO1で一番の若手選手が成し得た大仕事は、この日、会場が一番沸いた瞬間でもあった。


まとめ

大盛況のうちに終了した、ZERO1の東京タワー大会。


終始熱に満ち溢れた大会だったが、メインの若い6選手が作り上げた激闘と、それにほだされた観客が生み出す熱量が重なりあう様は、ただただ素晴らしかった。


ZERO1のイベントプロレスの場内実況で、オッキー沖田リングアナが言うフレーズがある。

「おじさん団体と呼ばれていたZERO1ですが、今は20代の選手が9人もいます!」


この日のメインイベントに出場した6選手に加え、オープニングマッチに出た永尾颯樹、現在欠場中の日力源太、『ZERO1ガールズ』のNATSUMIを擁するZERO1。


20代未満の所属選手を10名近くも抱える団体なんて、大手や老舗を含めても、そう多くはない。
何より、この若手選手全員が、現段階で今後ハネる可能性を秘めている。



今のZERO1には、若人のエネルギーに溢れている。

だからこそ、私は言いたい。


「プロレスリングZERO1所属の若手選手は、過小評価されている」と…。

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