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街と同じ目線"麹町 No.4"

麹町に久しぶりに行ったので、No.4でひと休みしようと思い立ち寄った。
No.4はT.Y.HARBORやIVY PLACEなど飲食店を経営するTYSON&COMPANYが手掛けている。
TYSON&COMPANYは寺田倉庫保有の倉庫を使ってクラフトビールなど楽しめるT.Y.HARBORを始めてから25年余り。寺田倉庫の孫にあたる寺田心平氏が社長を務めている。どこか日本ではないような空間でありながら居心地がよく、美味しい食事やお酒が楽しめる。そんな店舗を次々と展開し、国籍問わずあらゆる人たちで、いつも賑わっている。外観、内装はIVY PLACEなどのデザインを手掛けてきたKROWだ。

No.4はベーカリーカフェでありながら、クラフトビールやピザなど楽しめることからモーニングから夜まで入店を待つ列が絶えない。
入り口のサインにもあるように「Hand-Crafted(手作り)」が食事や飲み物、空間や人々の振る舞いまで貫かれていることが人気の理由かもしれない。


1.コンテナが生み出すリズム

外観 エントランス
外観 KROWサイトより

麹町から市ヶ谷駅にかけて走る日テレ通り沿いに位置する。空地にポツンと立つ贅沢な平屋は、再開発を前提とした期間限定の店舗として2015年にオープン。気になって現状を調べてみると関係各所の協議が継続されている。
期間限定であることから長いコンテナを4つ並べて空間を構成している。厨房がそのうち過半を占めることから座席スペースが細長く狭くなりそうなところを空地に向けて大きく開口を取り、デッキを敷いて開放感を作り出している。
内部にリズミカルに登場する柱やフレーム、波板鋼板は無骨だが、ビルインにはない温かみやクラフト感を生み出している。

2.カウンターを軸とした賑わい

内観

エントランスはコンテナの妻面であり、中に入ると細長い空間が広がる。長辺方向にカウンターが伸び、そこには美味しそうなパンが並び、温かいコーヒーが提供される。スタバなどもカウンターが空間の軸となっているが、スタバよりもカウンター周辺は雑然と機器や焼きたてのパンが並び、バックカウンターも忙しく提供する食事の段取りをしている様子が伺える。
お店を続ける中で見出されたと思われる効率的な器具のレイアウトや店員さんの配置は、自然と空間に賑わいをもたらし、その景色は飲食スペースと一体化することで場全体がチェーン店ではない唯一無二な味わいを見出している。

3.美味しそうなインテリア

家具 KROWサイトより

インダストリアルな建物フレームに温かみをもたらす木の造作。ここに真っ赤な椅子を組み合わせるのが何とも素晴らしい。MULTIPL社のスタッキングチェアのリプロダクション。どこか異国の長らく街に愛されたカフェのような佇まい。この椅子で空間が一気にカジュアルでポップな雰囲気になり、美味しい食事はさらに美味しく、会話も弾むことだろう。

コーヒーとスコーン

結局店内で食事をするにはかなり待つため、外のデッキで暖房にあたりながらコーヒーとスコーンを味わった。期間限定と言わずいつまでも楽しみたい空間だ。

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