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ミュージック・マガジン編

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ミュージック・マガジン誌「50年の邦楽ベスト100」で取り上げられているアルバムを扱った記事たちのまとめです。
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2023年10月の記事一覧

カーネーション『LIVING/LOVING』(2003)

アルバム情報アーティスト: カーネーション リリース日: 2003/8/23 レーベル: cutting edge(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は94位でした。 メンバーの感想The End End  大好きなスリーピースバンドがいくつかある。例えばBase Ball Bearや、ペトロールズや、andymori…これらに共通するのは、“鳴っていない音が聴こえる”こと。  広義の“ポップ・ミュージック”に視線が向けられたであろう楽曲たちは、ギターしか弾

レイ・ハラカミ『[lust]』(2005)

アルバム情報アーティスト: レイ・ハラカミ リリース日: 2005/5/25 レーベル: Sublime(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は50位でした。 メンバーの感想The End End  レイ・ハラカミは、もはやリスナーとして聴くことができません…日々エレクトロニック・ミュージックを作って過ごしている人間として、どうしても憧れや感心が先に立ってしまう。気がつくとすぐ、このアルバムから自分の中に何を持って帰れるかばかり考えている。めちゃくちゃ偉そうな

コーネリアス『SENSUOUS』(2006)

アルバム情報アーティスト: コーネリアス リリース日: 2006/10/26 レーベル: ワーナー(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は37位でした。 メンバーの感想The End End  “こんにちは、小山田圭吾です”がめっちゃウソで毎回笑っちゃう。パッと聴きとても複雑なことが行われているように聴こえるけど、ほとんどの音は4/4拍子に則ったループの形をしている。発音タイミングがズラされていたり、頭の拍で発音しない音色でイントロが構成されていたりすることで

ゆらゆら帝国『空洞です』(2007)

アルバム情報アーティスト: ゆらゆら帝国 リリース日: 2007/10/10 レーベル: SONY(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は4位でした。 メンバーの感想The End End  だーいすき。だーいすきです。かなり頻繁にお世話になってます。  私の作った曲を聴いたインターネットの知り合いが“やり過ぎなさをやり過ぎている”と言ってくれたことがあるのだけど、『空洞です』はその極地の一つじゃないか。“明るくもあるし暗くもある”音楽を作ることは、とても穏や

Perfume『GAME』(2008)

アルバム情報アーティスト: Perfume リリース日: 2008/4/16 レーベル: 徳間ジャパン(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は32位でした。 メンバーの感想The End End  『GAME』やデビュー前後のPerfume評において“男性の欲望に完璧に応えるだけの精巧なアンドロイド”みたいなことが書かれがちなのは、ロボット・ヴォイスに依拠するところが大きいだろうけど、ふざけるなと言いたい。3人の歌声こそがこの作品の、Perfumeの魅力じゃな

坂本慎太郎『幻とのつきあい方』(2011)

アルバム情報アーティスト: リリース日: 2011/11/18 レーベル: zelone records(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は89位でした。 メンバーの感想The End End  ”すべてが滅んだ後の世界で幽霊のバンドがずっと演奏を続けていて、ただ時間の流れだけが世界を満たしていく”みたいなイメージをもって作ったと坂本慎太郎が語っているのを見たことがあるけど、本当にそのイメージがピッタリ合う。不気味の谷的な。まるで親しみやすいみたいな可愛

二階堂和美『にじみ』(2011)

アルバム情報アーティスト: 二階堂和美 リリース日: 2011/7/6 レーベル: P-VINE/カクバリズム 「50年の邦楽ベスト100」における順位は92位でした。 メンバーの感想The End End  「歌はいらない」の時点でめっちゃ惹きつけられてしまった。”もの思いにふけるとき 歌はいらないの 考えるのをやめたいとき 歌がほしいの”、いつも私が考えていることすぎて。  もっとも、この曲は”ゆっくり考えたいから歌は一度黙って!”と言っていて、私はいつも”何もしてい

坂本慎太郎『ナマで踊ろう』(2014)

アルバム情報アーティスト: リリース日: 2014/5/28 レーベル: zelone records(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は48位でした。 メンバーの感想The End End  坂本慎太郎のソロ作における私のフェイバリットは『物語のように』とこれである、それは間違いないのだけど…『幻とのつきあい方』と違う何かが語れるだろうか、と言われると、すごくすごく難しいな。というのが、最も正直な感想だ。  敢えてひとつ言うなら、音像においても、歌われ

森は生きている『グッド・ナイト』(2014)

アルバム情報アーティスト: 森は生きている リリース日: 2014/11/19 レーベル: P-VINE(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は85位でした。 メンバーの感想The End End  音響派だ!!!!音響派だー!!!!突飛な処理をするのではなくて、部屋とマイクと音量とパンとテープエコーの偏執的な調整の先にしか待っていない音像。彼岸と此岸の境界にピッタリ浮かんでいるような。それはリバーブのたっぷり含まれた遠い音と、コンソールに直接入力したような近

cero『Obscure Ride』(2015)

アルバム情報アーティスト: cero リリース日: 2015/5/27 レーベル: カクバリズム 「50年の邦楽ベスト100」における順位は35位でした。 メンバーの感想The End End  母に連れられて行ったceroとペトロールズと Original Loveのスリーマンが、16歳だった私の聴く音楽をガラッと変えてしまったんですよ。あの頃は、ceroとペトロールズとD.A.N.を好きな自分は最高にイカしてると思ってました(照)  "リズム"あるいは"グルーヴ"とい

星野源『YELLOW DANCER』(2015)

アルバム情報アーティスト: 星野源 リリース日: 2015/12/2 レーベル: JVCケンウッド/ビクター(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は95位でした。 メンバーの感想The End End  「桜の森」をリアルタイムで聴いた時の柔らかいワクワクが蘇ってきて普通に涙が出てきちゃった。  曲によってはスウィングしているものもあるけど、全体的に、"うねるリズムをスクエアに、でもシーケンサーではなくヒトの手で鳴らす"みたいなテーマを感じる。ディスコやファン

CHAI『PINK』(2017)

アルバム情報アーティスト: CHAI リリース日: 2017/10/25 レーベル: OTEMOYAN record(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は81位でした。 メンバーの感想The End End  ポップであることに躊躇が無い人たち、眩しくて仕方がない。最近、”ポップなのにこんなにギークな音出すんだ”ではなく、”こんなにギークなのが伝わってくる音なのに、なんで真っ直ぐポップになれるんだろう”と考えることが増えてきた。『SENSUOUS』の時も書

折坂悠太『平成』(2018)

アルバム情報アーティスト: 折坂悠太 リリース日: 2018/10/3 レーベル: ORISAKA YUTA / Less+ Project.(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は62位でした。 メンバーの感想The End End  得体が知れない。録音の凄みはそこまでには至っていない気がするけど、ソングライティングとアレンジにおいて、『泰安洋行』と同じ地平に立っている作品じゃないか?シミュレーションにとどまらない、ジャンルとジャンルの無節操なごった煮。”