reiya_khy_10

零夜です。(ここでの綴り手) 綴る言葉は、雪透だったり、遥葵音だったり、紅葉自身だった…

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零夜です。(ここでの綴り手) 綴る言葉は、雪透だったり、遥葵音だったり、紅葉自身だったりします。ので、矛盾したりするかもしれませんが全て自分です。隠さず記録します。 おそらく言葉使いと、雰囲気で(一人称込)わかると思います(わからなくても大丈夫です。把握のためby名と書くので。)

最近の記事

言葉は時として凶器にもハグにもなる。毒になる時もあれば蜜になることもある。使い方と責任しだいで全てが変わる。

    • 『変人』柊良作

      『変人』柊良作 夕凪というものがある。 僕はそれが好きだ。 風がそれを教えてくれる。 夕凪の調べをきかせてくれる。 音が鳴る。 波が夕凪を知らせてくれる。 あー、君も好きなのかい? 夕凪が。 素敵だろう?綺麗だろう? これに囚われてしまえば、君も立派な変人さ。

      • 『起きる』遥葵音作

        夕凪の音がする。 風がヒュウヒュウと、調べを奏でて 波の音がザーザーと合いの手を入れる。 音が鳴る。 夕凪が来る。 朝が来る。 鬱陶しくも、愛おしい朝が来る。 今日も今日とて、一日が始まる。

        • 『忘れてゆく』遥葵音作

          コホコホ。 咳をする。 気だるさを引っ提げて今日もまた息をする。 社会人2年目。休む訳にも行くまい。 微睡みの中目覚ましのアラームがなる。 バシン。強く叩きすぎたかな。 と思いながら音を切る。 コホコホ。 またひとつ咳をする。 布団から起きて顔を洗って歯磨きして、あー何もかもが億劫だ。 布団の中で身じろぐ。 コホコホ。 また咳をする。 気だるさに任せてまた微睡む。 あの高校の部活の日々に。 泣いて笑って仲間と共に悔しがって、勝って負けて、それでも楽しかったあの日々に。 汗をか

        言葉は時として凶器にもハグにもなる。毒になる時もあれば蜜になることもある。使い方と責任しだいで全てが変わる。

          『今日だけはどうか』柊良作

          咳。 どうやら風邪をひいてしまったようだ。 気だるさもある。 あー何年ぶりか。 昔は彼が、看病をしていてくれたと言うのに。 彼はもう居ない。 何処にもいない。 私自ら彼の手を離してしまったのだ。 よくある話さ。 彼のSOSに気づいていながら手を伸ばさなかった。 それだけの事。翌日彼は死へと飛び立った。 あーなんて私は馬鹿なのだろう。 微睡んでいたいよ。君との日々に。 けれどそれは許されない。 許されてはならないことだ。 咳をした。 気だるさを抱えて起き上がる。 今日は何をしよ

          『今日だけはどうか』柊良作

          『雪のように』

          『大丈夫?』 こんな言葉僕には単純に『大丈夫』しか求めてないようにしか聞こえない。 どうせ、大丈夫じゃない、なんて言った瞬間困った顔をしてめんどくさいと言うんだ。そんなの分かりきってる。だから僕も、いつも通りに『大丈夫』と答える。 僕は高校1年生。クラスは中の下位のところだ。 何となく生きていた。外面は何でもないような顔して、心の中ではいつも、「世界なんて、僕なんて全て消えてしまえばいい。」なんて思ってる。 しんどいとか、苦しいとか、助けてとか、そんなの言ったって意味無いこ

          『雪のように』

          『静かに告げる』

          僕は今日、余命宣告をされた。 昨日の体育の日、ふと目眩がして、目の前が真っ暗になった。その後盛大に倒れたそうだ。覚えてはいないが。 気がついて、目が覚めたら白い天井に、腕には点滴、不思議でしか無かった。 両親と先生が病室へ入ってくる。何故か2人とも泣いていて、僕は意味がわからず、首を傾げた。 先生が神妙な面持ちで息を吸う。 『あなたは、突発性の癌です。』 その後ダラダラと病気の名前やら症状やらを言っていたが正直実感もわかなければ、難しすぎて理解できない。両親はひたすら泣いてい

          『静かに告げる』

          『欠片』

          コトン、何かが落ちた音がする。毎度、何か違うものが、落ちている気がする。 けれどそんなのどうでも良くて、家を出る。駅に向かって電車に乗る。 今日は何処まで行こうか。何も考えず、遠くの知らない場所へ。 いつもそうだ。何もかもどうでも良くなって、みんな所詮他人。親ですら関心がない。だからいいんだこれで。 財布とスマホと充電器、いつもそれだけ持って行ける所までいく。 知らない土地で写真を撮って、景色を眺めて、気がむくまでそこにいる。 たまに泊まったりもする。 そして家に帰ってくる

          『欠片』

          『世界は微笑む』

          小学6年の頃、僕は自殺をしようとした。 あの屋上で。 どうして?と聞かれると、分からない。 確かにクラスからのいじめや、教師からの体罰、見て見ぬふりの人たち。 それは辛いし嫌だけど、それが原因かと問われると、違うと思う。 親は、僕になんか興味無いし、仕事人間だ。 家族旅行なんてしたことない。そもそも遊ぶこともなければ、家にいない方が多い。 それも別になんとも思ってない。 けれど。どうしてか、この世界から逃げたくなった。 だから死のうとした。 そこに声がしたのが始まりだ。 ひ

          『世界は微笑む』

          『嘘を吐く』

          『1度嘘をついてしまえば もう、元には戻れないのだよ。 だから、 あまり、嘘をつくんじゃないよ。 いつかはバレる。 綻びが生まれる。 嘘を吐けば、 また嘘に嘘を塗り固めて、 二度と、真実を話せなくなる。 何故なら、 嘘になってしまうからね。 嘘が本当(真)になれば、本当(真)が嘘になる。 気をつけ給え。 どれが嘘で、どれが本当か、君にはわかるかい?』

          『嘘を吐く』

          『息てる』

          泣きたいほど苦しいのに 叫びたいほど辛いのに 泣けなくなった自分が 叫ぶことすら忘れてしまった自分が 吐き出せなくなった自分が 頼り方を知らない自分が 甘え方を忘れた自分が 簡単に悪くもないのに自分を責めて謝ってしまう自分が ヘラヘラ笑って誤魔化せるようになった自分が 生きてる意味を無くした自分が 生きてる価値すらない自分が 何やってんだろって思う自分が 自分の弱いところも 自分全てが 大嫌いで醜くて汚くて惨めで 死んでしまいたくて消えてしまいたくて 壊してしまいたくて

          『息てる』

          『ヒーローも悪も同じだろう?』

          ヒーロー?悪? 同じだろ? 悪は人を傷つけ、殺したり壊したり、奪ったりする。 それによって泣く人や、傷つけられた人は一生の傷を負う。治らない傷を。 だが、ヒーローも同じだろ? 守るために、悪を傷つけ、壊し、倒し、奪い、殺す。 それによって悪側は傷つけられる。消えぬ傷を負う。 何が違う。 互いに守り救済するものが、意思が、価値観が違っただけだと言うのに。 人は、自分から見た暗闇を悪と呼ぶ 人は、自分から見た光をヒーローと呼ぶ 勝手な生き物だ 勝手に背負わせて、無責任に放り出

          『ヒーローも悪も同じだろう?』

          『人・人ならざるもの』

          人は神な(た)りえる そうでしょう? 邪魔だからといって カラスを殺す 凶暴だからといって クマを殺す 増えすぎたからと言って 猫を殺す そして争い 奪い合う 人は何かを殺す 人の意思で はたまた 遺伝子操作をする 駆除するため 生きるため そうして新たな品種たちが生まれる 人は命を作る 人の意思で。 人は命を操作している 神そのものだろう? 人の領域を超えているのだ。 神と呼ばずしてなんと呼ぶ? そういうものだろう。 人は。 王様もおなじさ。 ただ人よ

          『人・人ならざるもの』

          『線香花火』

          線香花火。 弾けて飛んで。 パチパチ 消えてゆく。 淡く点った後、ゆっくり弾けていく。 そしてだんだん強くなって、綺麗に花を咲かせる。 だけど、風に揺れて、ポツン、とその輝きを失う。 静かにその灯火を消す。 人間の命、想い、心、そういうものと似ている気がする。 小さくても、輝いて、光を灯して、綺麗な花を咲かせて、一瞬でも一生懸命に飛ぶ。 そんな生き方をしたい。 小さくても、脆くても、儚くても、短くても、一瞬でも、自分らしく在りたい。

          『線香花火』

          『救いなどない』

          『生きて。』 そう放った彼の言葉に、今も尚、縛られている。 好きな人がいたんだ。叶わない恋だけれど、お互いに秘密基地にいるかのように、ひっそりだけれど、確かに愛し合っていた。 誕生日だって、クリスマスだって、お正月だって、関係なくずっと、2人ですごした。 限りある人生を噛み締めるように。温もりを確かめるように。 あの時もそうだった。 一緒に海に行こうと話した。 記念撮影でもして、僕らが生きた証を残そうと。 確かに、生きていたんだと。愛し合っていたんだと。遺すために。 だけ

          『救いなどない』

          『飛ぼう。さよならだ。この世界から。』

          飛び降りた。 彼女は、目の前で。 あの日、あの時、あの場所で。 僕は、小六の頃、学校の屋上で、飛び降り自殺をしようとした。 三四年の頃いじめられてたから、父親が暴力を振るうから、母親が不倫をしているから、誰も見てくれないから、誰もが死ねと邪魔だと言うから、兄が僕を捨てて死んだから、 そんな在り来りな理由で、飛ぼうとしたんだ。 それを、彼女はとめてくれた。たった一言。 『君は、それでいいの?悔しく、ないの?後悔、しない?』 それだけ、その言葉に、僕は、踏みとどまってしまった

          『飛ぼう。さよならだ。この世界から。』