つれづれ寺社仏閣訪問記 第2話「初めてのお不動様」
目的地:雨降山大山寺
第1話でお話しした令和元年5月1日を経た私は、人生で初めて遭遇したパワースポット的な場所への興味と、人生で初めて手にした真新しい御朱印帳を御朱印で埋めたくなる収集欲とに突き動かされ、次に御朱印を頂く場所を探していました。
「どうせだったら、自分に何か(少しでもスピリチュアル的な)縁のある場所がいいな」と思ったのですが、そこは自称"霊感ゼロ人間"の私。「わが生涯に一片の縁なし」と言わざるを得ません。
それでも、何かないものかと記憶を絞り出していたところ、子供のころ、何かのはずみで母親から、「あんたにはお不動様ついとうけん、大丈夫。占い師に言われたけん」と、謎の励まされかたを受けたことがあるような気がしてきました。そこで、いちおう母親にそのことについて尋ねてみたものの、当然、私以上に記憶にございませんようで。。。
そんなある日、ふと手にした雑誌のちょっとした占いコーナーにて、私の生まれ年である酉年の守り本尊が不動明王であることを知り、「あ、これかな、、、?」と、わが母親の普段の言動とフカし具合から、妙に納得できました。。。
というエピソードを基に(=単に生まれ年の守り本尊であるという理由で)、「よし、次は何処かにお不動様をお参りに行こう」と決心し、またも早速、スマホをポチポチし始めました。
幾つかの候補から、今回の目的地としたのは雨降山大山寺でした。理由は当時の居住地であった神奈川県の県内にあるから、というものでした。。。
と、前置きが長くなりましたが、決行日である令和元年7月7日(日)、世は七夕の真っただ中、近場だからと少しゆっくり目に部屋を出発し、9時過ぎくらいに名物であるケーブルカーの乗り場に到着していました。
この時間、すでにかなりの人出で、その大多数が往復切符を買っている中、私はというと、「雨降ってないし、運動を兼ねて帰りは歩いて降りてこよう」と、お気楽に片道の切符を買っていました。。。
もちろんケーブルカーはかなり混んでいました。しかし、終点の阿夫利神社の手前にある大山寺の駅で降りるのは、ほんの数人で、このケーブルカーの扉がこの日最大の難所でした。。。
こうして、大山寺の駅に降り立ったのは、ちょうど午前10時ごろ。
駅から案内板に従って少し歩くと本堂へ続く立派な階段の下につきました。
ここの秋の紅葉はとても有名なようですが、この時期の青葉も、なんだかエネルギーに満ち溢れているような感じがして元気になれそうです。
ちなみに、今回は、前回(第1話のとき)のような「気安く入るなよ」感は、全く感じなかったのですが、階段を登りきり、ひとけのない本堂へ辿りついた私は、もうスマホをポケットから出すことすら思いつかなくなるくらいに「うあー、この雰囲気すげー!」みたいな気分だった(雰囲気に飲み込まれてた?)ようで、この日、階段の上では1枚も撮影していませんでした。。。
そのため、ここからは記憶だけの話になりますが、本堂の中はとても趣があり、なんだか時が止まっているような空間でした。しかも、タイミングなのか、他にお参りの人が誰もいませんでした。
まずお参りですが、この時点までで、すでに単なる生まれ年の守り本尊であること以上に、お不動様を好きになっていた私は、「これからもよろしくお願いします」的なことをお祈りしました。
そのあと、御朱印を書いてもらっている間ずっと、ひっそりとした堂内の雰囲気を堪能していました。
そして、御朱印を受領し、さらに(自分なりに)厳選したお守りの購入したのですが、その立ち去り際に、御朱印を書いてくださった後に購入品の精算もしてくれた和尚さんが、ふと「よい旅を」と声をかけてくれました。
この言葉を聴いた瞬間、「あー、これは冒険の途中の教会(いや、お寺、、、)で休息できたね!、全回復だね!」、と瞬間的に気持ちが高揚し、反射的に向き直っては、RPGの主人公よろしく、「ありがとうございます」と、我ながら普段したこともないような丁寧なお辞儀をしていました。。。
こうして本堂をあとにした私は、「時間もあるし、全回復もしたし(?)、やっぱり帰りは歩いて降りよう」という気楽な考えのまま、少し前に通過した台風の影響で所々に立派な倒木のある、ほどよく湿った登山道をスポーティな装いで登ってくる人たちと「こんにちは」と挨拶を交わしながら、幾何かの体力を消費して下山しました。。。
このように、私の人生初のお不動様参りは、予想以上に高揚感あふれるものでした。
この日、お不動様が好きになった私は、この後、ぽつぽつと各地のお不動様をお参りするようになりました。
そして、ここ大山寺は、もしも、いつか私が、「わが冒険のラスボスを倒したゾ!」という気持ちになったら、是非、もう一度訪れたい場所になりました。
※雨降山大山寺についての詳細は、以下の公式WEBサイトをご参照ください。
次回、「つれづれ寺社仏閣訪問記 第3話」では、令和元年のお盆休み帰省(福岡)のときの寺社仏閣訪問三昧についてお話しする予定です。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
それでは、皆さん、よい旅を!