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「しくみ化」と創発への「余白」

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組織での仕事に不可欠なしくみ化。それが価値を生むのか手足を縛るものになるのかを決める要素について考えました。
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「しくみ化」と創発への「余白」④

「しくみ化」と創発への「余白」④

ここからは、組織の知見が結晶化された「しくみ」の本質を理解して活用することで、どんな価値が生まれるのかを考えたいと思います。

(前回のポスト)

様々なコンテクストの違いのある案件を扱う仕事において、標準化された手順やソリューションに込められた知恵とは、ざっくり言えば、以下の2点に集約されます。

①実行プロセスで押さえるべき勘所
②課題形成とその解決の方向性としてあり得るパターン

つまり、多

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「しくみ化」と創発への「余白」③

「しくみ化」と創発への「余白」③

昨日までのポストでは、組織としての経験的知見が凝縮されてできたサービスメニューや定型化された実行プロセスが「裏目」に出て、本質課題を掘り下げきれないまま、ソリューションを当てにいくケースについて見てきました。

コンサルのようなクライアントワークに限らず、どんな仕事をしていても、組織が過去に手掛けた案件をもとに、しくみ化されたやり方を共有財産として活用するケースは多いと思います。

似たタイプの問

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「しくみ化」と創発への「余白」②

「しくみ化」と創発への「余白」②

昨日のポストでは、コンサルや企画営業において、個客対応を昇華させて汎用的なサービスメニューや対応プロセスへとしくみ化された環境下では、顧客視点が失われて「出来合いのソリューションをあてがう」ような行動が生まれるケースがある、という話をしました。

当たり前のことですが、人事が様々な案件で外部パートナーに伴走支援を仰ぐのは、経営課題を解決するための思考の質やスピード感を高めたいからです。

自社だけ

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「しくみ化」と創発への「余白」①

「しくみ化」と創発への「余白」①

人事の仕事に転身してからの15年ほどの間に、コンサルタントや企画営業と呼ばれる方々にプロジェクトへの伴走者としてご一緒いただく機会が数多くありました。

その内容はポリシー、戦略レイヤーから個別テーマのデザイン、運用まで多岐にわたりますが、いずれも人や組織にまつわる経営課題に向き合うという点では共通しています。

担当される方によって、そのパフォーマンスに個人差があるのはどんな職種にも言えることで

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