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「しくみ化」と創発への「余白」①

人事の仕事に転身してからの15年ほどの間に、コンサルタントや企画営業と呼ばれる方々にプロジェクトへの伴走者としてご一緒いただく機会が数多くありました。

その内容はポリシー、戦略レイヤーから個別テーマのデザイン、運用まで多岐にわたりますが、いずれも人や組織にまつわる経営課題に向き合うという点では共通しています。

担当される方によって、そのパフォーマンスに個人差があるのはどんな職種にも言えることですし、単なる個人差というよりは委託先企業ごとのカラーとも言えるような差異を感じる場面が少なからず存在するわけで。

そして面白いのは、世間的には起業家精神に富んだ人財輩出企業として知られるパートナーに限って、「出来合いのパッケージを押し込む」スタイルが強い点。

元々はその事業自体、社内起業的に様々な壁を乗り越えて立ち上げられ、しっかりと個々の顧客に向き合うなかで、汎用的なサービスメニューをつくりこんでスケールさせてこられたもの。当然そこには会社として一定のクオリティを担保するための「しくみ」ができあがってもいる。

だから、様々な案件で使い込まれたサービスの核となる要素だとか、プロジェクトのハンドリングの視点が蓄積され、その知恵がしくみにも反映されていく。だけど…

顧客視点からは「出来合いのソリューションを押し込まれる」感覚が募るときも多いのが正直なところ。
入口では「お作法」として、プロジェクト実施の目的や背景を確認はするし、資料にもそこで出てきたキーワードがそこかしこにしっかりと書き込まれていくのに、課題の解像度を上げていく前に「彼らお得意のソリューション」で解決できます!しましょう!というモードに切り替わっていく。
発注元としては、彼らの持つアセットは魅力的ではあるけれど、それをそのままの形、あるいはツギハギのようなモジュールの組み合わせで使いたい訳ではなくて、でもそれが一向に伝わらないもどかしさ…

ここに、しくみ化がもたらす光と影があると考えています。その影の部分を乗り越えていくカギについて、次の投稿で掘り下げてみたいと思います。

(つづく)


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