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優しさに包まれる

ー本物の映画館に行ける日まで、仮設の映画館へお立ち寄り下さい。

仮設の映画館で「タレンタイム~優しい歌」を観た。
マレーシアという多民族・多くの文化が混じりあう街の学校で行われる音楽コンクール(タレンタイム)をめぐる物語。

マレーシアを旅したことがある。様々な言葉、異なる人種・宗教がゆるくゆるく入り混じっているように感じて、居心地がよかったことを思い出す。
ただ、それは片言の英語で意思疎通を試み、宗教に縛られずに観光をする鈍感な私から見たマレーシアだ。

実際にその地で、それぞれに信じるものを持って生きることは、様々なコンフリクトを生んでいく。物語にもいくつもの葛藤が見え隠れする。

ただ、その中で気づきもする。対立は宗教や文化だけが起こすものではなく、性別や出自、立場や物の考え方(文系か理系か…すら)…一人ひとりの違いからも生まれるものなのだと。
そして、どこか共鳴することができたなら、寛容さを持てたなら、対立は融和にも赦しにもなるものだとも。

マレーシアの湿気を含んだ暖かい空気を思い出す。青春のもつ仄かな熱がよく似合う。
「仮設の映画館」で観ることができてよかった、だって、ボロボロ声をあげて泣いてしまったから。
ー24時間のレンタル購入、、もう一度優しさに包まれようか。


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