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vol.1脱アザラシ

それはいつのころからでしょう。

私がアザラシになってしまったのは。

もう覚えていないくらい、遠い昔のことのようです。

私は子供のころから食事時間が長い子供でした。珍しく親戚一同が集まった小樽の海鮮屋さんで、私はお酒を飲む大人たちと共に最後までテーブルについて、何かを食べ続けていました。あまり褒めない叔父に「レイカちゃんはすごいな。こういう食べ物に向き合う姿勢はとても大切だよ」という風に言ってくれたことを今でも記憶しています。妹のユーカちゃんや従兄弟たちはそんなことおかまいなしに、目の前の砂浜で子供遊びをしていました。

小さなころから特にこだわりがあるわけではないと思っていたけど、美味しいものを食べることが大好きでした。好きな食べ物は梅干しグレープフルーツ、趣味が歯磨きだった私は、美味しいものたちに囲まれながら成長していきました。

社会人になってからはお酒を飲む機会も増え、一人暮らしが始まったこともあって食生活は好きなものに偏っていきましたが、全くもってスレンダー。7号サイズで色んなファッションを楽しんでいました。百貨店のバイヤーだったのでちょっとしたこだわりを持ったりしていました。

アラサーで転職をしてからは化粧品のPRで、昼からシャンパンを飲むという謎の儀式に不安を抱えつつも、深夜まで仕事をする劇的ブラックな生活の補完の為、朝までえびちゅ生活を満喫していました。この頃は岩盤浴&ジンギスカンがマイトレンドで恵比寿で毎日働いて、しこたま出張して、戻って来て飲むという色んな意味でヘビーな生活をしていました。

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さすがに心身ともにボロ雑巾のようになった私は、"精神と時の部屋"とも言える楽園、Vancouverに逃避行して鋭気を養っておりました。この時の服のサイズは9号になっていたようです。

"精神と時の部屋"から出て来た後は、四谷と銀座で巨大な資本と共に化粧品を開発し、ここでも毎晩ザギンで飲む生活を送ってしまうわけです。しかし晴海通りの不思議なパワー(あの辺りはものすごいパワースポット)のおかげで精神を病むことはなく、ただ酒量だけが爆発的に増えていきました。そう、赤い葡萄と出会ってしまったのです。赤い葡萄には不思議な魔力があり、私はその魅力にどんどんはまっていきました。1日1本は当たり前、2本飲むこともできるようになりここで確実にステージが上がりました。服のサイズは9-11号に成長していました。多分。

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姓が東から西に変わり、それとともに慣れ親しんだ化粧品から製薬会社へと業界を変えた生活もスタートしました。しかしマーケットは日本以外の海外。英語でのコミュニケーションと体育会ノリ、毎晩の安居酒屋、カラオケ、喫煙のループにハマり相当病みました。一番きつかったのは、マンハッタンで朝までカラオケした時です。部屋に戻った時には過呼吸になるかと思いました。ビリージョエルでも歌えばよかったのですが、謎の盛り上げ曲を歌いまくっていました。多分この時は服のサイズは11-13号の間くらいになっていたと思います。ぎゃぽん。


そして、最近、お世話になっている方とのLINEでのやりとりです。

ピンコーン(LINEの音)

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「・・・、わ、わたし?」

そうーー!

「わ、わたしご飯食べて眠くなっちゃったのかな?」

やっぱりー?(無邪気)

わたしは、いつのまにか、ニンゲンからアザラシになってしまっていたようです。がーん。き、気づかなかった!!!!えーん、えーん。

そんな中Stay Homeですよ。アザラシ化が加速します。

世の中とは理不尽なことが多いな、そう思っていた時です。


ピンコーン(LINEの音)

神:ダイエットしたかったりしませんか?

わし:「めちゃしたい!」

神:ガチで痩せてもらわないと困るので、食事もいけます?

わし:「2ヶ月くらいですか?」

神:ガチならお願いしたいです。3ヶ月いるかもです

わし:「やります」

4日前のことです。

そして3日前からわたしのトレーニングがスタートしました。神様はいました!!

追記:あ、痩せなかったら原価で請求するんでガチでお願いしますね。

がーん。神は鬼でした。

この鬼神様は、新たにパーソナルジムを買収したようです。(20代、会社いっぱい持ってるすごい人です、神。)


次回 → vol.2和牛以上あざらし未満〜ダイヤの原石



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