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事業会社の経営責任と役員賠償保険

会社役員賠償責任保険 
通称D&O -Directors & Officers-保険
に関しての先月の記事を思い出した。

この記事によると、
東京電力の経営陣に対し
13兆円を超える損害賠償が判決で確定した。

原告である株主・被告である東電元経営陣
共に控訴しているようであるが、
そもそも所有と経営が分離し、
無責任な経営をおこなったと所有者が判断すれば
当然、役員は無限責任を負うのは
会社という概念において当然のことだ。

ここにおいて、
上場企業の9割近くが賠償責任上限金額付きの保険に加入しているものの、
重要なのはそんな上限付きのものではなく、
むしろ発生確率も頻度も低い
しかし、甚大な被害をもたらしうるブラック・スワン
の保証を怠っていることだろう。

ちなみにそういうD&O保険は海外において存在するものの
日本の保険では販売されていない。

日本の上限金額20億円程度までカバーできれば
とりあえず経営責任は十分だろうという
気概で経営しているとしたら、
大きなリスクも決断もできないのだろう。

ちなみにGAFAの経理者のD&O保険は$100mioまでは
自己で支払い、それ以上を保険対象とする
ブラック・スワン型
(金融用語ではOut of The Moneyという)
である。


非線形のテールをカバーしよう
という経営判断が
上場企業の9割でなされていないのは
誠に残念なことだ。

ちなみにキャプティブなどでこれらは解決できる。
所有者である株主をなめない方がいい。


#日経COMEMO #NIKKEI

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