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続:金融?(ペンギンのつもりがカモになる)

毎度、お久しぶりで申し訳ありません。

前回はバルジブラケットの部門説明、
特に投資銀行(IBD、CFD)と資本市場(CM)についてお話ししました。今回はファイナンス手法の違い、
特に「コーポレート・ファイナンス」と「プロジェクト・ファイナンス」に
関する考察です。

元来、金融市場には様々なリスクが存在します。
最も基本的なのは「信用リスク」です。
これは、有価証券を含む金融商品の発行体が
時間の経過に伴い、約束した条件での返済を行えないリスクを指します。
伝統的な有価証券市場では、
このリスクは、発行時点や年次において
監査報告書や外部格付けなどの(過去の)財務情報に
基づいて評価されます。
一方、
エネルギーや穀物、メタルなどの商品市場や暗号資産などの場合、
発行体が存在しないか、
またはその信用リスクを直接評価することが困難な場合があります。
このような場合は、期間中変動する「市場リスク」に注目します。

これは価格変動による損失のリスクです。
(実は)全ての金融商品に共通します。

市場の供給と需要のバランス、政治的・経済的変動、
天候条件など多くの要因によって価格が変動します。
なぜ価格が変動するのかを正確に説明することは難しく、
現時点での将来予測は「占い」と同様であると言えます。
(3ヶ月後の天候すら不明なのに
3ヶ月後以降の市場にコメントできるのは不思議です)
できるだけ変動が少ないことが望ましいです。

さて「コーポレート・ファイナンス」で賄えない場合には、
「プロジェクト・ファイナンス」という手法が存在します。

これは本来、
コーポレートの与信枠を大幅に超えるインフラプロジェクトなどにおいて、その案件が生み出すキャッシュフローに注目したものです。
かつては組成費用も高く、大型案件に限られていました。
(例:ユーロトンネル。開発国のインフラ開発など)

今では、技術の進歩により、
伝統的な金融市場の枠を超えて
ソーシャルレンディング、クラウドファンディング、P2P金融など
の新しい形態の「プロジェクト・ファイナンス」が登場しています。

これらのプラットフォームを通じて
従来の金融機関を介さずに資金調達が可能になりましたが、
新しい形態の金融は従来の市場と比べて規制が緩く、
投資家保護の面で問題が生じています。

例えば、中国ではネット金融が急速に拡大した後、
規制強化により多くのプラットフォームが消滅しました。
プラットフォームが借り手の信用を適切に評価せず、
返済意欲のない借り手を集めた結果、
投資家が損失を被ることになりました。
中国でネット金融が無秩序に拡大、当局規制で一掃も…投資家への償還額は今も約9兆円:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

特に新興の金融商品に投資する際には、リスクを十分に理解し、
できるだけ投資家保護の枠組みが整っている商品を選択することが重要です。
不明瞭な投資対象や高いレバレッジを伴う裁定取引など、
リスクが非常に高い金融商品に対しては慎重な検討が必要です。
また、「ファーストペンギン」と称されることで
リスクを負う人々が増えています。
そして、多くが「カモ」になっています。
「ファースト・カモ」なのです!

金融とは本来、
資金を融通することですが、
その際には必ず償還という出口が存在します。

出口が見えない場合は、それは金融ではなく「投げ銭」と言えるでしょう。
残念ながら返ってこない前提です。諦めるか、撤退しましょう。

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