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新入社員向けビジネスマナー研修で「伝え方」を変えてみました

昨日に続いて新入社員研修に関することですが、ビジネスマナーを学ぶ研修で実際に伝え方を変えたところ、むしろその方がマナーを意識するようになったという発見がありました。

ビジネスマナー研修といえば言葉遣いや名刺交換といった所作、会議室での席次などを学ぶのですが、今までなら「これが正しいマナーなので、こういうやり方をしなさい」と”マナーにおける正解”を一方的に伝えることが多かったと思います。
(今でもそのやり方で伝えているマナー講師もいらっしゃいます)

それはそれでよいのですが、受講者である新入社員の側も色々な情報を事前に入手できるようになったので、「それって本当にマナーとして意味があるの?」と疑問に思うことを増えるようになりました。

例えば上司やお客様に対しては「了解しました」ではなく「承知しました」と答えなさいと指導することが多いのですが、「了解しました」のどこか失礼か理解できないという人もいます。

そんな人に対して「あなたは間違っています、正しいのはこっちです」と言っても納得してくれません。

講師の前では従うフリをしても、心の中では「コイツの言っていることなんて聞いてられるか」と思われると研修の効果はありません。

そんなわけで、今年はマナー研修で「こうやりなさい」、「こうしたほうがいい」とは言わずに、「一応こういうことがマナーとされていますが、やるやらないは自由です」という言い方で伝えるようにしました。

合わせてマナー研修の冒頭で「細かいマナーなんて意味がないと思う人もいます。実際はどこまでマナーを実践するかは人それぞれです」と伝え、マナーは「やらされるもの」ではなく「自分の意志でやるもの」という前提で研修をすすめました。

その結果、例年なら受講者はただ黙って聞いていただけでしたが、今年は「こういうのは相手にどう思われますか?」という質問が来るようになりました。

マナーはあくまで仕事で接する相手から「よい印象」を持っていただくためのものであるため、自分自身が「感じの良い人と思われたい」と思わない限り、マナーを実践する動機はありません。

世の中には「オレは他人に媚びない!」といってマナー度外視で自己流を貫く人もいますが、それはその人の生き方なので個人の自由です。

その替わり「なんだコイツは」と思われる可能性も高くなるので、必然的に付き合う人は限られてきます。

このことを受講者が理解すると、ほとんどの人は「職場で感じの良い人を思われたい」と思っていたので自分からマナーについて興味を持つようになりました。

今まではただ「やれ」と伝えていたのを、「やらなくてもいいけど、やりたいならどうぞ」という伝え方に変えたことで、受講者にとっては自分事になり、自分から実践しようという意識を持つようになります

これはマナーのみならず、職場での基本行動についても同じだと思います。

一方的に「やれ」といっても納得しない人はやってくれませんが、あえて「やってもやらなくてもいい」と本人に選ばせることで、本人が「やる理由」と「やらない理由」を自分から考えるようになります。

もしそれでも「やらない」と判断するならそれは本人に考えがあってのことですので、上司や先輩はそこを確かめるとよいでしょう。

ということで、研修での伝え方一つで受講者の反応も大きく変わるという気づきでした。

今回もお読みいただきありがとうございました。

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