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”ダイバーシティ推進”って結局何をすればいいの?という問いに悩む企業は多い

近ごろ様々な企業で「ダイバーシティ推進室」といった社内の多様性を高めるための部門が設置されるようになりました。

既に先進的な取り組みを行っている企業もありますが、「具体的に何をすればよいかわからない」という企業や、「ダイバーシティ推進とはとりあえず女性活用だ」という企業もおり、まだまだ手探りの企業が多いというのが実情だと思います。

結構多いのが「上からダイバーシティを推進しろと言われてけど…」という”ダイバーシティ推進ありき”で、担当者にしてみると何をゴールにすればよいか、どこから手をつけるとよいか、どのような施策を行えばよいか全く見えなくて困ってしまうというケースです。

こういう時につい女性活用だ、障がい者活用だ、外国人の採用だ、LGBTQの活用だ、といった個別の属性の話になりがちですが、結構忘れられがちなことが「どういう組織にしたいのか」という目指す姿の定義です。

ダイバーシティが活かされる組織とは

自社でダイバーシティ推進を考えたとき、まずは自社にとって「ダイバーシティが活かされた状態」とはどのような状態かを明確にすることから始めると良いでしょう。

ダイバーシティが活かされた組織づくりを行うとき、よく陥りがちなことが次の2つのパターンです。

パターン1:組織としてのまとまりを優先するあまり、個性が活かせない

このパターンに陥る組織は下図のように「属性」の多様性はあるものの、組織としてのまとまりを優先するあまり全員に「阿吽の呼吸」を求めてしまうため、結局は同質的な人間しか残らない組織になってしまいます。

それこそ見かけの上では女性管理職や時短社員、育休男子、外国人などが在籍しているもののみんな同じ価値観に染まっており、その価値観に染まれない人は排除されてしまいますので、結局は形だけの多様性と言えます。

パターン2:個性は活かせるが、組織としてのまとまりがない

次のパターンは上記とは逆に様々な人間が自分の個性を自由に発揮できているものの、組織としてのまとまりが全くないため、互いに好き勝手にやってしまう単なる烏合の衆のような組織です。

このような企業も世の中にはありますが、実質は”個人商店”の寄せ集めになってしまっているため、組織としての相乗効果は発揮できないのがほとんどです。

組織にとっての理想的な状態とは

ダイバーシティが活かされる組織の理想の状態とは下図のように個々人が自分の「個性」を発揮でき、かつ組織としての「まとまり」もある状態です。

このような組織の最大の特徴は「組織として大事にしてほしいことさえ守れば、後はどんな人でも受け入れる」というところです。

ここでのポイントは「組織として大事にしてほしいこと」が明確になっているかどうか、全員が共有しているかどうかにあります。

もしこれが明確になっていないと新たに入社した人が「謎の暗黙ルール」に悩まされ、結局は空気を読んで忖度して周囲に同化してしまうか、もしくは組織から排除されて辞める羽目になるかのどちらかです。

逆に「組織として大事にしてほしいこと」が明確であればこれに共感できない人は最初から組織に加わらないで済みますので、入社前に「ミスマッチ」を防ぐことができます。

ということで、もし「ダイバーシティを推進しろ」と言われたらまずは自社が「どういう組織にしたいのか」を考え、そのために「組織として大事にしてほしいこと」が何かを定義すると良いでしょう。

例えば次のことを新人にも理解できるレベルで具体的な言葉にします。

  • 何のためにこの仕事をするのか

  • 誰のために仕事をしているのか

  • 仕事をするうえで何を大切にしているのか

  • 将来どのような姿を目指してほしいか

  • 守り続けてほしいことは何か

  • どのような行動を取ってほしいのか

  • 迷ったときは何を優先してほしいのか

それこそどんな属性の人でも、どのような働き方の人でも上記のようなことが共有できれば、後は一人一人が安心して自分の個性を発揮できるようになりますので、まずはここから取り組むと良いかもしれません。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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