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「出世」や「独立・起業」をしなくても立派な職業人はいらっしゃいます

学校を出るとほとんどの人は何らかの職業に就きますが、職業人として何かを成し遂げたいと思ったとき、多くの人は「組織内で出世して高い役職に就く」「自ら独立・起業して事業を大きくする」ことを考えると思います。
(もちろん最初から出世や独立を目指さない生き方もありますが)

私も新卒で日本マクドナルドに入社したときに目標を聞かれ、よくわからないまま「営業本部長になります!」と答えていました。(当時の社長は藤田田さんでオーナー企業であったため、一般の社員が出世して到達できる最高の役職が営業本部長でした)

ところが現実は「出世」は叶わないまま8年で退職し、「独立・起業」も試したが全くうまくいかず、巡り巡って今の仕事に落ち着きました。

新卒のときにイメージしていた「立派な職業人」とは程遠い結果になりましたが、たまたまNHKの「プロフェッショナル」という番組を見たときピカピカの成功者とは違う意味で本当に立派な職業人がいらっしゃることを知りました。

それが羽田空港の清掃員である新津春子さんです。

新津さんは別に「出世」を目指したわけではなく、「清掃」という仕事に誇りを持ってひたすら突き詰めていった結果、職場の羽田空港は4年連続で「世界一清潔な空港」に選ばれ、ご本人は「カリスマ清掃員」としてテレビに出演するまでになりました。

新津さんは今や日本だけではなく世界でも知られた存在であり、特にご出身の中国(ご本人は中国残留孤児二世)では何と複数の企業から破格の報酬で転職のオファーがあったそうです。

しかしそれらのオファーは全て断り、今でも同じ会社で勤めております。

尊敬する職業人を一人挙げなさいと言われたら、私は迷わず新津さんの名前を挙げます。

イーロン・マスクのような世界を変える起業家ももちろん立派な職業人ですが、我々が真似するのは容易ではありません。

一方で新津さんから学べることとして、どのような仕事であってもそれが誰かの役に立つ仕事なら、真心を込めて真摯に取り組めばそれは素晴らしい価値になるということです。

そのためには自分の仕事を好きになり、仕事そのものに楽しみを見出せることが大切かもしれません。

おそらく世の中には地味な仕事を新津さんのように楽しみながら突き詰めていく方がたくさんいらっしゃいます。私の勤め先のビルで毎朝最高の笑顔で出迎えてくれたビルの警備員さんもその一人です。

大きな組織で「出世」を果たした人や、「独立・起業」して事業を大きくした人の多くは立派な職業人ですが、私を含めて多くの人は同じようにはなれません。

そのかわり、身近なところで誇りを持って自分の仕事に取り組む人からは学ぶことはたくさんあり、これからの職業人生にも活かすことができます。

新津さんにはまだまだ遠く及びませんが、私も自分の仕事に誇りを持ち、突き詰めていくことで自分自身が満足できる職業人生を送りたいを思います。

今回もお読みいただきありがとうございました。

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