見出し画像

味方がいれば、強くなれる。〜アルビレックス新潟に見るHOMEとAWAYとパフォーマンスの関係性

2024年のJリーグが開幕。
今年も、全国のスタジアムで熱い戦いが始まった。

ここ数年、Jリーグを観る機会が増えた。先日もアルビレックス新潟の初戦を応援しに佐賀県鳥栖市へ遠征してきたばかり。鳥栖市への移動はハードルが高い!…と思いきや、多くの新潟サポーターが現地に駆けつけていた。

Jリーグの中でも集客力に定評があるアルビレックス新潟(通称アルビ)。今シーズンのサポーターのみなさんも流石である。
アルビのサポーターには、愛を感じる。選手もサポーターも魅力的なクラブだ。

2024/2   サガン鳥栖vsアルビレックス新潟
駅前不動産スタジアム

ところで、サッカーのように、ホーム&アウェイ形式(自分の本拠地であるホームと、相手の本拠地であるアウェイの両方)で試合をする場合、ホーム戦の方が有利だという話を聞いたことがある。

それって、本当なのだろうか?


Jリーグにおける、ホームとアウェイの優位性

こちらは、『J1における各シーズンのホーム優位度の推移』を表したグラフ。

スポーツナビの記事を参考にグラフを再現
引用:https://sports.yahoo.co.jp/official/detail/202110120059-spnaviow

2017-2019年の過去3シーズンにおいては、ホームの優位度は約6〜7%を推移。しかし、2020年は、ガクンと優位度がマイナス0.7%に下降しているのがわかる。

過去シーズンと2020年の違いは、コロナ禍で行われた「無観客」あるいは「密を回避し声を出さない」と言った緊急時の応援スタイルだ。

と言うことは・・・
観客の人数や声援が、ホーム優位度に何らかの影響を与えているということなのだろうか?

クラブ別で分析をすると、全体としては「必ずしもホームが優位でもない」と言う結果だ。ただ、さらに細かく見てみると、
サッカー専用スタジアムである仙台と鳥栖においては、「集客率」と「ホームの勝率」に正の相関が確認された。

つまり、

・サポーターと選手との距離が近いこと(専用スタジアムの特徴)
・スタジアムいっぱいにサポーターがいること(集客率が高い)
・大歓声に包まれること(コロナ禍の制約がなし)

これらが揃った場合、勝率が高まる可能性がある、ということ。

もちろん、選手の能力やコンディション、クラブの戦略、相手との相性など勝率に大きな影響を与える偏数が他にあることは大・大・大前提のうえで、

サポーターの存在も、試合の勝率に影響を与えるピースのひとつなのだ。サポーターとしては、誇らしい事実。

アルビサポーター歴3年程度のわたしが語るのもおこがましいが、クラブとサポーターの絆は想像以上に強い

特にゴール裏のサポーターのみなさまには、選手と共に戦うというコミットメントの強さがある。全力だからこそ、サポーターには喜怒哀楽がある。歓喜することもあれば、怒りが込み上げることもある。

サポーターたちは(きっと、どのクラブの方もみんな)、常に本気で選手に向き合っている。

2022/10 東京ヴェルディvsアルビレックス新潟
味の素スタジアム

愛があるんだよなぁ〜。

どんなに怒りや悲しみがあったとしても、次の試合にも応援にやって来る。
絶対に断ち切れない絆が、そこにある。

なんて素敵な関係性なのだろう。

と同時に、自問したくなる。
「こんなにも真っ直ぐに、誰かを応援したことがあっただろうか?」と。


脳が無意識に嗅ぎ分ける、ホームとアウェイ

さて、ここからは、サッカーから日常へ話を移して考える。

いま自分が置かれている環境は、ホームなのかアウェイなのか。
このような見極めは、スポーツに限らず日常のなかでも無意識に行われる。

例えば、新社会人になる方は、4月からの職場をアウェイと感じるかもしれない。どんな人が上司や同僚なのかが分からなければ、ホームとは言えないだろう。
新学期、クラス替えをしたばかりの教室に足を踏み入れるときにソワソワドキドキしてしまうのも、同じ原理。

加えて、アウェイは、新しい環境だけとも限らない。

いつも厳しい上司に報告をする際は「今度は何を突っ込まれるか…」と恐怖心がつきまとう。これは完全なるアウェイ。

友人の結婚式でのスピーチ。友人との関係性はホームなのに、人前に立ったとたんに一気に緊張が増して頭が真っ白になる。これもまたアウェイ。

わたしたちは、無意識のなかでホームとアウェイを本能的に嗅ぎ分けている。

その時、脳内はどのような動きをしているのだろう?

こちらは、脳の働きをざっくりと描いたもの。

パターン① 「敵が現れた!(=アウェイだ!)ヤバい!」の脳

大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)が活性化し、「敵」という判断が下され、不安・怒りなどの感情が生じストレスホルモンが分泌さる。その結果、身体機能を向上させ、目の前の危機(敵)に対応しようとする。

パターン②「みんな味方!(=ホームだ!)安心〜!」の脳

大脳辺縁系で「味方」だと判断が下され、安心・喜びといった感情と共に、オキシトシンやドーパミン、セロトニンが分泌される。その結果、より高度な思考・判断・精神活動・創造性などを司る「大脳新皮質」が活性化される。

敵もいなく・不安もなく・怒りもなく。
精神が安定した状態(パターン②)になっていると、人は高度な思考力・判断力・創造力を活性化させることができる。その結果、パフォーマンス最大化にもつながるということだ。

ホームの環境を作ることは、人の本来の力を引き出す上でとっても重要なことなんだなあ。


もうすぐ春だからこそ、チャント備えたい

ホームとアウェイ、なかなか奥が深い話だ。

ところで、いまの季節は春。
春といえば、出会いと別れのシーズン。

あれ? もしかして・・・
来月(4月)は一年の中で最も「アウェイ」が生まれやすい時期なのでは?!

ホームの重要さに気づいた今、アウェイをそのまま放置する訳にはいかない。
こんな時期だからこそ、「新生活で頑張る人たちを、真っ直ぐに応援したい」という気持ちが湧いてきた。

どうやって応援するか。
それは、きっと、愛のあるアルビサポーターのように応援すれば良いのだろう。

永遠につづく愛情をもって、
一人ひとりの相手(選手)の個性を引き出すエールを送り続け、
観察しているからこその本気のフィードバックをする。

そんな強力な味方(サポーター)が側にいたら、きっと人は強くなれるはず。

目の前のあなたにとって、ここが圧倒的ホームになりますように。
それを導けるのは、周りにいるわたしたちであることを是非覚えておきたい。

2023/8 名古屋グランパスvsアルビレックス新潟
国立競技場

それでは、最後に。
アルビレックス新潟のチャント『アイシテルニイガタ』をお聞きください。
※サッカーでは、サポーターが歌う応援歌を「チャント」と呼びます

この歌、大好き。

俺達が ついてるさ新潟
火傷させてくれ このゲーム
俺達が ついてるさ新潟
伝えたい この想い 愛してる新潟

アルビレックス新潟チャント(応援歌)アイシテルニイガタより

= お わ り =

この記事が参加している募集

サッカーを語ろう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?