見出し画像

290円のおむすびを15個売るか、310円が10個か。

価格設定の難しさに直面した話。

焼肉屋さんでは肉を。
ラーメン屋さんではラーメンを。
そして牛たん屋さんでは牛たんを…。

って、そんな常識誰が決めたんだ!

と幼き頃からなかなかに天邪鬼だった小娘れいちゃん。メインメニューではなく、いわゆるサイドメニューが好きでした。なんならそちらの方が好きでした。

あったかいんだから~♡
〇焼肉屋のわかめスープ。
タン塩が好きなれいちゃん。お肉はタン塩だけ食べればもう満足でした。カルビやハラミを食べる兄ちゃんの横で、早くわかめスープタイムに突入したかった幼き頃です。
時々、卵スープ
〇ラーメン屋の餃子(酢醤油ラー油)
ならば、餃子屋さんに行けばいいじゃないか。そんな声が聞こえてきそうです。チッチッチ。
サイドメニューで追加で頼む背徳感がなぜか高校時代は好きだったんですよ。そして4個くらいの餃子を友達と分け分けするのがたまらなく愛おしい時間だったんですよ。
5個だと難しい分配
〇牛たん屋のテールスープ
舌から尾っぽまで。何たる贅沢や…。
初めて飲んだ時の感動は未だに忘れられません。
要はスープ好き。

他にも、寿司屋のあら汁・カニ汁(父ちゃんと母ちゃんの機嫌がいい時限定)も好きでしたねえ…。サイドメニューだけで満足する小娘。なんとコスパが良いのでしょう。

コスパ。コスパ…。

そうです。今回のテーマはですね、
「価格設定の難しさ」です。

自分自身の技術や成果物に対して、価格を設定する。そして、商品や体験を購入した消費者は金額以上の価値を感じた時に満足感や充実感を得ます。これがコストパフォーマンス、ですね。

これまで数回のイベントでおむすびを販売してきたれいちゃん。

たかが、おむすび1個の価格設定ですが。困難に直面してきた話をつらつらと描いていきたいなと思います。では。

価格設定の難しさに直面した話
〇基準の塩むすびの値段設定をどうしようか。
〇290円のおむすびを15個売るか、310円が10個か。
〇色々書けど、笑顔でお客さんと話すのが結局大事
たかがおむすび
されどおむすび

〇基準の塩むすびの値段設定をどうしようか。

あさりちゃん
そんな漫画あったような

極上塩。

この塩むすびは今回用意した7種類のおむすびの中で価格設定のいわば基準値となりました。

そのため、たかが塩むすび1個。

この1個の値段を決めるだけでも相当悩みました。結論から言うと、塩むすびは1個190円で販売しました。

ちなみに塩むすび1個分の原価はこちら。
赤くなっている部分の合計が1個分の原価です。
(おむすび100個作成、80個販売の計算。)

ちゃんと計算してんねん

つまり、塩むすび1個の原価は61.65円。

よく、飲食店での原価率は30%と言われます。
なので、販売希望価格を原価の3倍と設定します。
つまり、61.65円×3倍=184円がれいちゃん的な理想販売価格です。

すると、180円もしくは185円での販売でも良かったんじゃない?190円だと少し高めじゃない?という声が何処かから聞こえてきます。

ですが190円にしたのにはしっかりとした理由があります。

それは、”他の具材のおむすびとの価格差を少なくするため”です。

もう少し具体的に見ていきます。
下記の表は、それぞれのおむすび1個あたりの実際の販売価格です。

ねぎ禅味噌はイチオシだった

例えば、塩むすびが1個190円で海苔佃煮のおむすびが1個270円。

この時の塩むすびと海苔佃煮との価格差は80円です。290円のあさりのおむすびとは100円差があります。

ですが、塩むすびの価格が180円だった場合、270円との価格差は90円、290円のおむすびに至っては110円になります。

たかが10円ですが、あまりにも具材が入っているおむすびとの価格差が開いてしまうと具材有のおむすびに”高い”と印象を抱いてしまいます。

海苔佃煮や大葉味噌は1から手作りをしています。そのため、原価から逆算すると妥当な金額設定だと考えています。

ですが、安めの具材有り商品との価格差を開きすぎて塩むすび以外に“高い”、”コストパフォーマンスが悪い”という印象をパッと見でまず与えてしまう。

それを避けるために塩むすびは1個190円と設定しました。

『塩むすびの価格設定で考えたこと』
〇原価が大体3割に相当するような価格設定
〇少し高めに設定したのは、具材有との価格差を開きすぎないため。
可視化すると
こんなこと考えていたな、と。

〇290円のおむすびを15個売るか、310円が10個か。

こうして、塩むすび1個190円と基準のおむすびの価格設定が完了しました。

次に、具材有のおむすびの価格設定に見事にてこずったれいちゃん。ここではあさり佃煮のおむすびを例にとろうと思います。

約100個のおむすびで7種類の具材。単純に考えると1具材につき15個作成することになります。

ですが、もちろん具材によって人気度とそれによる売れ行きは様々。人気の御鮭様なんかは20個ほどは作りたい。そうなると具材ごとに仕込み個数も変化します。

ちなみに、あさりのおむすび1個あたりの原価は121円。ちょっとお高めです。

こんな身長の時代もあった。
(気がする)

単純に3倍すると販売希望価格は360円ほどです。

ですが、さすがに自分がお客さんだとしても。あくまで仮説ですが、あさりの佃煮が360円となると少し高くてやめておこうと思ってしまいます。(あさりの佃煮は既製品だったため尚更)

そこで、少しお手頃に。そして他の具材とのバランス等々から考えて290-310円の間で販売価格を設定しようと決めました。

次に販売個数。きっと鮭よりは人気が劣りそうだから20個は仕込まなくてよい。けれど、10個だと少ないかしら…。

290円で15個売れると売り上げは4350円。
310円で10個売れると売り上げは3100円。

原価的には310円で売りたいところですが、15個作成して売れ残ってしまうよりは290円で15個売り切る方が総合的には売上に繋がります。

こうして、れいちゃんはあさりの未来を信じ。290円で15個を販売することに決定したのです。
(すごく人気で思いのほか早くに完売しました)

あさりのおむすびの価格設定
〇原価的には310円以上で販売したい
〇しかし、310円で10個未満の売上よりは290円で15個完売の方が総合的に売り上げに直結する。
価格と仕込み個数のバランスの難しさよ…

〇色々書けど、笑顔でお客さんと話すのが結局大事

お米の品種やブレンドの割合にこだわっていたり。
(ここまで来るともはや変態)

具材も1から手作りしているものが多かったり。

やはりコンビニのおむすびなんかと比較すると値段は高いです。ただ、少しでも納得していただけるように目に見える形でいくつか工夫をしました。

一具入魂
暇かよって

おむすびへのこだわりを描いたチラシを配布してみたり。(持って行っていいですか?とお客さんから言ってくださる方本当にありがとうございます)

黒板アート

ミニ黒板に使用しているお米の品種と、ブレンドの割合を書いて1からこだわっていることをアピールしてみたり…。

とまあ、ここまで色々書いてきました(笑)

だけど、最後に必要なのはお客さん1人1人と話す時間なのかな。と思います。

別に私が何を売っていようが、それがおむすびじゃなかろうが”れいちゃんが販売しているから”という理由でお買い上げしてくださる方が増えれば一番だなと思います。

できるだけ目の前のお客さんとの会話を楽しもうと、おむすび以外の話題を意識しました。

お宮参りにいらしてた方。
”おめでとうございます。今日は晴れてお祝い日和ですね”

お散歩をされていた方。
”ご近所さんですか?今日はお散歩ですか?”

ワンコを連れていた方。
”可愛い”
”わんちゃんのお名前は何ですか?”

利益を度外視しろ!とか全く考えるな、という割り切りをした方がいいなんてこれっぽちも思わないけれど。魂を込めるだけ込めたらあとは、目の前にいる方との時間を楽しむのがいいのかもな。

そんな結論に至りました。

290円のおむすびを15個売るか、310円を10個か。悶々とエクセルの前で悩んでいましたが…地元の方、お客さんとの会話を楽しんでいたら。

気付けばおむすび達はみんなお客さんの元へ嫁いでいました。

本日もお読みいただきありがとうございました。

〇れいちゃんのInstagram

〇100個の”おむす(結)び”完売は1人じゃできなかった。

〇『イベント出店のお知らせ』12/4(日)ぷらっと大宮で出店します。

〇【イベント出店しました】本日はお米柄もよく@ぷらっと大宮


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?