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【詩】『絶対』


星の見えない夜
揺れているブランコ
風にたなびく煙
少し錆びれたベンチ

暗くならないように 言葉選ぶ君より
横たわる空気が さよならを酷に告げる

いつまでも一緒 冗談みたいに
あの頃言い合っていたけれど
永遠がこれで終わりだなんて
冗談じゃないよ

世界中の誰の手も届かない
時代の大河にも流されない
神様の気まぐれにも怯まない
そんな二人になりたかった

そんな絶対になりたかった



炭酸水みたいに
振り過ぎて弾けた想いも
いつか流れに飲まれ
泡となり消えてしまうの

街灯の光 濡れた目の奥
君との日々がそっと尾を引く
今さら願いをかけたところで
もう別の星座

新しい未来へ踏み出せば
想い出たちが通せんぼする
そんなに美しく輝くから
無理に手荒な真似はできない

君がいなくたって 海は枯れない
君がいなくたって 日はまた昇る
君がいなくたって 地球は廻る
君がいなくたって


世界中の誰の手も届かない
時代の大河にも流されない
神様の気まぐれにも怯まない
そんな二人になりたかった

そんな絶対になりたかった

君の絶対になりたかった


――――――――――


愛した人が遠ざかってしまっとき、
想い出の中でしか、光を感じることができません。

今が、そして未来が、闇でしかないから、
振り返って光の中に飛び込むのです。
だから、後ろ向きになるのです。

この世界が言うには絶対なんてないけれど、
海が枯れることはないし、
日が昇らないことはないし、
地球が廻らないことはない。


何が起きても変わらない、
そんな二人になりたかったのに。
愛する人の絶対になりたかったのに。


でも。


忘れたくても忘れられない想い出は、
きっと忘れちゃいけない想い出。


一生忘れることのない想い出は、
自分だけの絶対。


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