桑原啓太

□月1回note投稿 □柔道整復師 × Athletic trainer(JSPO-A…

桑原啓太

□月1回note投稿 □柔道整復師 × Athletic trainer(JSPO-AT) □整形外科クリニック勤務 □北海道 □専門学校非常勤講師 □臨床6年目

マガジン

  • 肩関節 -臨床note-

    肩関節の臨床についてより実践に近い形でまとめています。臨床1〜5年目の先生向けです。評価や介入に悩んだ時に臨床でのヒントになれば幸いです。

最近の記事

肩峰下滑液包-滑走障害に対する治療戦略-

皆さんこんにちは桑原です。 Instagram→@kei_6918 今日は肩峰下滑液包について基礎から臨床での介入をまとめていきたいと思います。 それではよろしくお願い致します。 1)肩峰下滑液包の臨床的意義 まず、基礎的な滑液包の機能から確認していきましょう。 滑液包は、動作中に軟部組織を保護するための関節外要素の1つであり、関節や軟部組織と骨の間の動作を円滑にする作用があります[1] 肩峰下滑液包の機能も復習しておきましょう↓ 肩峰下滑液包(Subacro

    • 肩関節疾患-6つの評価とその解釈-

      1)はじめに 皆さんこんにちは桑原です。 Instagram→@kei_6918 皆さんは、臨床に出てから、勉強はどの様に進めているでしょうか 書籍を読んだり、文献を探したり、日々研鑽に励まれてることかと思います。 そういった熱心な方々がこのnoteを手にとって読まれるのだろう。 そう思いながらこの記事を書いています。 今回は肩関節を勉強し始めた方 何を勉強すべきか悩んでいる方 或いは、臨床で行き詰まった方 そんな方々に 肩関節の評価を6つの側面から解説

      • 末梢神経の評価と介入-Nerve firstの臨床思考-

        こんにちは桑原です。 Instagram→@kei_6918 今回この記事を書くに至った経緯ですが 相模原協同病院のPTの直井大地先生の講義と紹介されたPTジャーナルの記事を読ませていただいたことがきっかけです。 冒頭、この部分にふれてから本題に入りたいと思います。 1)直井先生の講義・その後の臨床の変化 僕は直井先生の講義や記事に触れる前、肩関節機能研究会のホームページで筋皮神経障害の評価と介入について執筆する機会をいただきました。 当時、筋皮神経障害について

        • 肩甲上腕リズム-臨床応用を考える-

          皆さんこんにちは桑原です。 Instagram→@kei_6918 今日は肩甲上腕リズム(scapulo-humeral rhythm )についてまとめていきたいと思います。 上腕骨に対して肩甲骨の動きは2:1と学生時代習いましたが実際はどうなのか? 臨床ではどの様に落とし込んでいけばよいのか? そういった部分をまとめていきます。 こんな方にこのnoteはおすすめです↓ 1)肩甲上腕リズムとは 遡ること88年前の1934年にcodmanにより肩甲上腕リズムが報

        肩峰下滑液包-滑走障害に対する治療戦略-

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        • 肩関節 -臨床note-
          23本

        記事

          棘上筋を強化するために最適な運動とは?(論文レビュー)

          こんにちは桑原です。 Instagram→@kei_6918 今回の記事は論文レビューです。 皆さん棘上筋の筋力訓練を導入する際、何を選択してるでしょうか。 一般的にはfull canでのエクササイズが用いられていることが多い印象です。 ですがそれは本当に棘上筋の筋力訓練として最適でしょうか? 今回はこのfull canとempty canの他に報告されている3つのエクササイズを加えた合計5つのエクササイズを棘上筋・棘下筋・三角筋の3つの筋の活性レベルで比較検討し

          棘上筋を強化するために最適な運動とは?(論文レビュー)

          QLSS (Quadrilateral space syndrome:四辺形間隙症候群)への評価と介入

          皆さんおはようございます。桑原です。 Instagram→@kei_6918 本日はQLSS(Quadrilateral space syndrome:四辺形間隙症候群)の評価と介入についてまとめていきたいと思います。 1)QLS(Quadrilateral space:四辺形間隙)とは QLSとは小円筋・大円筋・上腕三頭筋長頭・上腕骨内側縁で構成される格子状のスペースでここを腋窩神経と上腕回旋動静脈が走行します。 イラストで確認しましょう↓ 指を使った簡単な覚え

          QLSS (Quadrilateral space syndrome:四辺形間隙症候群)への評価と介入

          肩関節周囲炎の定義

          皆さんこんにちは桑原です。 Instagram→@kei_6918 先週からPCR陽性で体調が絶不調で記事お休みしてました。。 早めに治して1週間有意義にすごしてやろうと思ったのですが、39.7℃まで発熱してまともに記事書ける様になったのが5日経った土曜日からでした。笑 もうこりごりですね。。 ということで 今日は「肩関節周囲炎」の定義についてまとめていきます。 他にも「凍結肩」や「癒着性関節包炎」など似た病名が複数あるので整理できたらと思います。 1)肩関節周

          肩関節周囲炎の定義

          -明日の臨床に役立つ-骨頭上方偏位の要因

          こんにちは桑原です。 Instagram→@kei_6918 今回は上腕骨頭の上方偏位についてまとめていきたいと思います。 肩関節挙上制限や挙上時痛の症状がある時に 骨頭上方偏位が原因の一つとして挙げられます。 実際に上方偏位を評価するにはレントゲンで肩峰骨頭間距離(AHD)の評価やエコーなどの画像所見による評価でなければ可視化することは出来ませんが、徒手でも評価を組み合わせれば骨頭偏位の予測がつきます。 ここら辺の視野が広がるとアセスメントをスムーズにできるかと

          -明日の臨床に役立つ-骨頭上方偏位の要因

          腱板断裂の保存療法-文献から読み解く治療方針-

          こんにちは桑原です。 Instagram→@kei_6918 皆さん腱板断裂保存の症例を担当する際に、基本的な方針はどの様に立てているでしょうか? もちろん主訴に対してが一番かと思いますが、文献を読み解いていくと治療方針は自ずと決まってきます。 今回はそんな腱板断裂保存療法の文献・疫学の観点から治療方針を読み解いていきたいと思います。 1)腱板断裂の保存療法の目的 では、腱板断裂の保存療法の目的は何か? 結論から述べると腱断裂の治癒は目指さずに無症候性の腱板断裂を

          腱板断裂の保存療法-文献から読み解く治療方針-

          小胸筋の定量的評価

          こんにちは桑原です。 Instagram→@kei_6819 臨床で小胸筋への評価・介入を考える時、差別化して評価することが難しいなと感じます そして肩関節疾患では小胸筋の緊張のある症例は少なくないのでこの疑問を持つ方は多いのではないかと思います。 そんな小胸筋の評価についてまとめていきます。 1)小胸筋の肩関節への影響 まず小胸筋の作用を復習しましょう。 小胸筋は肩甲骨の「前傾・下方回旋・外転」に作用します。 起始は第3〜5肋骨前面で停止部は一般的には烏口突起下

          小胸筋の定量的評価

          -臨床家必見-肩関節痛のRed flags

          こんにちは桑原です。 Instagram→@kei_6918 今回肩関節痛におけるRed flagsについてまとめていきたいと思います。 臨床家として必須の知識になりますので、これを機に一緒に確認していきましょう。 1)Red flagとは? 緊急に治療が必要な、重症の病気を警戒する必要がある徴候や症状のことをred flag sign:赤旗徴候といいます。 これを見逃すと思わぬ疾患を見逃すことになりかねません。 医師が基本的にこのred flagを除外診断しリ

          -臨床家必見-肩関節痛のRed flags

          -臨床1年目で知っておきたい-肩関節可動域制限の解釈まとめ

          こんにちは桑原です。 Instagram→@kei_6918 今回は肩関節の可動域性制限についてなるべく分かりやすく書いていきたいと思います。 こんな方にこの記事はオススメです↓ ※既に勉強されている方は復習として読んでいただけたらと思います。 臨床で肩関節疾患を担当する機会があれば可動域制限のある患者さんと必ず出会うかと思います。 制限因子を整理できるとその後の介入を組み立てやすくなります。 なるべく端的にわかりやすくまとめますのでよろしくお願いいたします。

          -臨床1年目で知っておきたい-肩関節可動域制限の解釈まとめ

          -明日の臨床に役立つ-結帯動作の評価

          お疲れ様です。桑原です。 Instagram→@kei_6918 今回は結帯動作の評価についてまとめていきたい思います。 肩関節疾患を担当する際に挙上時痛や夜間痛を主訴とする方を多く経験しますが、結帯動作(体の後ろに手を回して帯を結ぶ様な動作)での痛みを主訴とする方も多く経験します。 ではここの評価や介入はどう進めるべきでしょうか?? 今回はこの結帯動作についてまとめていきたいと思います。 1)結帯動作時のバイオメカニクス まず前腕回内可動域は問題ないという前提

          -明日の臨床に役立つ-結帯動作の評価

          臨床1年目の方々へ 肩関節下垂位外旋制限-評価と解釈-

          こんにちは桑原です Instagram→@kei_6918 今回は肩関節下垂位外旋制限を中心にまとめていきたいと思います。 この記事はこんな方におすすめです↓↓ この記事が何かヒントになればと思います。 それではスタートです💨 1)下垂位外旋可動域の制限因子 僕が臨床1年目の時は肩関節外旋可動域を評価するだけで介入に活かせていない状態でした。 ただ評価するだけではなく、当たり前ですがその評価を解釈しなければ、介入に繋がりません。 その為には土台として制限因子

          臨床1年目の方々へ 肩関節下垂位外旋制限-評価と解釈-

          翼状肩甲(winging scapula)の機能解剖学

          おはようございます桑原です。 Instagram→@kei_6918 本日は翼状肩甲(winging scapula)についてまとめていきたいと思います。 こんな方におすすめです↓ 1)翼状肩甲(winging scapula)とは 翼状肩甲とは立位で壁に手を当てて両腕で壁を押す様に指示した時に健側と比較して過度に下方回旋していたり、肩甲骨内側縁が浮き上がるような現象です。 長胸神経麻痺や副神経麻痺によって前鋸筋や僧帽筋の機能不全が起こることが原因になります。

          翼状肩甲(winging scapula)の機能解剖学

          腋窩陥凹-解剖・評価・拘縮予防の考え方

          おはようございます。桑原です。 Instagram→@kei_6918 今日は腋窩陥凹についてまとめていきたいと思います。 この記事はこんな方にオススメです。 それではスタートです! 1)腋窩陥凹の機能解剖 腋窩陥凹は前下関節上腕靭帯と後下関節上腕靭帯とその間にある腋窩嚢で構成される部分を指します。 機能ですが、文献や書籍などでもよくハンモックの様な機能と表現されます。 肩関節の挙上時には骨頭は通常下方に滑ります。この下方への滑りを腋窩陥凹のたわみがあることに

          腋窩陥凹-解剖・評価・拘縮予防の考え方