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天国に旅立ったスターたち➄~渡辺徹さん~

構成作家という仕事をして20年近くになります。これまで多くの著名な方々とご一緒する機会に恵まれてきました。中には、残念ながらその後、天国へと旅立たれた方もいらっしゃいます。今思うと、生前にご一緒できたことがとても貴重な機会だったと思い出されます。
 
多くの人たちを楽しませ、影響を与えてきたスターというのは、実際に会ってみると独特の印象をこちらに与えるものです。何かがキラリと違うのです。
 
そこで、以前お届けした『天国に旅立ったスターたち』の第2弾として、今回から4回に分けて僕に素敵な印象を残した“天国のスター”の思い出を綴ります。 

【構成作家T】
主にラジオやテレビの台本を書いている40代の構成作家。
趣味はスポーツ観戦。とくに野球が好き。カープファン。

プロ中のプロだった俳優の渡辺徹さん 

皆さんにも、
「いまだに亡くなったことが信じられない」
「そのうち、またフラっと現れるような気がする」
そんな芸能人・著名人はいませんか?
 
僕にとって、それが渡辺徹さんです。
 
初めてお会いしたのは、ラジオのゲストとしてお越しいただいた時。明るい笑顔で入ってこられ、「おはようございます!」とお手本のような気持ちのよい挨拶。一瞬で心を掴まれたことを今もよく覚えています。
 
その後、たびたびゲストでお越しいただいたほか、パーソナリティが休みの時にピンチヒッターを務めていただいたこともありました。
 
その際には、ゲストでお越しいただいたとき以上に真剣な眼差しで本番前の打ち合わせに臨まれ、疑問に感じた点は納得がいくまで質問。そして、生放送が始まってからも、CMの合間などに次の段取りを再確認。アシスタントのアナウンサーがいるので、そこまで進行を気にされなくても大丈夫なのに一切手を抜くことのない本気の姿勢に感銘を受けました。
 
プロ中のプロですね。
 
キャリアを積むと、自然と「これくらいでいいだろう」という加減を覚えるものですが、徹さんはあれだけのベテランなのに新人のように丁寧な仕事をされていました。それをまじかで見ることができたのは勉強になったし、なにより背筋が伸びました。
 
そして、2022年11月。
その訃報は、徹さんに何度もお越しいただいた番組の本番前、打ち合わせをしているときに届きました。
 
そこにいたスタッフ全員が絶句でした。僕自身は、その日のゲストとの打ち合わせ中だったのですが、その訃報を聞いたあと、どんなふうに打ち合わせをしたのかよく覚えていないのです。それくらい、僕にとっても衝撃でした。
 
徹さん、優しい笑顔と楽しいトーク、ずっと忘れません。
僕のような若輩者に対しても、丁寧な言葉で気さくに話しかけていただいたこと、本当にありがとうございました。
一緒にお仕事ができたことは誇りです。
 
そういえば、徹さんが亡くなったあと、息子の裕太さんにお越しいただきました。しっかりと徹さんのDNAを受け継がれており、とても謙虚で笑顔の素敵なかたでした。
 
次回も天国にいるスターを振り返ります。おつきあいください。
 
(つづく)
 

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