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天国に旅立ったスターたち➅~笑福亭笑瓶さん~

構成作家という仕事をして20年近くになります。これまで多くの著名な方々とご一緒する機会に恵まれてきました。中には、残念ながらその後、天国へと旅立たれた方もいらっしゃいます。
 
多くの人たちを楽しませ、影響を与えてきたスターというのは、実際に会ってみると独特の印象をこちらに与えるものです。何かがキラリと違います。そこで、今回も僕に素敵な印象を残した“天国のスター”の思い出を綴ります。 

【構成作家T】
主にラジオやテレビの台本を書いている40代の構成作家。
趣味はスポーツ観戦。とくに野球が好き。カープファン。 
この連載は2022年以来、第2弾となります。

じつはダンディで二枚目な笑福亭笑瓶さん

 僕の担当していた番組と笑瓶さんが出演されていた番組(どちらも生放送)の放送時間が近かったこともあり、一時期、毎週のようにお顔を拝見していました。その番組の打ち合わせでは、いつも場の空気を和ませている姿が、とても印象に残っています。
 
そんな笑瓶さんと一緒に仕事をさせていただいたのは2回ほど。どちらも10年以上も前のこと。でも、すごく鮮明に覚えているのです。それはなぜかというと――
 
その日は本番の事前打ち合わせをするというので喫茶店で笑瓶さんと待ち合わせをしました。しばらくしてマネージャーさんとやってきた笑瓶さんはこちらに軽い挨拶を向けると、注文を済ませ、おもむろにタバコに火をつけ、ゆっくりとそれをくゆらせました。
 
「ん……!?」と思いました。
 
その姿、テレビで見る笑瓶さんとは違い、ダンディでかっこいいのです(大病を患われたあとは禁煙されていたみたいですが)。皆さんが知っている、あの陽気なキャラクターとのギャップをすごく感じましたね。

もしかしたら、この人、心根は二枚目なのかも……!?
 
ところが、いざ打ち合わせが始まると、皆が知っている笑瓶さんに戻り、こちらが求めているようなエピソードを次々と披露。おかげで打ち合わせは、あっという間に終了。実は、この打ち合わせ、人によってはなかなかエピソードが出てこず、長時間になることもあったので、あらためて笑瓶さんの凄さを感じたものです。
 
こういったギャップを見せられると、お笑いさんは色気のある職業だなと思います。僕が男だからよくわかりませんが、女性からするとグッとくるのではないでしょうか!?!?
 
2023年2月22日、笑福亭笑瓶さんは66歳で旅立たれました。
笑瓶さん、たくさんの笑いを提供してくださり、本当にありがとうございました。
テレビなどでは見せることのない、あのダンディな一面、しっかりと記憶しております。
もちろん、「よしこちゃんよ〜!」も忘れません(笑)。
 
次回も天国にいるスターを振り返ります。おつきあいください。
 
(つづく)
 

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