「半自伝的エッセイ(25)」チェスと将棋どちらが難しいか
ある時、チェス喫茶「R」にいた何人かでチェスと将棋のどちらが難しいかという話になった。男性陣はほとんどが将棋もできたし、なかにはアマチュア高段者の人もいた。
結論は、チェスだった。理論的に考えれば、枡目と駒の数が多く、取った駒が使える将棋のほうがはるかに難しいはずであり、実際にそうに違いないのだが、実戦感覚としてはほとんどの人がチェスのほうが難しいと感じていた。
おそらく時代背景もあったのだと思う。当時は今のように将棋の序盤の研究がそれほどは精緻にはなっておらず、まあ矢倉