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【映画感想】戦う意義

 昨年11月に公開されたゴジラ70周年記念作品となる『ゴジラ-1.0』をようやく観てきた。

 初代『ゴジラ』は、1954年(昭和29年)11月3日に公開された。
 観客動員数961万人。 モノクロ、スタンダード。
 キャッチコピーは「ゴジラか科学兵器か驚異と戦慄の一大攻防戦!」だった。
 ゴジラシリーズは37作あるそうで、国産のは30作だそうだ。

 私がゴジラを初めて観たのは、幼い頃に父に連れて行ってもらった『モスラ対ゴジラ』だ。

 私は『モスラ』が好きだった。
 いや、正確に言うと、モスラの側にいるザ・ピーナッツ扮する妖精が好きだった。
 私は、ディズニーキャラクターの中でもティンカーベルが一番好きなくらい、妖精好きでミニチュア好きなのだ。

 だから、ザ・ピーナッツ扮する妖精がいてこそのモスラ好きだった。
 しかも、平和のために魔力を使うというのが『モスラ』の役割だったし。

 そんな『モスラ』の影響で『ゴジラ』を見始めたのだけど、あの有名なドキドキ感を誘うゴジラのテーマ音楽に惹かれて、過去に10作品以上は見ている。

 そんな『ゴジラ』の70周年記念作品で、舞台は日本が焦土と化した終戦まもなくという、人々がまだまだ傷が癒えていない状況下。
 なんでその時代?と思ったし、山崎貴氏の脚本・VFX・監督という事と、豪華なキャスト陣に惹かれた。

 そして、キャッチコピーが

 【生きて 抗え】

『焦土と化した日本に、突如現れたゴジラ。
 残された名もなき人々に、生きて抗う術はあるのか。』というもの。

 昨日観終わった後には、その技術力、演出力、演技力、全てに感動して、とてもじゃないけど言葉で言い表すことができず、「凄い」と「感動した」としか思えなかった。

 でも、1日経った今、思う。

 人間が戦うことの意義とは?と、問われている気がする。と…。

 第二次世界大戦の末期、戦況が悪化していく中では、戦って死ぬことよりも、餓死であったり、捕虜にならないための自害であったり、爆弾を積んで特攻することだったり、生きるための戦いではなく、まるで死ぬことそのものが戦いであるようになってしまった。

 本当に多くの人々が大切な命を失い、大切な人を亡くし、家も財産も思い出も全てをなくして、傷つき途方に暮れて、なんとかもがきなら生きようとしているところに、まさかの『ゴジラ』が出現するって…なんて事だ!と思いながら観ていると、そこから、人々の生きるための本当の戦いが始まっていく。

 戦争で傷つき、なんとか生き延びた人々は、生きるために自ら立ち上がる。

 もう「お国のために死んでこい」などと言う者はいない。
 「生きて帰ってこい」という、本来当たり前であった筈の言葉をかける。

 戦うというのは、本来こういうことなのだ!と、そう伝わってきた。

 未だ世界で起こっている戦争は、なんのための戦争なのか?
 なぜ普通に生きている人々や、なんの罪もない幼い命までもが無惨に失われていくのか?

 戦う意義を問うている…そんな気がした。

 感動した映画は、座席に張りついたまま、エンドロールも全て真剣に見てしまうのだが、今回もそうだった。
 この人達が、こんなにも凄い映画を作ってくれたんだなぁと、感謝の気持ちが溢れた。

 それにしても、神木隆之介さん、めちゃくちゃカッコ良かった!
 そしてやっぱり吉岡秀隆さんや安藤サクラさんはイイ味出してる!
 いや、全員素晴らしかった!

 すっごーくオススメです!

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