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本当に子どものためになる教育とは

2022/08/27は,算数夏祭りがありました。
自分は,ずっとこの副題である「本当に子どものためになる教育」について考えたいなと楽しみにしていました。

研修前の自分の考え

この副題に対して,研修の前には次のようなことを考えていました。

「個別最適な学びと協働的な学びを実現できているかな?」
「課題を設定したけど,子どもの追究したいものになっていたかな?」

また,ある方からは,次のようなお言葉をいただきました。

子どものためになるかどうか自体,子どもが決めればいいんじゃないって思うんです。

この言葉を聞いたとき,「確かに!」と納得したのですが,研修を通して少し変わってきた部分もありました。

この記事では,今回の研修で学んだことや,「本当に子どものためになる教育」についての考えを整理していきたいと思います。研修の内容は,具体的な授業場面の話もあったのですが,今回は少し絞って整理していきます。


志田先生のご講演より

「担任が主体的に判断しているか」

この言葉は,志田先生のご講演の言葉です。
目の前の子どもと最終的に接するのは,担任です。つまり,担任が最後の砦ともいえます。

【主体的】
自分の意志・判断に基づいて行動するさま

goo国語辞典

【主体的】
他に強制されたり、盲従したり、また、衝動的に行なったりしないで、自分の意志、判断に基づいて行動するさま。

精選版 日本国語大辞典

「主体的」という言葉はよく使いますが,辞書でひいてみると面白いですね。
「他に強制されたり,盲従したり,衝動的に行ったりしないで」という言葉が響きます。

言われたことをただやるのは,「主体的」とは言わないのです。これは,教師も子どもも同じです。

様々な言葉がありますが,それを解釈したり,判断するために調べたりした上で,主体的に判断していきたいです。


全体最適と部分最適

この話は,志田先生と尾﨑先生のご講演から考えたものです。
志田先生のご講演の中で次のような話がありました。

中核的な内容は,全員で考える。小さなめあては個人で考える。

志田先生は,「子どもの思考過程」の図と対応させながら話してくれました。

志田(2022),p.59

また,尾﨑先生のご講演の中で「全体最適」というお言葉がありました。私自身聞いたことがなかったので,少し調べてみました。

全体最適化と部分最適化の話の中で,「車輪における両輪のような関係」ということと,「全体最適化」と「部分最適化」のサイクルを回す中に「チェック」の項目が含まれていることが分かります。

お二人のご講演を聞いて,「チェック」にあたるのは,子どもたちが「中核的な内容」の視点をもてているかを確かめる段階だと考えています。「中核的な内容」という土台を作るためにも,全体で協働的に考える時間の使い方を考えていきたいです。

尾﨑先生のご講演より

「五感を働かせて,子どもを見ているか?」

この言葉と具体的な事例は,とても響きました。私自身,タブレット端末が配付されたので,学習の様子や子どもの考えなどは端末上で確認することも多くなっていました。
ですが,私がタブレット端末に目を向けている時間は,目の前の子どもから目を離している時間です。

タブレット端末の利便性を認識しつつも,見取り方については試行錯誤を積み重ねていきたいと感じました。

学習をつなげる子どもの姿

尾﨑先生のご講演を聞いていると次のような疑問が浮かんできました。
「なんで尾﨑先生の授業では,子どもがこんなに学習をつなげて考えているのか?」

尾﨑先生のご講演の中から,自分なりに整理し,2つの理由があると考えました。
1つ目は,学びの内容に関する振り返りです。
尾﨑先生は,具体的なお題を示し,ペアの説明をさせ,説明したことを記述する振り返りを行なっています。すぐペアの説明に入るのではなく,「これからペア説明をする」ということを伝えたり,不安な人がいないか確認したりする場を設けています。このワンクッションが、とても大事だと思いました。

ペア説明をさせる場面は,学びが深まった場面だと解釈したので,先ほどの「中核的な内容」につながる考えです。つまり,ある程度汎用性の高い考え方を子どもたち一人一人が言語化していることによって,学習をつなげやすくなっているのではないかと考えました。

2つ目は,見取りと価値付けです。
尾﨑先生のご講演の中で次のような見取りの場面がありました。
1人の子どもの目線が,黒板の中央から黒板の左側に移動したそうです。
黒板の左側には,最初に考えていた問題,黒板の中央には今考えている問題が書かれていました。尾﨑先生は,その子どもが左に目線を動かしたことから,2つの問題をつなげようとしていると見取り,
「なんで左を向いたの?」
と問いかけたそうです。

ここでは,話題にあがりませんでしたが,このように学習をつなげて考えている姿を価値付けているのではないかと考えました。

こういった振り返り,見取り,価値付けがあるからこそ,尾﨑先生の授業では,子どもが学習をつなげて考えていくのではないかと考えました。

響いた言葉

・そもそもこれからの教育は,子どものために何が必要か?
→やりたいことを見つけさせる。
→そのために,価値付け,自覚化させる

→失敗できる環境をつくる
 まずは,子どもの動きはじめを認める。

・理解できたかどうかという視点と,
 その子どもが輝く場所があるかという視点

・「授業の受け方では,深く学んでいるかは分からない」

・話し合いのときや発表するときは,うまく話せなくても,途中で止まってもいい。
→その子どもや聞いている子どもが,その話を通して,学びを広げたり,深めたりすることにつなげていきたいと思いました。

研修後の自分の考え

「子どものためになる教育とは?」に対する自分の考えは,子どもが「愉しむ」教育だと今は考えています。

「愉しむ」ために,教師も子どもも主体的に考え続けることが大事だと思います。教師も子どもも,お互いに自覚化できていない部分があります。だからこそ,自分が感じたことや考えたことを話し合って,一人一人が「やりたいこと」を実現し,「愉しむ」経験につなげていきたいと考えました。

御礼

このように濃い学びの時間となったのも,尾﨑先生や志田先生をはじめ,現地とオンラインに多くの参会者がいらっしゃったからです。

お忙しい中,本研修会に参加してくださり,誠にありがとうございました。
拙い進行で,お聞き苦しい部分もあったかと思います。申し訳ありません。

また,みなさんと学び合える日を楽しみにしております。

最後まで読んでくださり,ありがとうございました😌

引用・参考文献

志田倫明『学習者端末 活用事例付 算数科教科書のわかる教え方 3・4年』石井英真監修,株式会社 学芸みらい社



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