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リクルート・営業トップの『廣田さえ子』が選ぶ5冊と結果を残し続けられる「感覚」とは。-前編-

(この記事は2019年に作成したものを再掲載しております。)

業界のトップを走る「プロフェッショナル」が薦める本とは?読書をもっと面白くする実名ソーシャルリーディングアプリReadHubが、独自インタビューをお届けするReadHubTIMES。求人広告業界で25年以上働き、今ではリクルートトップパートナーで9期連続MVPを獲得し続ける廣田さえ子氏。廣田氏が求人・採用に活きる考え方とオススメの本をご紹介する。【Professional Library】

求人広告業界26年目。
リクルートトップパートナー9期連続MVP獲得。
株式会社デルタマーケティング エグゼクティブプランナー

【初回訪問商談成立確率90%】【採用成功確率80%以上】を継続しており、今のように超売り手市場にあっても、新しい切り口、そのお客様だけの魅力を引きだす営業スタイルは同業界にとどまらず、他業界からも注目されている。離職率の高い求人広告業界の中では、売上・営業年数ともに「レジェンド」級である。平均睡眠時間3時間。やらされているのではなく、自分が関わることで良い人材が採用できる。事業が成長していく。組織が強固になる。
この過程をお客様と共有できるこの仕事が天職。客様のクチコミで廣田さえ子の存在は全国区。口癖は「廣田にやっと出逢えましたね。おめでとうございます」。

キャリアウーマンになりたくて始まった社会人生活

これまで求人広告業界で25年以上の時間を過ごしてきましたが、実は最初は大手広告代理店のようなCMを作るかっこいい人になりたかった。もっと言えば、おしゃれな服を着て、ブランド物のバッグを持って歩くようなキャリアウーマンになりたかったんです。当時は、ホームページとかが一般的ではなかったので、自分の目で見るまではどのような会社かわかりませんでした。

当時、その会社では研修がなかったので、入社後すぐに電話帳を渡されてテレアポをするように言われ営業を始めました。オシャレな気分を味わうために銀座や青山のような街に行きたかったので、それらの場所のタウンページだけを開いて、必死で電話をかけていました(笑)。午前はテレアポ、午後は外出の繰り返しでした。

たった1秒のアポから始まる

テレアポはかなりの頻度で、相手に「既に契約したところがあるので」と言われ切られます。そこで諦めてしまってはいつまでもアポを取ることができません。改めて電話をかけて、電話を切られた相手に「電話が切れてしまったみたいで、すみません。」と伝えます。

今から考えるとめちゃくちゃですよね。でも「新人なので名刺交換だけでも」とお願いすると、少しの時間ならと話すことができるようになりました。かなり食い下がって「1秒だけでも良いのでお話しさせてください」と言うと、お相手もクスッと笑ってOKをいただけることもよくありました。

私はその1秒アポを手帳に書き込み、約束した時間ぴったりにアポに行きました。相手が忘れていて名刺を置いていくだけのこともありましたが、これで1日10件くらい、2週間で100件くらいの新規アポになります。新人だったので、仕事をすぐにもらえたわけではないのですが、何度か繰り返し電話していると次第に覚えてもらえるようになりました。

やりたいことは行動にできるはず

名前を覚えてもらえるようになると、5万円くらいの小さな案件をもらえるようになりました。そのもらった仕事も、知識がほとんどなかったので、誰よりも丁寧に取り組む。その繰り返しで3ヶ月もすれば15年先輩の方とかもいる中でなんと売り上げナンバーワンです。すごくないですか?(笑

自著の『勝ちぐせ。』では、どのようにして結果を残し続けるかについて書いています。3年前に書いたのですが、最近一度読み直していい本だなって思いました(笑)。やるべきことを続けていれば、絶対プラスに動き続けるはずです。この本の内容も私からは幼く見えたので、そこから成長できているのかなと思います。

やるって決めればなんでもできる。本当にやりたいと思ったら人は行動するはず。このメッセージが、営業パーソンをはじめとした結果を残せずもがいている人に届いて欲しいと思っています。


「素」であることが重要

一般的に営業は、契約をとるのが実際にお会いした時のゴールですよね。でも私の場合は違います。関わってくれた人が、「廣田さんに会ってよかった」「元気もらった」と感じてもらえて、その時間がよかったなって思えることがゴールなんです。

私に限らず、世の中の人の魅力的な部分は、自分の「素」だと思っています。私はよく「情熱的ですね」と言われます。なので、お客様に勇気や希望、やる気などを与えられるようにしています。でも、ただ元気なだけではこれはできません。

私は気づいたことを全て言います。入り口のマットがずれていたり、なんとなく空気感が悪かったりすると、会社が良くない状況であることが感覚的にわかります。そのため、自分が嫌われても良いので、ソフト面でもハード面でも体感して気づいたことは全て言います。

これまで「素」であることで結果を残し続けてきたので、体感したことは「素」で指摘できるようにしています。すると、自然と結果に現れてきますし、私が何かプラスなことを言った時には本心からだとわかるので、お客様が元気になるんです。

かっこいい女性であるために

私には、女性としてかっこいいと思っている人が2人います。1人目はココ・シャネルです。言うまでもなく、ファッションブランドの「シャネル」を作った人です。とても素敵な生き様で、「仕事1つ1つを大事にすること」「人まかせにすることなく自分自身できちんと確認すること」「お金を生むための魔法の杖なんかないわ」と様々な名言があります。

最期の瞬間まで女性であることにこだわっていて、結婚をしないことを選んだ人でもあります。自分がやったことしか自分に返ってこないということを学びました。この学びができるのが『ココ・シャネル99の言葉』です。私のようにキャリアウーマンになりたいと考えている人にオススメです。

2人目がジェーン・バーキンです。この方は言わずと知れた、エルメスのバーキンのバッグの由来となった人です。この人はいつも化粧をせず、常に「素」でいることにこだわった人です。自分自身の毎日を大切に生きている彼女から学べることことも多いので、『ジェーン・バーキンの言葉』という本で世界的に有名な女性の生き様を知れると良いと思います。


お金は幸せにした人の数についてくる

銀座まるかんの創業者である億万長者の斎藤一人さんっていらっしゃいますよね。私はよく女版斎藤一人と呼ばれるんです(笑)。でも、斎藤さんは長者番付で常に上位にいるような億万長者な人で、私はそうではなく、この差はなんだろうと不思議に思っていました。一番大きな差は、弟子をとっているかいないかだと思います。

斎藤一人さんは弟子が10人位います。そして、その弟子たちもすでに億万長者になっているんです。かたや私はサラリーマンで、会社から雇われる立場です。目の前のお客様を幸せにするということは常日頃からしています。でも、斎藤一人さんは一人でできることは限られていると判断し、弟子をとって育て上げた。そうすると斎藤一人さんと直接関わる人以外も、斎藤一人さんは幸せにすることができている。そこで実感したのは、お客様からの感謝の形であるお金は、幸せにした人の数が多い人に集まるということですね。私も含めて誰もが意識しておくべきことだと思います。

ミラクルが起こる公募にこだわる

「素」であることの重要さは話しましたが、自分が体感した「感覚」を大切にしています。会社の空気感や社長の雰囲気をはじめ、全ての要素が求める人材を採用するために必要不可欠です。AIとかが扱うようなデータとは違って、提案や相談を繰り返しながら全てトータルで提案していく。これが私の求人広告業界で生き残ってきた方法です。

印象的だったのが、つい1年ほど前の案件で、英語の講師募集をしたいという会社からの依頼でした。

求人を公募してから反響が多くあったようなのですが、結局採用に至った人はいませんでした。ヒアリングをすると、会社としてはTOEIC900点以上であることが絶対条件であるとわかりました。

TOEIC900点以上と言うと、相当英語ができる人かネイティブスピーカーくらいの水準です。ただ、その会社が出していた求人は「英会話講師の募集をします。」のような、一般的な広告と代わり映えのしないものでした。それでは、ただ英会話講師をやりたいと志している人が集まるばかりです。

そこで私は、英語がかなりできる人だけに刺さるように、求人をバイリンガルに訳してもらった短めの英語で行うことで、ネイティブスピーカーの目に留まるような広告を提案しました。

後日メールのやりとりをしていると、「ワクワクする提案ありがとうございます。是非これからもよろしくお願いします。」といただきました。そして最終的には、関西エリア在住のTOEIC900点の人を採用できたんです。気持ちの入った案件だったので、「ワクワクする」とまで言っていただき、とても嬉しかったです。

採用はお互いが良いと思える出会いである必要があります。そのため、私は互いのニーズをマッチングするスタイルではなく、今回のようなミラクルを起こすことができる「公募」という形にこだわっています。

これからすることに無理に意義づけしない

私は行うこと全てに意味づけをしていません。というのも、これまで話してきたように、感覚を大事にする人だからです。直感のままに動いたほうがラッキーなことがこれまでたくさんありました。本を読むことについてもそれは同じです。

今回は本に関するインタビューを受けているので、これも1つのきっかけだと思って多分このあと本屋に向かうと思います(笑)。

最近出会った本で良かったのが『伝え方が9割』です。自分で物事の伝え方や立ち振る舞いとかを実践してみようと思える一冊です。仕事に関しても、その物事に関わる人みんなが幸せになれるような仕事をやっていこうと思えました。ビジネスマンが話す相手に伝えたいことを伝える一助になる一冊なのでオススメです。

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採用に関する本は読まない

リクルートトップパートナーの中でもずっと良い結果を残し続けてきました。その結果を残してきた根幹にあるのは、私自身の「感覚」です。そして私が武器としているのは、求人を成功させるまでのすべてを提案することです。

ただ世の中にある採用関連の本は、採用をうまくするためにはどうするべきか、という手段にフォーカスしたものが多いです。そのため、私が採用関連の書籍を自分の仕事の参考にしたことはほとんどありません。

これをやったから採用がうまくいったということはほぼありません。1つ1つのできることから徹底的に取り組んでいく。そして最終的には、点と点が繋がって採用がうまくいくというわけです。私個人の中でも、本を読んだり、お酒を飲んだり、そして日本の文化を調べたりと様々なことをしています。

何が採用がうまくいくための理由になるかはわからない。だけど、できることは全て行う。どういう人材が必要なのか、募集したい人はどういうことがしたいのか、考えられることは全て考え広告に落とし込む。この、採用に対する考え方は自著の『超採用力』に書いています。人事に関わっている人や採用を諦めてしまっている経営者の方に是非読んでいただきたいです。


何もかもタイミングが全て

私は諦めないことが何より大事だと考えています。例えば大企業の採用の場合、内定を出した人から辞退されると、「わかりました。残念です。」で終わってしまいます。ですが、そこでも諦めずに1ヶ月後とかにまた様子を見にいくようにしていると、最終的には自然と一緒に働けるんです。

人って、強く人に求められることは、そう多くはないですよね。採用される側にも事情があります。なかなか転職に踏み切れなかったり、家族の事情ですぐには判断できなかったり、本当に様々です。そのタイミングを採用する側から探すことができれば上手くいく。何かしたいことがあるのであれば、そのタイミングまで行動を続けることが重要だと私は思います。

信頼のスパイラルを作り出す

社会人になって以来、私は私が正しいと思うことをずっと続けてきました。そして、求人広告業界で常に結果を残してきました。人は本当にやりたいことがあれば行動することができます。結果が出るまで、そのタイミングが来るまで行動し続けることが大事です。

自著の『勝ちぐせ。』も、私の評判やそれまでの行動への信頼がどんどん広がっていって、本を出したいなと思っていた時にちょうどオファーをいただいたんです。これもタイミングが来たから本を書くことができたとも言えます。

今いただいている信頼を裏切らないように行動し、自分の行動でまた信頼をいただく。私はこの信頼のスパイラルを途絶えさせないように、結果を残せるタイミングを信じて、そして自分の「感覚」を信じていくことが大切だと思っています。

※インタビューをもとに作成
インタビュー:青木郷師、文章:高井涼史

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