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相互理解の装置としてのゲストハウス

先日、日本財団まちなか拠点米子にて、鳥取県智頭町で楽之というゲストハウスを立ち上げられた竹内麻紀さんをゲストに招いた勉強会を開催した。

智頭町では、平成の大合併が行われた際に、合併に賛成する人と反対する人との間で意見が割れてしまった。それが地域住民間の分断を生み、今でもその禍根が残っているのだという。

智頭町は最終的に合併の道を選ばず、独立した道を歩むことになるのだけれど、私は個人的にその選択は正しかったのではないかと思う。

ただ、今でも残る分断は、例えば移住者を積極的に受け入れ、町を外に開いていこうという人達と、それに反対する人達。新しいことをやっていこうという人達と、古い慣習を守っていこうという人達との間に横たわる分断だ。

麻紀さんは、そうした分断を乗り越えるために、古民家を改装したゲストハウスを使って、町民同士の話し合いの場や、集まれる場を作ろうと努力されている。

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楽之では、それを作るプロセスから、地域住民の方々を巻き込みながら行われていったそうだ。

こうしたプロセスを通して、この場は観光客が泊まる場としてだけでなく、地域住民にとって愛される、集まれる場になっていたのだという。

コロナ禍にあって観光業が厳しい状況にある中、地域住民によっても支えられることは、強みといえるだろう。

麻紀さんは、智頭町内に今後さらにもう一カ所シェアハウスを作ろうと計画されているそうだ。

近年、智頭町には移住者が増える一方で、すぐに入居できる空き家が意外に少ないため、これに対応できるような場を作りたいと考えたからだ。

このシェアハウスづくりにあたっても、地域住民を巻き込んだプランを練られているそうだ。

世の中的にはワーケーションやサテライトワークの動きが活発だが、そこに住まわれる人達との融合や接点づくりをどう考えていけばいいのかが、今後課題になるような気がしている。

麻紀さんのお話を聞いて、ゲストハウス楽之のやり方は、もしかしたらこうした”内”と”外”を繋ぎ、”相互理解を進めるための装置”として有効なのかもしれない。



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