○○で成果を出す人に
今回はライアソン大学の体育総務部長兼サッカーコーチであるアーヴァン・ジョセフ博士のスピーチの様子をまとめます。
The skill of self confidence | Dr. Ivan Joseph
サッカーコーチとして一度全国優勝させると誰もがそのチームでプレーしたがるようになります。
というのは本当ではなくて、年2万5千ドルの奨学金を付けると誰もがそのチームでプレーしたがるようになります。
やってくる親御さんが必ず聞くのは「うちの子はおたくの大学でプレーしたいと思っているんですがどうすればいいでしょう?選ぶときはどこを見ているのですか?」
ソクラス的な教師として私は尋ねます。
お子さんは我々が興味を持つようなどんなことに秀でていますか?
典型的な答えは「目がいいんです、フィールド全体が見えるんです」とか「うちの子は早いですよ、誰にも負けません」とか「うちの子は左利きで空中で強く、どんなボールでも蹴り返します」などと言います。
私はというと「いいですね、でも正直に言うとそれは私が求めているものではありません。一番重要なのが何かわかりますか?...自信です。」
このスキルなくして(私はあえてスキルと言いますが)このスキルなくしてサッカー選手としては役に立ちません。自分を信じる気持ちをなくしたら終わりです。
自身の定義についての私の定義は
自分を信じる能力。あるいは信念でどれほど見込みがなかろうと、難しかろうと、困難に遭おうと、どんなタスクでも成し遂げられると信じられることです。
自分にはできるという信念それが自信です。
こう思うかもしれませんが「自分には自信がない、内気だし、自分にはきっとそんなこと...」
そうしてずるずる沈んでいきます。でも私はあえて「スキル」という言葉を使いました。それは鍛えられるものだと考えているからです。
どうすればいいかお話しします。
自信をつける簡単な方法ですが、そんなものありません。
こうは言えませんよね。
「当機は墜落中です、操縦できる方いませんか?」
「俺自身あるぜやったことないけど!」(笑)
繰り返し繰り返しやるんです。
マルコム・グラッドウェルが言うところの1万時間の法則です。魔法のスイッチはないんです。ある年にコロンビアからキーパーをスカウトしてきました。
190センチある大男で、岩のような手をしていてイルカの手足みたいです。ボールを投げてやるたびに下に落とします。こりゃ参ったなと思いました。
解決方法は壁の前に立って、壁にボールを蹴りキャッチする。これ8か月間、毎日350回やるんです。戻ってきたときには彼の手はすっかり硬くガサガサになっていました。
今じゃヨーロッパでプレイしていますよ。魔法でしょうか?
いいえ
繰り返し、繰り返しやるんです。
問題は自信を持つためには、そのスキルあるいはタスクが目新しいものであってはならないことです。すごくプレッシャーを感じる状況に身を置くんです。
プレッシャーがダイヤを作ります。「これならもう1000回やっている」という境地に達したいのです。
私はスピーチの練習を鏡の前でやりました。ペラペラ。結構いけるじゃん!それから子供や妻の前でやります。ちょっと緊張するな。それからグレン・グールド(ピアニスト)の前で...こりゃかなり緊張するな。
ACGで2500人を前にする頃には、もうそう思わなくなっています。目の前に2500人がいても、これっぽっちも緊張しないでしょう。
練習する力のおかげです。何度も何度も繰り返すんです。
繰り返しでカギになるのは、失敗から立ち直れるかどうかです。
どれほどの人が最初の逆境を乗り越えられるか?
エジソンは諸説ありますが、電球を作るために1000回から10000回試作したといいます。
1000回から10000回です。
J.K.ローリングはハリーポッターを出版社に持ち込んで何度断られたか知っていますか?12回か13回だったはずです。
私は自信を持っていても2,3回「NO」と言われたら「なんてこったと思います」 6,7回断られたら「ダメかも」と思います。 9,10回断られたら「間違いなくサッカーコーチか何か作家以外のものになると思うでしょう」(笑)
12回も「NO」と言われたんですよ?
でも練習、練習、練習、そして失敗にへこたれないこと。繰り返しというよりは、粘り強さというべきかもしれません。
みんな繰り返しはしていても本当にやり通す人というのは多くありません。
これが自信をつける1つの方法です。何かをはじめ、やりたいことをやり失敗にへこたれないこと。
もう1つは心の声です。
今週買い物に行ってズボンを合わせてみた人はいますか?女性なら最初に思うのはきっと「ああ、このズボン太って見えるわ」。男性なら逆に「やれやれ筋肉なんてありゃしない、なんて貧弱なんだ」と思う。
どうですか?私たちはみんな頭の中でそういう声を聞いています。
質問すると学生は「どうか先生が当てませんように答えが分からないよ」と下を向きます。
ひとつ打ち明けましょう。
私が体育総務部長として採用されたころ、建築会議に呼ばれました。でも私は数字や角度の話になるとからっきしです。
それで「この建築構造のファンビュレータ・バルブですがジョーゼフ博士はどう思われますか?」
「あの検討して後ほどお返事します...」
「どうか俺に聞かないでお願い」と頭の中で考えていました。私たちはみんな頭の中でそういったネガティブな独り言をしています。
でもどうですか?
「お前なんかにはできない」という人間ならもう十分にいます。
なぜ自分でそんなこと言おうと思ったんですか?
思考が行動に影響するのを我々は知っています。
思考が行動に影響すると知っていて、どうして自分にネガティブなことを言うんですか?必要なのはむしろ自分の価値を認める言葉です。
モハメド・アリ(元プロボクサー)を見てください。
オレは最強だ!
他の誰が言ってくれますか?
眠る前の静かなひと時に、歯を磨いている静かな瞬間に再確認する必要があります。
「私は自分の人生の船長であり自分の運命の主だ!」
これは私のアファメーション(ポジティブな言葉で自分自身を幸せへと導く方法)です。
私は学生数が1000人の大学の出身だし、人口1000人の町に15年暮らしていました。私が体育部門やメープルリーフ・ガーデンズ改築の責任者になるべき理由はないんです。
しかし、私は自分の人生の船長であり自分の運命の主です。
もし自分でそう言いそう信じないならそうしてくれる人はだれもいません。
どうやって自信をつけるか?
自分をけなすような人から離れることです。そんな連中が多すぎます。
モハメド・アリは「オレは最強だ」といいました。自分以上のやつはいないと。
これは傲慢やエゴや根拠のない自負とは違います。ただ静かな瞬間に自分に思い出させるという事です。
私はそれを書き出して鏡の横に貼っています。
自分を自分たらしめているすべてを私もミスを犯し、新聞がそれを書き出して周りの人もそれを指さし私をこき下ろし私自身それを信じるようになります。
まったく自信を失っていた時がありました。
この仕事を引き受けてアイオワからやって来たけれど、自分にできるかわかりませんでした。自信を呼び覚ます手紙を取り出さなければなりませんでした。
気分のいい時に自分に向けて書いた手紙です。「アイアヴァン40歳になる前に博士号をとれておめでとう」...これでも40歳前ですよ(笑)
「全国大会に優勝しておめでとう」「3人のいい子供たちを育てふさわしい女性と結婚したのはでかした」
私はそういう手紙を自分に書き出した。
私にとっての履歴書です。
私が誇りに思うことについての手紙です。
なぜなら私たちは仕事や、人生や、職探しや、人間関係において自分自身を良く思えないときがあるものだからです。
私は時折その手紙を取り出して読む必要がありました。嵐を切り抜けるまでの2週間くらいです。これは大切なことです。
自分をネガティブに考え続けるのはやめましょう。運動選手を見ると何か特別なアクセサリを着けたり、何かを自分のブランドとしている人がいます。
ランス・アームストロング(元自転車ロードレース選手)がいい例です。彼のセルフアファメーションは何でしょう?
Livestrongはブランドではなく自分が何者かを思い出させるものです。
「強く生きろ」しかる後にブランドになったのです。
心に疑いや恐れが起きた時、彼はそれを片腕から別の腕に移します。
「強く生きろ」それを身に着け、よし行くぞと思うんです。
私たちはみんなそういうものを持つべきです。自信を築くには2つの方法があります。
他の人に自信を持たせる方法を教えましょう。
私たちはコーチであり教育者です。世界に価値を生み出す人間です。していることの性質上、批判的になりがちです。
私はコーチです。選手にゴールを挙げさせたい。ボールが高すぎるとき「だめだ!ボール高すぎ!」と言うと「すいませんコーチ、自分がダメなのはよくわかっています」となります。
ではどうするか?
「肘をこう持ってきてひざはボールの上でフォロースルーして、着地、素晴らしい!」
私がプロ選手になれなかったことに注意してください。
私にできるのは何か?
間違いを直すこと。
もし間違いをこう直したら「ジョニー全然だめだ、膝を曲げてこうやらなきゃだめだ」
それでジョニーの自信はどうなるでしょう?
膝を曲げろ。こうするんだ。それからこうやれ。
そのうちつぶれてしまいます。
ジョニーのまずい点は無視してボブやサリーに目を向けるんです。「いいゴールだフリーダ!膝を低くして足を振り切って着地してるのがとてもいい。いいぞ!」
するとジョニーは「おや?」と気づきます。
落ち込むことはありません。自信を無くすこともありません。
そしてフリーダの自信を引き上げてやれました。子育てがどう変えられるものか考えてみてください。
「何してるさっさとコップを片付けろ」ではなく、お母さんがいいことをしたときにほめて見せることです。「ありがとうアリス、コップを流しに運んでくれて」
簡単なことですが私たちは忘れがちです。あるいは教育者やチームメイトとして、強化したい行動を褒めることで導いたらどうなるでしょう。簡単なのに忘れがちです。
正しくやれた時に認めてあげることです。忘れがちですが簡単なことなんです。
カンザスで行われた研究があるのですがビデオを撮ってプレー中の映像を見せて「このゴールをされたのはバスケットが守られていなかったからだ、ここで戻らなかった。こうやってこの隙間を埋めなきゃいけない」
これがもとのレベルだとすると、カンザス州立大チームの改善はこういう緩やかなものでした。
それからミスは無視して、チームがうまくプレーしたところだけ見せました。完璧にやったところです。同じことを教えていても改善は大きなものになったんです。
これは私たちコーチの学生チームとの向き合い方を劇的に変えました。これはビジネスの世界にも適用できるし、学制の共同研究にも適用できるし大学の管理チームにも適用できます。
正しくやったときに認めてやるという事です。
最後のポイントです。
私の息子はこれに長けていますが、自信にあふれた人というのはフィードバックを受け取りたいように受け取ります。息子は運動選手としてはひどいものです。
「試合はどうだった?」と聞くと「最高!3得点2アシストしたよ」と「パックに触れたところを一度も見なかったぞ!」と私は思っています。
しかし、彼には自分が何をしたか彼独自の認識があるようです。(笑)
私はそれが気に入ってます。
私もそうでしたから。私は妻に出会ったころデートに誘ったのを覚えています。
「ポーリー映画に行かない?お嬢さんたち?フフン」(笑)
「やめとくわ」
私はまた誘いました。前の時は光の加減で見栄えが悪かったのかと思ったんです。(笑)
あるいはシャツを変えればいけるんじゃないかと(笑)
私は解釈したいように解釈していたんです。私はまたデートに誘うと彼女は返事を友達経由で返してきました。それが当時のやり方だったんです。
「あんたが地球最後の男で世界は凍り付き、地球を救えるチャンスはそれしかないという限り彼女はあんたとデートしないってよ」
望みなしと思う人もいるでしょうが、私は「つまりチャンスはあるってことだね!」と思いました(笑)
私はそう解釈するんです。
今日の話から1つ学ぶことがあるとしたら
自分が信じなければ信じてくれる人は誰もいない
ということです。
Think differentのメッセージに耳を傾けてください。
クレージーな奴、はみ出し者、反逆者、トラブルメーカー、丸い穴にはまった四角い杭。
我々が違うのは当たり前なんです。
そして人に見られる時には自分を信じることです。
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