貧困当事者が声を上げるということ‐社会に身をさらす怖さと向き合う‐
9月20日(木)
クラウドファンディングのサービスであるPolcaを用いて、大学院の入学金を募ることを始めた。
1年以上前から、大学院に合格したら入学金を集めるクラウドファンディングをしようと決めていました。
本当は合格通知が届きしだい、すぐにでも始めようと思っていました。けれど、本当にこんなことをやってしまってもいいのか。お金がない中で大学院に行きたいだなんて。そう思うとなかなか踏み出せず、通知書が届いてから1週間後に企画を立ち上げました。先ほどのツイートを送る際も、勇気を振り出して、「えいやっ!」とツイートのボタンを押したものです。
そして翌日もまた、今度は、細かな背景も少し含めたうえで、Facebookで告知をしました。以下にその全文を載せます。
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大学院の入学金を募るクラウドファンディングを、polcaを使って立ち上げました。
正直、
「お金がないなら大学院になんか行くな」
という批判もあるだろうな、という思いから、怖々と昨日立ち上げました。
批判は承知の上で、なんて言っていますが、びびってたので、通知書が届いたらすぐに作ろうと思っていたのに1週間もかかってしまった笑
いいねやシェアや、コメントや、読んでくださるだけでも、なんでも構いません。
応援していただけると嬉しいです。
以下、少しだけこの企画に対する思いを。(少しと言いながら長くなりました)
これまでに2度ほど、クラウドファンディングに挑戦させていただきましたが、そもそもクラウドファンディングというものの存在を知ったのは2年ほど前でした。
初めて、こういった方法でお金を集めることが出来ると知ったとき、最初に思ったことが
「お金が無い人たちが、周りの方々に支援してもらいながら、学校に通える未来が来るかもしれない」
ということでした。
俺の家は、父親が仕事を辞めたりするなどして、いつからか、ほんとにいつの間にやら、いわゆる「貧困」という状態になっていました。
そこで、大学に通うことに関しては1円も親には払わせないようにしようと決め、勉強を頑張り、結果として授業料免除と賞与型奨学金の両方を取って、大学に通うことが出来ています。
自分はたまたまラッキーなことに、大学に通うことが出来ている。
けれど、やっぱり学びたくても学校に行けない人たちは多い。そう思っていました。
だから、クラウドファンディングという存在を知ったときに、1つの希望を持ちました。
大学院まで行こうと決めた1年半ほど前から、合格したら入学金をクラウドファンディングで支援してもらうということをやろうと決めていました。
ただ、別に、これは同情してもらいたいわけでは無いんです。
うちの家は、経済的には貧困ですが、心は全く貧困ではないです笑
母親が壮絶な幼少時代で、絶対的貧困(明日食べるものがないというレベルの貧困)を経験してるので、謎に明るい。
どんな様子かというと、
授業料免除申請の書類にて、家庭状況の詳しい内容を書く欄があるのですが、書いた内容を変じゃないか母親にチェックしてもらいつつ
「家が困った状態であることを息子が書いて、それを親にチェックしてもらうってシュールやなwwしかもそこに、去年母親が鬱になって大変やったって書いてるし笑笑」
とか、
授業料免除の際、免除になる収入に基準額があるのですが、
「これいけるんかな?」
と確認してみると、うちの収入はその基準額のさらにはるか下…
「いや、なんでうちこんなんでやってけてるん!??笑笑、もっと貧困らしく苦しそうにした方がいいんちゃう?ww」
と親子で笑ってしまい。
加えて
一時的にお金を家に入れてた時期があるのですが
俺:「毎月お金入れるわ」
母:「えっ、いいの、ありがとう」
俺:「いや、そこはちょっとぐらい遠慮してww」
母:「だって助かるし笑笑」
といったことを親子ともども話して、楽しく貧困?してるのが家の様子です笑
だからこれは、同情してもらいたいのではなく、
「こんな方法は無しですか?」
という、あくまで1つの提案。
普段は「不登校」だとか「貧困」だとか、わかりやすい言葉でまとめて、社会に向けて発言するとかは、好きじゃないし、あまりやらないのですが、
これだけは自分だからこそあげられる声なのかなと思い長々と書きました。
思えばこれまでも
「通信制高校からだって、塾や家庭教師無しでも国公立にいけることを証明したい!」
「授業料免除とかで大学に通えている姿って、それだけでお金が無くても学ぶことは出来るという証明になると思うねん」
なんてことを言ってました。
これも、企画を立ち上げることが、1つの姿を見せることかなと。
いや、少し重かったかな?笑笑
お金はとても大切なもの。
寄付って簡単に出来るものでもない。
ただ、別の形でもなんでも、応援してもらいたいと、心の底から思うので、長々と書いてしまいました。
ここまで読んでいただいただけでも感謝です〜!!
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こうして恐る恐るでありながらも、ついに立ち上げた企画。
5日目にして21名の方々に支援していただき現在71,500円が集まりました。
正直、短期間でここまで集まるとも思っていなかったので、驚きとともにとてもありがたい気持ちでいっぱいです。
polcaやtwitterでは直接応援の言葉を届けてくださる方々もいます。
教育を受けることは贅沢ではなく、当たり前の権利です。応援します。
polcaを使ってお金を集めることも一つの能力です。自分の持てる能力はフル活用したらいいんです。
合格おめでとう。にっしーのようなひとが大学院に進める社会であってよかった(せめて汗)、と思ったし、これからさらにさらに進みやすい社会になっていきますよう。
こうした言葉の一つ一つに本当に本当に救われています。
ですが、
やっぱり一方で、とてもとても怖いです。
もう22歳で、自分で働いて、お金を貯めてから大学院に進むという選択肢だってあったはず。だからこそ、批判があったとしても、それはもっともな話だと思います。むしろこの5日間無いことの方が少し不思議なくらいです。
いつ、贅沢だと言われるだろうか。
いつ、こんなのは間違っていると言われるのだろうか。
そんな気持ちを抱えながらこの5日間を過ごしています。
ただ、それでも、「今」自分は大学院に進みたいと思い、学ぶためには多額のお金を要するこの国で、一つの形を提案できればと思いました。
だからこうして、怖いと言いながら今も性懲りもなく、noteを書いています。
自分は、いじめや不登校経験の当事者でもあり、これまでに不登校当時の話などもインターネット上で公開してきましたが、貧困であることを発信するのは、今までのそれとはまた違った怖さがあると感じています。
子どもの貧困問題に関しては、ニュースでもよく報道されており、それに対する世間の反応としては、
「貧困なのにスマホ?」
「貧困なのに習い事?」
といった声も見られます。「貧困」というワードが持つパワーは強く、どうしても世間は「貧困らしさ」というものを求めます。
なので、「私は貧困である」と声を上げることは、自らの生活レベルを周りから評価される危険性があると思っています。
「貧困なのに大学院?」とダイレクトに批判されずとも、twitterなどSNSで発信する俺の生活を見て、「お前は本当に貧困なのか?」と思う人もいるでしょう。
けれどそのSNS上に現れるようなものは表面的なものでしかありません。
一人旅、フルマラソン完走、富士山登頂、の様子を載せる一方で、常にお金のことを心配してしまう自分への自己嫌悪が存在します。学校では周りにひょうひょうとした姿を見せながら、成績発表のたびに「ひとつでも単位を落とせば授業料免除も奨学金もなくなるだろう」という怖さと戦っています。
そういったことの一つ一つはどうやったって表現しきれませんし、本当はしたくもありません。今こうやって文章にしたって正確に伝わるものでもないと思います。
だから、そんな中で、「私は貧困である」と発言して、一部だけを見て生活を評価する目線にさらされる可能性があるのは、正直とても怖いです。
ですが、この5日間で学んだことも、とても多かったです。
きっと、賛否が分かれるような社会課題と言われているものに対して、世間に身をさらしながら、声を上げている人たちは、いつも批判の目や、批判の声の恐怖と向き合いながら活動をしているのではないかと思うようになりました。
テレビや、街中で、その身をさらしながら声をあげる人と、ただネット上でクラウドファンディングを立ち上げただけの自分とを比べるのもおこがましい話ですが、あれだけのリスクを取りながら行動をしている人たちはすごいなぁとただ素直に思いました。
正直まだまだ書ききれない思いもありつつ、怖い思いもありつつ、それでもやっぱり企画を立ち上げてみてよかったなと思います。
ここまで読んで、「なんだかデモ行進をしているようだな」と逆に怖さを感じた人もいるかもしれませんね。俺もなんとなくそんな感じがして、客観的に自分を見て、もう少し冷静になる必要もあるのかなぁとも思います。
ただ今回の企画は、「社会を変えたい!!」とか「貧困を知ってほしい!!」とかそういう感じというよりは、Facebookにも載せたように、
「こんな方法で学費を集めてみるのは無しですか?」
というゆるっとした、ライトな提案のつもりなので、応援していただけたら嬉しいです。
お金はとっても大切なものなので
「ご利用は計画的に」(笑)
また企画終了後にも内容をまとめるつもりですし、こうして中間報告のようなものをするかもしれません。
ここまで読んでくださりありがとうございました~(^^♪
#Polca #クラウドファンディング #学費 #教育 #貧困 #エッセイ
読んでくださりありがとうございます。 好き、コメント、サポート、何でも嬉しいです。