【即興実験小説】三位一体（15分・586字）

クリスマス、AちゃんはB君にずっと片思いしてて一緒に過ごしたくて、でもB君はCちゃんのことがひそかにずっと好きだからCちゃんとすごしたくて、でもCちゃんは全然恋なんていうものに興味はなく大親友のAちゃんと過ごしたいのだった。
CちゃんがAちゃんにクリスマス一緒に過ごそう、と言ったら
「B君に告白して、クリスマスを一緒に過ごしたいの」と断られてしまった、でもCちゃんは
「じゃあ三人で一緒に過ごそうよ、そしたらみんな幸せになれるでしょう」
そして全員がすごしたい人と過ごせるクリスマスが訪れた。B君はCちゃんのことが好きだとAちゃんは知っていた（好きな人のことだから）、でもCちゃんは全然そんなこと知らなかった。

スケートをして、イルミネーションを見て、ファミレスで一番いいメニューを食べて、そこで「クリスマスプレゼント交換会」をした。輪になってプレゼントを右の人に渡し続けて、音楽が止まったところでプレゼントを開けるやつ。
みんな、プレゼントを渡したい相手は決まっていた。だからそもそも席順から全員の意図でA,B,Cとなり、AちゃんがB君に、B君がCちゃんに、CちゃんがA君に渡せるよう、誰ともなく、音楽が止まる時を見計らって、そして全てのプレゼントはおさまるべきところに収まった。

その時、全員がとても平和だなと思った。下手な両想いよりずっと平和だなと思った。

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お題：12月の君 　必須要素：三つ巴 　制限時間：15分　 文字数：586字
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