確率パーティ ~『田丸雅智と米光一成の新しい物語講座』でショートショートを書いてみた
今日は『田丸雅智と米光一成の新しい物語講座』に行ってきました。
■まずは田丸さんパートの話を。
「たった40分でだれでもショートショートが書ける!」がモットーの、ショートショート作家・田丸雅智さんがSSの書き方を伝授。
まず、『確率パーティ』という無茶ぶりなタイトルをふられて、30分くらい? で書き上げたショートショートを、自慢したいので、読んでくれ!!
『確率パーティ』
「本日は確率パーティにお越しくださいまして誠にありがとうございます。
天候、災害などによりパーティが中止にならない確率が99.1%、また皆さまが個人のご事情によりパーティを欠席されない確率は89.2%、よって、皆さまが無事こちらにお越しになれる確率は88.3%。これは過去13263回にわたり行われた確率パーティの統計から明らかになっている数字です。ひとまず、皆さま、無事にこちらにいらっしゃったのが幸運です。おめでとうございます!
それから、参加された男女の中からカップルが成立する確率はなんと、58.6%! この中の半数以上は、2時間後、お隣にパートナーをお連れになった状態でこの会場を出られるということです。皆さまは、本当に、幸運な方でいらっしゃいます。
さて、ではさっそく、まずはツーショットタイムにまいります。お1人さまあたり3分間、計15名の異性の方とツーショットでお話しいただきます。ピンときた異性がいたら、胸についているナンバーを確認して、メモしておいてくださいね。
「いかがでしたか、次はお待ちかねのフリートークタイム。30分間、席移動自由の時間です。気になる異性にはどんどん話しかけて、アピールしてくださいね。
「さあみなさん、いよいよ、運命の告白タイムです。皆さまには気になる異性のナンバーをカードに書いて、こちらのboxに入れていただきました。おっと、男性1番さんは女性3番さんにアタックですね! 3番さんどうなさいますか、統計上1→3の告白受諾率は60.3%と、平均の54.6%よりかなり高め、しかし半年以内破局率は80%とかなりリスキーな数字が出ています。さあどうします3番さん。受けるのか、いやしかしお付き合いをしてもすぐに破局してしまうならば今は振っておいてほかの男性のところに行ったほうが……? 困った? 困った? ではこちらの確率ボックスをお使いください。この中には赤玉が54個、白玉が46個、計100個の玉が入っております。赤を引き抜けばOKする、ということでいかがでしょう? おっ、さっそくいきましたね、どうなるか、おっと、赤玉! おめでとうございます! 半年後も交際が続く20%に賭けましょう! お幸せに……。
「さてさて。無事すべての方の告白が終了しました。成立したカップルはなんと9組。統計の8.79組を上回る数字となりました。素晴らしい! カップルになった皆さまも、今回はチャンスを見送られた皆さまも、恋愛、お仕事、さまざまな方面でのますますのご発展を祈念……して実際にご発展される方は21.4%という数字。世間全体の平均は50%ですから、そう、あなた方は、このパーティに参加した時点でもう、確率的には、負け組だったんです……」
ぷっはー。
「なんだよ『確率パーティ』って?!」と思いながら、マジで時間が無いからなんかもう見切り発車でやってたんだが、田丸メソッドに沿ってやってみたらなんとかなりました。オチも無理くりついたわ。
しかし出来上がったものを読んでみると、『確率パーティ』という、自分では絶対に発想しない語から作り上げたにもかかわらず、自分の小説の匂いが思いっきりして驚きました(ほかの人も同じこと言ってた)。
というのもやはり、器(『確率パーティ』)に、普段思ってることを盛りつけちゃうんですよね。
今回は、
「婚活パーティに行って家畜みたいに出会いを他人に作ってもらってなんとかなるような恋愛で満足するなら大変イージーでよろしゅうございますね」とか「婚活パーティなんて行った時点で負けだろ」はたまた最近人工知能の本を読んで考えてる「人間に自由意志なんて無いよね」などの思いを盛り込みました。
あ~、しかし、婚活パーティに行っておいてよかったな~、まじ家畜感半端無い(本当に、3分×15人の異性と話したりします)し、行った時の精神汚染ひどかったけど、こうして何かのネタにはなるんだよな~。
「確率パーティ」にあたる「タイトル」は、「コウモリ傘とミシン」理論みたいな感じで(詳細割愛)、他人から貰ったワードの中からミスマッチな二言を組み合わせて制作しました。
この記事で「他脳」の話をしたけど、今回も同じ効果があった。他の人のキーワードは刺激になるし、みなさんの実作を発表しあう時間もすごくたのしかった!
(普段小説書いてない人が最優秀賞に選ばれてた。文章力とか関係なく、発想の柔軟さを楽しみあうので、物書き以外とやってみるのもすごく良いと思う。)
しかしこれ、毎日一本やったら、超アタマ鍛えられそうだなー。朝活と称して何人かでカフェに集まってやりたいなー。興味がある人はやり方を教えるから一緒にやろうー。
■米光さんパートの話
ゲームデザイナー、ライターなどで多岐過ぎる活躍をしている米光さんが、自ら考案したカードゲーム「想像と言葉」ゲームで遊んだよ。
言葉が一語ずつ書いてあるカードを三枚めくり、その三語から連想される言葉を各自ひとつずつ発表し、他の人と合うorほかの人を感心させる答えを言えば良い! というゲーム。
秀逸回答集はこちら。
「ま」「最後」「裏側」 →「NGシーン」(番組の最後に出てきて、裏側が見えて、間が悪い……)
「世界」「え?」「好き」 →「新海誠」(私は「最終兵器彼女」を連想したけど、こっちのほうがタイムリーだし二人回答していた)
「伝説」「休み」「め」 → 「菩提樹」(ブッダは菩提樹のそばで休み、悟りの目を開いたのだ……!という伝説。なんて美しい回答)
「時」「骨」「毛」 → 「ミイラ」「野ざらし」「科捜研の証拠」
「獣」「歌」「今夜」 → 「夜這い」(和「歌」を詠んで誘い出し、夜に獣になる……)、ブレーメン
私、言語ゲーム大好きで、自分で「白い嘘」ゲームを作ってる(私の本「スカートとツイートは短い方がいい」を持ってる人はページの左右の端を見てね)くらいなもんなので、とても楽しかった。
これも他の人の回答を聞いて「あ~」ってなる時間がすごく大事。
というわけで言葉漬けの一日でした。
今週は毎日小説書いてえらい、わたし!
うめよ♥増やせよ♥銃後モテ♥ ~Inspired by 現代戦争画展~
えらい、えらい!
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