【即興実験小説】ポテト掘れよ(472字)
お題:同性愛のダジャレ 必須要素: 北海道
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「ホモとイモ掘ろ~」と、ダジャレにしてもしょうも無いことを言いながら正男は北海道の大地を掘っていた。
「北海道は、怖いよ~」
「北海道で、ホモ移動~」
と言っては次春の尻の後ろに移動しケツをほる真似事をする。
彼らは修学旅行の一団だった。
「ポテートォ! 掘れーよォ!」
ラテンなアクセントと巻き舌で騒ぎながら、正男が次春のTシャツの裾を後ろからまくり上げるしぐさをする。
「俺ーに! 惚れーろォ!」
正男は無論次春が好きだった。
実は次春も、正男のことを悪くなく思っていたのだが、最近の正男は突如あまりにオープンにホモホモしいパフォーマンスを始めるようになったので、クラスの目が気になり、むしろ嫌いになりかけていた。
次春は正男とちがい、クローズドにしておきたいホモだった。ホモであることが知られるのは自分の意中の相手だけでいいと思っていた。
正男ももちろん、自らピエロとなることは望んでいなかったのだが、自らの恋心に正直になれず、おどけることでしか恋心を表現できず、こんな事態に至っていた。
「墓穴を掘ったな……」
次春がつぶやくと、正男がすかさず拾った。
「え?おケツ?」
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お題:同性愛のダジャレ 必須要素: 北海道
制限時間:15分 ※ポリコレのことを考えすぎて45分ぐらいかかってしまいました。結果うまく考えられたかは謎ですが……
文字数:472字
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渋澤怜(@RayShibusawa)
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