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オマージュ展2022

 先日2022年11月16日〜12月19日まで
西武池袋9階コミカレギャラリーにて個展をさせて頂いたのだが、
自分の中のけじめと感謝を込めたマイルストーン的な展示だった。

この場所で、この展示が、このタイミングでできたのは
私には本当に意味のあることで、
場を提供して頂いた、池袋コミュニティカレッジの皆様に、
心から感謝を捧げたい。

予想以上にたくさんの人が足を運んでくれて、
本当に有り難く、また優しいメッセージに勇気をもらった。

その中でも特に永沢さんに絵を学んだ人や、面識のある方は、
様々な記憶が思い出されて、深く心に響いたようで、
頂いたメッセージカードを拝読してみると、
開催してくれてありがとう、と書いてあるメッセージや、
胸を打ちます、と率直に書かれたメッセージがいくつもあり、
私自身も心が揺さぶられた。

開催してよかったと、心から思えた。

この展示の最中、講師陣を中心とした永沢さんの偲ぶ会があった。
遠方の人や懐かしい人たちとも屈託なく話ができ、
愛にあふれた、あたたかい会だった。
その折に、息子さんからの言葉で
生前に永沢さんが自分から絵を学んだ人間が、
活躍しているのをみるのが嬉しいと言っていたと伺った。

私の活躍など、まだまだささやかだけれども、
思いは受け止め、嬉しそうに笑ってる顔を胸に秘め、
一歩一歩、前に進んで行こうと思う。


これからもどうかみていてください。

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展示「オマージュ」によせて

ー線の大切さ、絵を描く楽しさと喜びをー

ご挨拶

この度は近藤麗子の「オマージュ」展をご覧頂き、

この場をお借りして、心より感謝申し上げます。

タイトルのオマージュとは、敬意や尊敬の意味であり、フランス語のhommageから引用しています。

2022年1月8日、

私のペンで描く線スケッチの恩師である、

永沢まこと先生がご逝去されました。

今回の展示は、永沢まこと先生へのオマージュとして、永沢まこと先生と絵の仲間と共に旅をし、描いた、特に思い出深い、風景画の大作のいくつかを中心に展示しています。

思えば、私と恩師との最初の出会いは、

2000年の池袋コミュニテイカレッジでした。

私は美術大学を卒業し、デザイン事務所にて仕事をしている傍ら、ニーズに応える絵やイラストだけでなく、心のままに描く楽しさを味わう絵を描きたいなぁと思っていた矢先、永沢まこと先生の著書「絵を描きたいあなたへ」を偶然本屋で目にし、手に取って読んだ際、名前を知ったのが始まりでした。

その後、雑誌フラウにて、これもまた偶然に、池袋で永沢まこと先生が初めて絵の教室を開く募集を目にし、申し込んだのがきっかけです。つまり私は永沢まこと先生の池袋1期生の生徒だったわけです。

絵も本も興味があるけど、

どんな人かわからないと訝しがる私に、

これまた講師が初めての、現場叩き上げの永沢まこと先生が、

絵は他人から教えられるものじゃない、とキッパリといい放ち、

とても驚いたことを覚えています。

また、池袋の街で人物を描いてくる課題では、カフェの人でもなく、どうしても池袋の浮浪者の人々が気になって描いてきた変人の私を、とても褒め、「僕もNYでは、最初に浮浪者を描いたんだ。すごく、いいね。一緒に描こう」と、とても嬉しそうにと声をかけてくれたのでした。

それから20年以上、傍らで描き続けているうちに、生徒の一人から講師へとお声をかけて頂き、いくつかクラスを担当した後、池袋コミュニティカレッジにて永沢まこと基礎クラスの講師として講座を開き、現在は近藤麗子教室を開いています。

その後は、2020年に始まったコロナ禍によって、残念なことに永沢まこと先生がご自身の体調などもあり、ご本人の講座を閉じる決断をされるのですが、ギリギリまで私の教室にも顔出し、生徒の一人一人に、講評やアドバイスを丁寧に親身に行ってくださっていました。

私が今、ペン1本と紙を片手にあちこち臆せず旅をし、線スケッチを楽しみ、そしてそれを通じ、たくさんの出会いや世界が広がるような体験ができたのは、全て、永沢まこと先生のおかげです。

私にとって、とても大きな存在でした。

今も感謝でいっぱいの気持ちです。

そんな経緯もあり、

永沢まこと先生が、コロナ禍によって閉めざるえなかった教室の中で、ずっと伝えていた「線の大切さ、絵を描く楽しさと喜び」を、

これからも私は、恩返しの気持ちも込め、自分の教室で、ずっと伝え続けていきたいと思っています。

そして、かつての私のように、

教室がきっかけとなり、

絵を描く楽しさや喜び、仲間に出会うこと、

そして共に線で描くスケッチを実践する方々が一人でも増えたなら、心から嬉しいと感じています。

絵はけっして難しくないし、

真剣に向き合うほどに深く楽しく、

そしてたくさんの喜びと出会いを与えてくれます。

この文章をご覧頂いた方の中から、

私と共に、絵を描く喜びを体験する仲間に出会えることを私は、信じています。

最後までご拝読、

心よりありがとうございます。

恩師永沢まこと先生に心からの敬愛を込めて

2022年11月16日 近藤麗子

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2012年 アマルフィの港(イタリア/アマルフィ)水彩紙/ペンと水彩

2014年 ミハスの街並み(スペイン/ミハス)水彩紙/ペンと水彩

2011年 モンサンミッシェルの塔から(フランス/モンサンミッシェル)水彩紙/ペンと水彩

2007年 美瑛の向日葵(北海道/美瑛)水彩紙/ペンと水彩

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