藤井 俊亮|戦略コンサルタント@北欧

外資系戦略コンサル@フィンランド。 専門はGTM戦略・海外進出・M&A・ファイ…

藤井 俊亮|戦略コンサルタント@北欧

外資系戦略コンサル@フィンランド。 専門はGTM戦略・海外進出・M&A・ファイナンス。USCPA保持者です。 現地の企業を基本インタビューベースで紹介していきます。 本noteをきっかけに北欧企業と日本企業との橋渡しとなれば幸甚に存じます。

最近の記事

藻類で革命を起こす環境活動家CEO[フィンランド]

「一水四見」とは、同じものを見ても、見る人の立場や価値観が異なれば見方も異なるということです。例えば、複数の人が同じ場所から同じ海岸を眺めたとします。一人は波の雄大な風景に魅せられるかもしれませんし、一人は海中に浮かぶプラスチックなどの海洋ごみの多さを見て落胆するかもしれません。化学者兼起業家のMari Granström氏は、眼の前に映る、主に富栄養化*により水質と生態系が深刻な影響を受けてしまっている海を見つめ、「大切な海が直面している問題を解決しつつ、同時に価値のあるも

    • ウェルビーイング企業の先駆者 、フランシラ [フィンランド]

      コロナ禍で加速したメンタルヘルスの不調、バーンアウト、疎外感や社会との交流の欠如等による幸福度の低下への対策として、 近年「ウェルビーイング」向上への取り組みが注目を浴びています。 その市場規模はグローバルで約1兆5千億ドルという巨大産業(出典: マッキンゼー・アンド・カンパニー)。 そのパイオニアとも言える企業が、 幸福度で世界ランキングトップのフィンランドにあります。 1980年初旬頃から、同社の代表商品であるオーガニック・コスメを始め、 ウェルネスセンターやヨガ・指圧

      • 北欧発、食品ロスから「うま味」を生み出すスタートアップ

        ※Nordic Umami社は、2023年12月より「Biomush」社に社名を変更。 植物性食品に足りていないもの。 それは何か。 同分野で深い知見を持つフィンランド人のReetta Kivelä氏とOuti Mäkinen氏の二人が辿り着いた結論は、「うま味」でした。 どんな植物性食品も、うま味成分・うま味調味料が合わされば、 誰もが美味しく、進んで食べられるようになる。 食品科学技術の領域で博士号を持つMäkinen氏は、植物性原料のうま味の開発に早速取り掛かり

        • お肉のアンバサダーが一転、代替肉のエバンジェリストに [フィンランド]

          「脱ミート革命」や「フードテック革命」など、よりサステナブルな食べ物として代替タンパク質や代替肉の台頭が一段と加速しています。 その第一線を行くのは米国やイスラエルですが、ここフィンランドも多分に漏れず、市場は急成長中です: ・"Plant-based market grows in Finland" ・"The market for plant-based products is growing rapidly" ・"Finnish food firms increasi

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          趣味の健康食品がフィンランドを代表するブランドにまで成長。Foodin創業者の歩み

          フィンランドのスーパーにオーガニック食品・健康食品カテゴリで一際存在感を放つブランドがあります。 その名は、Foodin。 フィンランドで健康意識が高い方はもちろん、特にそうで無い方でもスーパー等で幾度と目にしたことはあるのではないでしょうか。 ココナッツオイル、ローチョコレート、ナッツ、コーヒー、ドライフルーツ、スーパーフード、プロテインパウダー、各種調味料など、計250種類以上(!)の商品を扱うフィンランドの会社です。同国中心部に約5百万ユーロ(約7億円*)で建てた

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          心不全と闘う。フィンランドの医療機器ビジネス専門家

          40%。 心不全を患った方で亡くなる、または一年以内に再入院する人の割合です。ヨーロッパだけで年間約20万回の冠動脈バイパス手術(CABG)が行われていますが、手術時の動脈遮断を原因に虚血再灌流障害という重篤な合併症を引き起こすことがあります。 これにより心室壁の筋層が薄くなり心臓の収縮性が弱まる(心臓を収縮させる心筋の動きが悪化する)ことで、心不全のリスクが上がってしまいますが、現状この傷害に対する確立された治療法はないと言われています。 しかし、フィンランドのヘルシン

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          チョコレートでより良い世界を。2人のフィンランド人の挑戦

          ヘルシンキ・ヴァンター空港内のショップ、または米国Whole Foodsでその美麗なデザインに目が留まり、お土産や自分へのご褒美として購入したことがある方は少なくないかもしれません。それはGoodioのチョコレート。2012年に生まれたフィンランド・ブランドは、ついつい周りや自分自身にプレゼントをしたくなるクラフトチョコレートです。 デザインへの拘りはパッケージの表面にとどまりません。中を開けるとパッケージの裏側には創業者Jukka氏による「A LOVELETTER TO

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          代替肉先進国?フィンランド:サステナブルな食に強み

          'Plant-based food / meat' 日本では「代替肉」や「プラントベースドミート」、「フェイクミート」、「植物性食品」、「代替プロテイン」など様々な訳され方があり、まだ呼ばれ方は統一されていないようです。 世界における市場規模は2022年にUS$10.9 billion(約1.5兆円)で、今後毎年平均12.2%での成長が見込まれています。 高い成長率の背景はシンプルで、国連によるSDGsの達成や気温上昇1.5度以内の約束を果たすために環境負荷の高い肉の消費を

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          SDGsは当たり前。北欧企業の魅力とは

          初めまして。 外資系戦略コンサルティングファームのフィンランド事務所にて、GTM戦略や海外進出、M&Aやファイナンスを専門に日々お客様にサービスを提供させていただいております、藤井俊亮と申します。 早速ですが皆さまは「北欧」と聞いて、まず何を思い浮かべますでしょうか。 「ライフスタイル」、「福祉」、「教育」、「雑貨」、「オーロラ」、「デザイン」、最近では「サウナ」・・・といったところでしょうか。 関連する旅行や特に北欧企業の商品の紹介はネットで検索すればいくらでも出てき

          SDGsは当たり前。北欧企業の魅力とは