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病院は正しい医療だけでは価値がない

新型コロナウイルスによって
移動や人との接触が減っている最中
もしコロナウイルスを死滅させる薬ができたとして
皆さんは今何がしたいでしょうか?

海水浴やプール
海外への旅行
セールなどの買い物
お祭りに行くなどの
アウトドアな楽しみを感じたい人もいれば

美術館や博物館に
遠出して
ホテルかどこかでゆっくり
読書したい人など
のんびり過ごしたい人なども
いらっしゃると思います。

私は友達とBBQしたり
飲み会を開いて人と会いたいなーと
思っていますが

ふと思い返すと
そういった遊びって
楽しかったような記憶はあるけれど
実際に誰と会って
何をして
何を話したのか
ほとんど覚えてないんじゃないか?
と思いました。

アウトドア
インドア関係なく
一生懸命思い出そうとして
やっと遊んでいた内容を
思い出せる程度ですよね。

結論何が言いたいかと言いますと
内容よりも体験が残ってるんですよね。

つまり何をしたか?より
その瞬間を楽しんだという感情体験
脳の中に残っているということです。

めっちゃ当たり前のことなんですけど
エンタメ以外の仕事も
ここを忘れてはいけないなと思います。


正しいことより体験を売る

YouTubeでカジサックさんが
フジテレビで番組の演出をされている方と
対談する動画を家で見ていたのですが
演出家の方が話している方が凄くロジカルで
腑に落ちる話をされていました。

かつて「トリビアの泉」という
フジテレビの番組があったのですが
知らない方のために情報を補足すると
マニアックな雑学を一般公募し紹介して
出演者のタモリさんを筆頭に
ゲスト品評会員らが品評していく番組です。

この番組が当時流行りまして
ゴールデン枠にも進出したのですが
確かにみんな観ていたし
面白かった記憶もあるし
「へぇ〜」と言った記憶もあるんだけど
この番組で紹介された雑学って
ほとんど覚えていないんですよね。

結局雑学を知りたかったのではなく
「へぇ〜」という体験を得たかったと
いうことなんですよね。


仕事は体験を作り出すこと

精神科病院には
一般科の病院と違い
アルコール依存症やギャンブル依存症の
公正プログラムなどを
取り入れている病院がある。

療養の入院と違い
1日のスケジュール
1週間のスケジュール
1ヶ月のスケジュールが
ある程度決まっています。

スケジュールの中には
勉強会や医師による講義
ヨガや集団スポーツなどの運動
スタッフによる面談
時にはゲーム要素を含んだ
レクレーションなど
様々な思考を凝らした
メニューが組み込まれています。

たとえばアルコール依存症の治療だと
断酒率を上げるために
根拠のあるものを取り入れて
患者さんの断酒率を上げることを
目的としています。

確かにそれは〝正しい〟のかもしれないが
何度かこのnoteでも書いてきたように
依存症は対人関係の病
人に頼ることができない
人に弱い部分を見せられる強さを持てない人が
お酒や薬物に頼ってしまう。

だから人との関わり合いの中でしか
回復することはできません。

ということは

良い薬だから飲みましょう、とか
仕事よりもまずは通院をしっかりしましょう、とか
断酒会には参加しましょう、とか
正論を話したとして
断酒に関わる正しい知識を学んだとしても
そこに〝行って良かった〟という
感情が動く体験をしなければ
忘れ去られる
んですよね。

〝あの病院に入院して良かった〟
〝あのスタッフさんが言うならお酒やめてみよう〟

と思われるためには
プログラムにおける資料の正確性を上げながらも
患者さんの心が動くような
内容や関わり方をしなければいけないと
私は思います。


感情が動く体験はどうすれば与えられるか?

人は自分のことを見てくれている人に弱いのです。

どれだけ知識豊富なベテランナースよりも
自分のことを詳しく知ってくれている
新米ナースに患者さんが
心を開くことはよくあります。

どれだけ治療の話をするより
相手のことを想った
日常の雑談が
案外その人のメンタルを支えることもあります。

これは精神科に限らず
教育や接客
営業職なども同じことが言えると思います。

相手のことを知ることが
最大のギフトになる。

サービスの基本なんでしょうし
頭でもわかっているけど
実践することはとても難しいことです。

多少遠くても
この病院に通いたい
このスタッフに会いたい

そう思われるような
仕事をしていきたいと思います😉

サポートしていただけると相当喜びます😭