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伊勢谷友介氏の大麻所持報道を精神科ナースはこう見る

先日俳優の伊勢谷友介さんが
大麻所持の疑いで逮捕されました。

もはや芸能人・有名人の
大麻所持のニュースは
珍しいものではなくなってきていますし
同時に大麻についての
肯定的な情報もたくさん
目につくようになりました。

特に海外で合法化されている国も
多くなってきており
さらに大麻が合法化された後も
その国での犯罪率は上がるどころか
むしろ下がっているという
情報も目にしているので

大麻自体が良いとか悪いとか
私は何とも言えないなーと思います。

大麻を使わないといけなかった理由は?

ただ精神科に携わる人間として
1番気になるのは
なぜ大麻を使用したのか?
という点です。

立場のある人ほど
大麻使用が世間に知られてしまえば
仕事や金銭の問題だけでなく
大きな信用も損ないかねません。

ましてや芸能人は
信用が大事な仕事だと思うので
大麻を使用するリスクの方が
冷静に考えれば大きいわけです。

つまりそういったリスクを
背負ってまでも
大麻を使用したい理由があった。
もしくは
大麻を使用せざるを得ない理由があった。

ということが気になるわけです。

大麻に限らず
薬物依存症の治療を
精神科病院で行うこともあるのですが

基本的に依存症というのは
その物質を使用することが楽しいのではなく
苦しみを紛らわすために使用していることが
ほとんどです。

・上司のパワハラ
・夫婦関係の歪み
・孤独
・人に必要とされていないという感覚
・期待に応えなければいけないというプレッシャー

そういったストレスを
間に受けてしまい
且つ正しくストレスを発散できないから
自分でどうにかしようと思い
お酒や違法薬物で
紛らわそうとする。

楽しむためであれば飽きるのですが
苦しみを紛らわすことは
飽きません

つまり薬物を乱用したりするというのは
必ず抱えている苦しみがあるのだと
私たちは考えます。

特に芸能人は
一般人の方が抱えているプレッシャーと違うのは
仕事を辞めたとしても
しばらくは世間の目があるし
プライベートでも
一般の方から声をかけられれば
応じたりすると思うのですが
その度に多少公人としての
スイッチを入れていたりすると思うんですよね。

ということは
オンとオフが切り替えづらいだろうし
外に出れば
常に緊張感を持っているとしても
不思議ではない。

それでいて結果を出し続けなければ
業界内だけでなく
世間からも落ち目だと
見られてしまうこともある。

そして芸能界での成功というのは
ドーパミン型の幸せと言って
満たされることがあまりないタイプの幸せでして
もっともっと!
と欲を掻き立てられやすい性質があります。

もっと大きな役が欲しい!
もっと大きな稼ぎが欲しい!
もっと人気が欲しい!

こういった欲って
大きな仕事を達成した時に
満足感を得るのは一時的で
すぐに新たな欲を
満たしたくなるものなのです。

それでいて
〝現状維持バイアス〟という心理が働いて
何かを得るより
何かを失うことへのストレスの方が
大きい
と言われています。


華々しい活躍をしている
芸能人やミュージシャン、スポーツ選手が
大麻や違法薬物に手を染めることを
肯定するわけではないけれど
負の感情を紛らわす術として
そうするしかなかった人って
いると思うし、実際にいるわけですし

そういう人達を
メディアが糾弾したとして
何の解決になるのかな?
と思います。

より依存症の人達を
孤立させたところで
さらに大麻や違法薬物を
使用したくなる動機を
作ってるだけなんですけどね。


最初の1回目に手を出させないための
抑止力のつもりなんでしょうけどね。

もちろん犯罪なので
大麻を所持していることを
肯定できませんが
報道の仕方などには
時折疑問を感じざるを得ないですね☹️

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