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正しいことより楽しいことにしか心は動かない

実は昔ですね

職場の病院で
私、ギターを弾いたことがあったんですよ。

演奏会のお話を
企画者の作業療法士さんから頂いて
仕事の合間を縫って
作業療法士の男性をボーカルに据えて
練習をしてたんですよね。

5曲演奏して
B'zの

・OCEAN
・ALONE
・愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない
・LOVE PHANTOM
・Calling

を演奏したんです。

私がギターの松本さん
作業療法士の方が稲葉さん

の真似をしてね。



そもそもB'zは
演奏技術が高いと感じるので
せっせと夜中にイヤフォンを
ギターのアンプに繋いで
4ヶ月程度練習して

本番を迎えて
割と盛り上がって
いい評判を頂けました。





でもですね

本番に至るまで
快く受け入れてくれるスタッフ
ばかりではなかったんですね。


「そもそも治療中なのに、
 演奏を聞かせる意味があるの?」
「演奏が患者さんにどういう治療的な効果があるのか」
「演奏のためにスタッフ1人抜けられると
 困るんだけど」


など
ごもっともな
ご指摘をいただきました。

確かにちょろっとギターを弾くだけでなく
大掛かりな機材を組んで
我々もB'zっぽい格好をして
いわば大人が真面目に遊んでいるわけなんですが



患者さんを外に出すことも
精神科病院では
離院(患者さんが病院を抜け出す)などの
リスクも含まれますし

そういう刺激のある行動によって
患者さんの精神状態が
不安定になることも
考えられなくはない。



そういう背景もあってか
作業療法士の方に
批判的な言葉を言う人もいたそうです。



しかし
結論から言いますと

患者さんたちも
普段目にしないような
機材や楽器の音を
全身で体感して

拳を掲げたり
ノリノリで聴いて下さいました。

演奏が終わった後も
体調を崩される方はおらず
みんな笑顔になって
楽しんでくださいました。



それどころか

「入院してライブとか行けないから楽しかった」
「いいもの見れた」
「久々に元気が出たよ」

と前向きな発言も多く聞かれました。



患者さんだけでなく
看護師や清掃員の方なども
立ち止まって聴いてくださり

演奏を外で行ったので
違う棟の患者さんも
窓越しに手を振って
楽しんでいただけました。


結果として
大変盛り上がって

自分達としてもプライベートの時間を使って
練習した甲斐があったなと
思ったわけです。


◯正しいことより楽しいことにしか心は動かされない


振り返った時
患者さんが体調を崩すリスクや
離院するリスクもある中で

やって良かったか?

と問われたら
やって良かったなと思うんです。

人って
何のために生きているか?
って楽しいと思う時間を過ごしたり
幸せだなと思う機会を
どれだけ持てるか?

しかないと思うんですよね。

世の中的に正しいことと
正しいかどうかは微妙だけど
心に残ってる瞬間って
別だったりしますよね。



昔、高校をサボって遠くまで電車で旅したり
深夜の学校に侵入したり

やっちゃいけないことだけど
それが強烈に心に残っていることって
あるじゃないですか。

正しいことを追求した先に
幸せや楽しいことがあるのか?
と言われたら
多分ない
んですよね。

もちろん人に迷惑をかけることは
原則ダメですが

正しいことと
楽しいことって
両立できないこともある。



ましてや楽しいことなんて
必要のないことばかりじゃないですか。

今回の演奏会も
しなきゃいけない理由もないんです。

ですが
制約だらけの入院生活の中で
少しでも患者さんが
楽しいと思える時間を
提供したいと思いましたし
患者さんが笑顔になる機会に
なれば良いなと思いました。



人間は笑顔になることで
免疫力も上がりますし
気分の波も安定します。



他の一部のスタッフから

何の意味もない
むしろリスクしかないと言われた
演奏会も

少しでも気分が晴れるような機会になれば
十分やる意味があると思いました。



衣食住を満たせれば
生きていけるわけではなくて

エンタメなどの
心から楽しめる体験が
人生の楽しさを
構築できる
のではないかと思います。



正しさだけでは人は動かないし
心動く体験を作っていくことが
他者貢献になりうるよね

というお話でした☺️

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