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文体の流行り廃れがおっかない

時代の流れは本当におそろしい……

昭和軽薄文体ってなんぞ?

ツイッターをチラ見したところ、またなんぞ燃えてた。最近はあんまりどっぷりSNS見ているのも身体によくないなって感じでレスポンスが遅れていますが、たまにチェックだけしている。

その後はざっくり流れだけ追ったし、どっちが正否善悪があるとかは判断する立場にないのでそういうのはほっぽっといて。文字書きとしては見逃せない観点がある。

話題の壇上にあがった文体がおおよそ世の中に受けが悪い点だ。
オジサン構文とか、昭和軽薄文体とか名称がついてるらしい。

率直に言って、安易に批判や評論をする気はない。なんでかって人間のおつむは劣化していくもので、アップデートやメンテナンスを怠れば自分もいつしか時代に取り残された側になるのは必然の理で、決して無関係とか対岸の他人事とかでもない。自分事だ。老いはぜんじんるいに平等だしな。

プロの編集者であれば、具体的にここが良くないとかこう直すべきみたいな話も出来るんだろうが、俺はプロではないしフィーリング型なのであんまそういう話は出来ない。

ただまあ、なんつーか昭和軽薄文体っていまどきのYoutuberの語りに共通項がある気がする。俺もたまにゲームの攻略情報とかで見ることもあるんですよ。なんだかんだ詳細な攻略情報の解説があるのは結局今はYoutubeの動画が少なくないので。(noteにもまれにあったりするけど)

ただし、一番重要な違いとして、昭和軽薄文体とYoutuberの語り口には大きな違いがある。それは受け手に寄り添っているかどうか。たぶんひどい動画とかだと、その辺も昭和軽薄文体によっててどうにもこうにも見てられないみたいなのはあるんじゃないかと。

Youtuberを時代別につぶさに見てたわけではないのでその辺の奔流がどっから来てるかよくわからないが、やっぱりヒカキン氏辺りからの発祥なんだろうか。

動画コンテンツだと、自己紹介、軽妙で親しげな語り口、ちょっとしたスパイスで入れる自分語り、からしっかり本筋トークしていく、という構成はそう悪いものでもない。仮に逆の、自己紹介無し、機会的で淡々とした口調、自分語り一切なし、かと思うと本筋から脱線するみたいなのを想像すると、まあよほど面白い要素が他にない限りは見る気が失せるのではないだろうか。今どきはニュース番組ですらその辺を徹底してるのはNHKくらいなものではなかろうか。タブンネ。

しかしながら、コレが文章になると俺個人の感覚としてもまあ少々味がクドいと言わざるを得ない。例えるなら文章のラーメン二郎みたいなもの、好きな人は好きだが標準的観点では脂質多め過ぎてちょっと胸焼けがしてしまう、ようなものじゃないかと推測している。自分の文体については、せめて横浜家系くらいのちょっとクセがあるが、病みつきになる位の路線で落としたいものだ。此処らへんは自分でも試行錯誤の真っ最中なので最近はコロコロ雰囲気が変わってる。お気づきになられただろうか。

ただ、遥か古代から愛好される文体ってのは基本的な要素があって、上品であり、端正であり、知性が香る……そういうやつじゃないかと思う。もっとも昔は文章を書き残すってのは知的階級が主だったのもあるかもわからん。日本は筆まめなので階級問わず、色々な文章が残ってるそうだが。

じゃあ残らない文章は?っていうと明確で、表層的な大喜利表現にかまけすぎて、文章の本質をおろそかにした言語表現の足腰が脆い文章なんじゃなかろうか。

言うなれば、文体はドレス、文章の言語構造は肉体美であり骨格の美しさなので、文体を華美にすることに意識を払いすぎて、言語の内部構造がおろそかになっているといかにも不格好だし、文体にもシチュエーションにあったオシャレ、があると思う。この辺は数を書いて読まないと、あっという間に置き去りにされてしまう恐ろしさがある。

この辺はあまりに格式高い雰囲気をまとわせすぎても人を遠ざけるので、実のところ非常に難しい。端正にして、決して人を遠ざけない親しみやすさを両立させるのは非常に高度な技術だ。

じゃあどっちから追求したほうがいいかっていうと、基本的には落ち着いた表現から身につけたほうがいいってのが、俺の考え。地味な中に人を引きつけるセンスがあれば、華美な表現を入れてもド派手に過ぎて悪趣味になるってこともない程度のさじ加減も自ずとわかるからで。

戦場へ

端的に言って、陳腐化しにくい強度のある表現とは、上品な物が多いと思う。あるいは論理的に正確精密であることに根ざした学術文章か。この辺は昔の作家の文章などを読むと感覚的にわかる、はず。だいたい高名な作家の文章は小説でもエッセイでも、非常に読みやすく時代の劣後を感じさせない。

長期間読んでもらうためには自分のその辺から逃げるわけには行かないなぁとか思うのでありました。

今回はここまで、またな。

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