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10年目の正直、やっとゴティックメードを観た

観るのに10年かかるなんてことあります?俺はやらかしました。
初回公開で観そびれ、二回目か三回目の再公開も行けず、10年目にしてようやく放映終了の前日にスライディング。間が悪いにもほどがある。

まあ観ずにしねんわタイトルの一つだったのでようやく肩の荷がおりた、しめちゃくちゃ面白かった。大部分がかなり地味な展開なのに視聴後の感想がめちゃくちゃおもしろいになる不思議な映画である。

公式サイトではバーン!と恐るべき超兵器ゴティックメード・カイゼリンが雄々しく屹立していて、これはあれだな、コイツがバッタバッタと大暴れする映画だな、とおもいきやまったくそんなことはなくクライマックスにスッと活躍して終わる。知ってたけど。カイゼリンは最強なので動いたらもうそれで勝負がついてるので戦う相手は負け。そういう強さ。

それよりもスゴイのが、マジで話の大部分が花の詩女ベリンと帝国の皇子にして最強の騎士トリハロンのロード・ムービーに費やされる。美しく、繊細で、なおかつもどかしい距離感のコミュニケーションに終始し、そこにバトルとか爆発とかそういうわかりやすいエンターテインメント要素は割って入ってこない。なんたる贅沢な作りの映画だろうか。

なにせ、帝国軍人は人が出来てるので最初に黒い宇宙戦艦で出てきたと思いきや普通の映画ならムラとか焼かれること間違いないがあいつらは偉いし使命なのでそんなことはしない。ベリンが暗殺されるおそれがあるというので星団最強の部隊がやってきたのだ。

そこからはずっと美しくもしみじみとした描写で、詩女ベリンと騎士トリハロンの旅が静かに描かれる。二人は当初衝突こそすれ、お互いのことを良く見ており徐々にコミュニケーションを重ねて理解を深めていく。これですよ。こんな贅沢な物語ついぞ観られない作品の一つだと思う。

映画を撮るとなると、みんな面白さ強迫観念をもっているので序盤に掴みをいれひねりをいれ飽きそうになったら爆発を入れて…ととにかく面白くしようとするしそれは良いことなんですが、ゴティックメードはヤバいのでそんな事しない。ねっとふりっこすとかで配信もしない。映画館でしかいまんとこ観れない。

ぜひ観に行けといいたいが劇場公開は明日11月10日でおしまいだ。残念だったな。

それにですね、トリハロン皇子がめちゃくちゃ良いやつなんですよ。
最初こそなんか棘のあるイヤなやつかな、って印象なのに、持っている武力からしたら途方もなく奥ゆかしくて思いやりのある方の騎士だった。
実に永野護氏が考えるすっごいいい男ってやつで、顔もいいし身長もデカイ。そして強い。こいつ、態度こそつっけんどんな最初のほうから課せられた使命にすごく忠実で、のんびりゆったりの旅路を不満タラタラに見えてその実つかず離れず護衛対象のベリンのことを護っている。ベリンから求められた要請も実のところ全部聞き入れているし、相互理解が深まるに連れてそういう誠実な真の騎士っぽいところを魅せていく。これはもうズルですよズル。かっこよすぎてズルすぎるワケ。

戦場へ

コレが円盤でも配信でも観れず、未だ劇場公開でしか観れないなんてどこまでも贅沢な話な上に、作りまで贅沢だった。こんな作品が存在していていいんだろうか。良いんです。観たくなったら15年後とか待とう。

今回はここまで、またな。

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