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あばよ、ハヤオのジジイ

ごきげんよう。

今日、『君たちはどう生きるか』を見てきました。
端的に言って、一時代を築いた真の男の最後の別れの挨拶でした。

セカンド・テーマやサード・テーマはあるにせよ、まず前提としてファースト・テーマと思しき、さよならを込めた遺作であるってのが自分の受け取り方です。

ベースのなっているのは黄泉路参り、死者をあの世から連れ戻すって話で、これらは古くからある物語の原型の一つです。
その過程で、異世界が一人の男の天啓と努力によって構築された物であり、それが主人公である少年に受け継がれようとして果たせなかった。

これらは世に出るタイミング次第でまた受け取られ方が異なるものですが、宮崎監督も老境に入ったということで別れの挨拶をちゃんと作っておこう、となったんじゃないかと思います。その辺、元気一杯素敵に生きろよ!をGのレコンギスタに込めた富野監督とはまた別の方向性といえるのではないでしょうか。なんにせよ、自分の作品を楽しんでくれた人々に対する、最後のメッセージ。それを一本、映画を撮ってやるのが中々に豪気。

最後の君生きバード、アオサギと主人公の眞人との別れのやり取りは、特に象徴的といえるのではないでしょうか。
物語が作者から読者に伝えられる物はほんの1ピース。それすらも時の流れと共に忘れ去られ、部屋の片隅に置き去りにされていく。
でも、それをもっと理解してくれとも、大事にしてくれとも言わない。それでいいと言って、一緒に楽しんでくれた相手を友だちと言って去っていく。

こんなこと言われたら、こっちも堪んないですよ。
作家として生きた一人の人間が全力で作った、最後の別れの挨拶。
そんなジブリに真剣に向き合って来なかった自分でさえ、ありがとう、アバヨとしか言いようがない。そこを無視してあーだーこーだ考察なんてやるのは、俺はとても無粋だと思うのでやめておきます。

ありがとよ、ハヤオ監督。そしてさらば。
俺はアンタの構想源泉かけ流し、今までの作品で一番好きだぜ。

戦場へ

面白い、つまんないかは人によるんですけど、宮崎駿監督作品をリアルタイムの劇場で観れるのはおそらくこれが最後ではないでしょうか。
そしてそのために作られた作品でもあるので、監督からの別れを受け取りたいって人はやってるウチに観に行くといいと思います。

今回はここまで、またな。

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