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文化の大部分は、時の流れの中に消えていく

表現を如何に残すか、とは表現者の最大の悩みでは無いだろうか。
率直に言って、インターネット媒体がいちばん儚い。デジタルデータを残すのはとても大変で、ひょっとしたら一般人が気軽に文章や画像データをデジタル保管できるのは今のうちだけかもしれない。技術は常に進歩しているので、1万年単位で数TB保存できる媒体も市販される日も来るかもしれないが、未来は不確定なのでどっちに転ぶかはわからない。

そんな中で文字媒体とかいうやつはやっぱり強く、文字が書き込める媒体があれば記録として保管できるので伝承能力に優れている。まあ、変質しないかといえばバリバリするのだが、残るだけマシというものだ。

置かれる環境にもよるが、おおよそ石碑が一番強く、木の材質によっては木札も結構長持ちする。紙だって環境が良ければそれなりに存続する。現状、一番長持ちしにくいのはHDDやSSDの電子媒体だろう。これらだって、保管状況が良ければ長持ちするが、そんな環境はなかなか一般人には用意しがたい。そしてもっと軽率に消えるのがインターネット上のデータだ。

インターネット上のクラウドデータは当然ながらなんか非物質の存在に書き込まれているわけではなく、現実にはHDDやSSDに書き込まれている。サーバーマシンを通してだ。だが、ローカルのHDDやSSDとクラウドの違いが一つある。クラウドは契約とお金が供給されているウチは残るが、それらがなくなったら容赦なく削除されるってとこだ。クラウドサービスも提供している側も商売だし、実のところサーバーマシンは高くて貴重だ。こうやって毎日noteにガリガリ文字を書き込めるのだって実のところ贅沢な話なのである。

なので、デジタルデータの何かしらの娯楽や文化は、今んとこ一番儚い。特に名作!とか傑作!は黙っていても発狂した執着者が何らかの形で残そうとするが、埋もれた傑作とかもっとストレートに言うと、ほどほどの作品とかは保存されるかさえ怪しい。

電子書籍ってやつはあくまで読む権利を借りてる形式なので、ともすると読めなくなることがおうおうにある。電子書籍はまだいい方で、一番ひどいのはソーシャルスマホゲームではないだろうか。あれらは維持にお金がかかるので、儲からなければさっさと消されて後は触った人の記憶に残るばかり。そういうのが数百作もあってアーカイブもされずにWikiの記録に残るばかりとなっている。

物理ソフトウェアの作品も微妙に賞味期限が短く、プレイできるのは健全なハードが生き残っている間だ。ファミコンは傑作機としてクローンハードが出ているが、ゲームボーイとかあたりはクローンもあまり出てないつい最近出たが、法的には微妙なラインなのでイヤな人はイヤだろうし。

その、媒体としての寿命の短さが何処にかかってくるかというと……人間よりも早く、媒体の方が死ぬのでタイミングを逃すと体験出来ないってわけである。かといって、あらゆる娯楽を体験しようとするにはじんるいの人生はあまりにも短いので全部やろうとするのは諦めるほかない。

今できないと体験出来ないを言い方が悪いが悪用したのが種々の期限付きコンテンツではあるが、期限を設けた上に再生産や再体験の機会まで絞ってしまった結果ごく限られた人にしか届かなくなっているのは長期的にみると、膨大な文化的損失かもしれない。なにせ、どんな名作でも後世に残らないのがほとんどだからだ。デジタルデータはなんであれ保存は高く付き、決して安くない。

戦場へ

結論としては、自分の作品を後世に残したい(怖い行いだが、キョムに帰るのも嬉しくない)なら、やっぱ紙のほうが強いんですなぁ。デジタルゲームだけはゲーム機が無いことには体験出来ないので、もっと公式のエミュレータアーカイブが充実し、後世に文化として残ってほしいものであります。

今回はここまで、またな。

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