環境とか生活習慣に怒らさせられてはいないか

人間のお気持ちはいつも一定に出力されそうなイメージがあるが、イメージと違って機械ではないので実は要件によって大きく上下する。コンディションが悪いほど怒りの発生率は高まり、なんか怒りっぽくなる。

だいたい、以下の要素が悪化すると怒りが発生しやすくなるっぽい。

・食生活と栄養状態
・睡眠の質
・起きている間に受けるストレス量
・液晶を見ている時間
・観測する事象と当人の思考との相性
・孤独

食生活の悪化は、言うまでもない。
満腹時には幸福ホルモンが分泌され満たされた気持ちになるのに対し、空腹や低血糖の時間が長くなるとイライラしやすくなり、怒りっぽくなる。これは人間を落ち着かせるホルモンの材料が不足することもあるし、空腹によって交感神経などがアクティブになるとも考えられる。

睡眠の質も当人の感情を大きく左右する。
睡眠時間が短く、質も悪くなれば理知を司る前頭葉が不活性化するので些細なことでも怒りやすくなる。不眠によるストレスからくる怒りは後々尾を引くとまことしやかに語られることもあるが、大方的外れでもないだろう。夜勤職の方は不機嫌によりガチなイメージがある。

覚醒時に受けるストレス総量が高まっても、怒りやすくなる。これはヤカンに水を入れて火にかけるようなもので、水がたされずに沸かし続ければ蒸散して空焚きになるようなものだと考えていただきたい。日常的に受けるストレス源から開放されるだけで、驚くほど穏やかになる人も結構いる。例えば労働とか、同居人の不作法とかデリカシーのなさとかだ。しかもちっさいストレスでも習慣的に接種すると多大な憎悪になる。接する時間が長い間柄なら多少なりとも配慮したほうが良いだろう。

まだまだ研究段階だが、液晶画面を見ていると理性が働きにくくなる。作用機序がまだイマイチわからないのだが、透過光が目に入ると呼吸が浅くなり、前頭葉の働きが鈍くなるとのこと。つまり、液晶を通してインターネットしている時はそうでない時より怒りやすさが上がるっぽい。今後の研究を待ちたい。

観測する事象と本人の思考のクセ、相性もある。
これは経験を重ねた結果身についたものと、生まれついてのもの、どちらもあると推測している。特に、後者の場合は滅多なことでは変質しないから厄介だ。かと言って、前者も結構問題がある。人間の知性は一定のバイアス、歪みを持っていて、その歪みを矯正する機会を持たないままに世界と接し続けると認知の歪みが負の感情をもたらし続け、客観的には些細なことを許しがたい邪悪みたいに認識したりする。こうなると更生は非常に大変で、誰にも手がつけられないままに暴走したりするので厄介だ。

孤独も、適正が無い人間については多大に歪みをもたらす。
どうも、インターネットコミュニケーションだけでは補い難い人間の温かみとかがあり、ついでにインターネットでもげんじつでも孤立してしまうとそれ自体がとてつもないストレス源になってお怒り生活を後押ししていまう。
とはいえ、お怒りコミュニケーションが楽しいと思ってくれる人はまずいない。おおよそ9割以上の人はみんな嫌だし、一層孤立する。

何が言いたいかというと、人の怒りとは案外生活習慣とかに左右されることが多い。そういうふいんき的怒りを取り払って、真に解決すべき問題に思考を進められるのが人間の凄いところであり、なんか世の中に怒りを感じたらちょっと寝たりご飯食べたりおしゃべりをしたりしてちょっとフラットになってみてもいい。それでもどうにも拭い難い怒りが湧いてきたらそれが自分にとって許しがたい事象ということだが、それが一般化できるかどうかはまた別の問題なのだな。

戦場へ

怒ってはいけない、ではなく、ろくでもない生活習慣が怒りの沸点を引き下げている、という考え方。もちろん、満たされた生活を送った上でも個々人で許しがたいなんかとかはあり、当然俺もそういうのの一つや二つはある。

ただまあ、インターネットをやりすぎてはいないか、ちゃんとご飯食べたか、寝てるか、振り返って見てほしい。意外と生活習慣が煽る不必要なお怒りってのはあるもんだし、怒ることが習慣になりすぎると自他ともに不幸になるケースが多い。その前に、まずはちょっと憩っていただきたい。

今回はここまで、またな。

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