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時間がない時は、サラダチキンとレタスのスープ!

「はぁ~……」

深い、ため息。日も落ち、夜の帳の内で賑やかさを増すいつものバー・メキシコ。その片隅で、つややかな黒髪の女性が頬杖をついて、ノートパソコンと向き合っていた。その表情は、浮かない。

「どうしたんだ無銘、冴えないため息なんかついて」
「ああ、レイヴン……これはその、ね」

無銘と呼ばれた女性は、自らに声をかけた黒ずくめ仏頂面の男を見上げると、しばし言いよどんだ後に言葉を継いだ。

「最近、全然書けてないの。こんなんじゃパルプスリンガー失格よね」
「ペースダウンはそう珍しい事でもない。月イチ位で書ければ上等、ほぼ毎日書いてるヤツなんて、今は俺かバール、後はホイズゥとか、ムツギくらいだろう。後は水面下で書いているやつもいるだろうが」
「それは、そうだけど……ダメね、忙しいとどうにも気落ちしてしまって」

再度、ため息。無銘は音無くノートパソコンをたたむと、手元のグラスを揺らした。

「リソースが限られている時に、休養の時間を削ってまで何かをやるのはオススメ出来ないな。健康を損なうと、取り戻すには使った時間の、さらに数倍の時間がかかる。それなら健康を死守しておいて、スキマ時間に進めたほうが最終的には成果が出るだろう」
「ええ、参考にする」
「それはそうと、顔色が良くないぞ。ちゃんと食ってるか?」
「最近、PCに向き合っている間に時間が過ぎちゃって……ないがしろにしがちかも」
「良くないな。少し待ってろ、なにかつくる」

黒ずくめは、コートを脱ぎはなって椅子にかけると、バー・メキシコ内のセルフキッチンへと向かった。冷蔵庫を開け放つ。

「サラダチキンに、レタス、あとエリンギにベビーリーフか。まあ、なんとかなるな」

読み上げた材料を引っ張り出すと、それぞれ下ごしらえに取り掛かる。
サラダチキンは身を手でほぐして細かく。レタスは一枚ごとにちぎった後食べやすいサイズに切り分け。エリンギは縦に裂いた後に、一口サイズに切る。

「これらをレンジ対応の器に入れてと」

まず、サラダチキン、エリンギ、コンソメスープ粉末、水を器に入れて、レンジで600W、五分ほどかける。しかるのち、味見。

「このくらいでいいか」

続いて、レタスとベビーリーフを器に持って、スープに浸るように混ぜた後再度レンジでチン。600W前後で一分。

「よし、これでOK」

出来上がったスープに、乾燥パセリと四種胡椒の粉末を振れば出来上がりという寸法だ。レイヴンは仕上げたスープを手に、無銘の元へと戻る。

「チキンとレタスのスープだ。あっさりしているから、食欲がなくても食べられる。試してみてくれ」
「ありがとう、いただくわ」

スプーンを手に、スープをすくう。その様を頬杖ついてなんとはなしに見ている黒ずくめ。

「これ、サラダチキン?そのまま食べるイメージが強かったけど」
「サラダチキンは柔らかく仕上げてあるから、もうひと手間かけてやるともっと美味く食える。もっと手間をかけられるなら胸肉から自作してもいいが、まあ社会人なら時短したほうが助かるだろう」
「そうね、何も手のこんだ事するだけが料理じゃないし」

会話の合間に、スープを口に運んでいく。
四角に切られたエリンギはスープをよく吸って歯ごたえもあり、無銘を楽しませた。かといってレタスはシャキっとした歯触りを残したままに、スープの熱を伴っている。

あれよあれよという間に、スープは残らず遇され、無銘の頬にわずかに朱がさす。

「ありがとう、人心地ついたわ」
「結構、なぁに、たくさん書けなくても焦らないことだ。何をやるにも生きててなんぼ、健康であってなんぼだからな」
「そうね……少し、皆凄いから気がせってたかもしれない」
「自分のペースでやればいいさ、何事もな」

【時間がない時は、サラダチキンとレタスのスープ!:終わり】

材料・レシピ

粉末コンソメ:適宜
レタス:適宜
エリンギ:適宜
ベビーリーフ:適宜
サラダチキン:適宜
↑まいばすけっとで全部手に入るので活用しよう。
サラダチキンはワンパックまるごとだとちょっと多すぎるぞ。
乾燥パセリ粉末:少々
粗挽き胡椒:少々

①:サラダチキンをほぐし、レタスは食べやすいサイズに、エリンギは裂いて長方形にバラ切りする。

②:サラダチキンとエリンギ、コンソメスープの元をレンジ対応の器にもって、水を注ぎレンジで600W五分かける。

③:チンしたら取り出して、レタスとベビーリーフをくわえて600Wで1分チンする。仕上がったら味見して、火の通りが好みでなければもう少しレンジにかけよう

④:③に乾燥パセリと粗挽き胡椒を振ったら完成!

現在は以下の作品を連載中!

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