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逆噴射小説大賞2019-第4週

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逆噴射小説大賞2019-第4週に投稿された作品をまとめています。
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#小説

超密着!世界ランタンロイヤル

 我が魂は年一度ハロウィーンの夜に甦る その時地上で最も強大なジャック・オ・ランタンを産…

ナガヤマ・カイジュー・ディフェンス社「ジェットセイバーⅤ」墜落事件

 全長50mを超える巨大な怪獣が、住宅を、電柱を、自動車を、総てを圧し潰しながら歩みを進め…

bluebird_kndk
4年前
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弾除けの加護

深々と急所に刺したナイフを男から急いで引き抜く。その間にも背後で盾にしているテーブルへ銃…

十三夜
4年前
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月の光が人を焼く

 私を縛る縄が痛いけど、舌の感覚もなくなったから言えなかった。  殴られすぎて頭がパンパ…

摩撫甲介
4年前
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或人形之足跡(アルヒトガタノソクセキ)

広漠とした荒野 普段ならば道を急ぐ商人が通るやもしれぬが今は誰も通りはしないだろう。 そう…

hurrytom
4年前
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木霊のエルフに施す薬

暑い。坑道に足を踏み入れた途端にむっとした熱気がルメの頬にあたった。緩く下って行くにつれ…

6

プライスシティ・ウォー

「やはりヒック、殺すしかないと思うのだがウィーック」 今期の自治会会長、全身にぶら下げた輸血パックから直接血管に酒を流し込んでいる男、泥酔酒屋のガルゴールが漏らした。 「賛成」「そうだな」「やっちまおう」「よし、殺そう」 全員が口々に同意し、顔のど真ん中にバカでかい口だけがある異形肉屋のハルズマンが立ち上がると、拘束されていたヴィールス・カンパニー営業の首を肉切り包丁で切り落とした。 「チクタク。他の連中にも回覧板回さないと。ボーン。営業野郎の首は誰があいつ

お絵かきをやめて

 寝て起きたら、俺は子供が描いたクレヨン絵みたいな世界にいた。  助けて欲しい!  ここは…

レァキャ
4年前
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ゲート・ブレイカー 第一話「破門」

「ハチコ、戻ったぞ」 門関連犯罪対策特別捜査隊と書かれた扉を開き、小柄な女性が入ってくる…

亜富球
4年前
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ある作家の試練

ジリリリリ、ジリリリリ。 一ヶ月に一度鳴るか鳴らないかくらいの電話のベルが鳴った。 ここ…

聖なる寿司殺し〜ザ・キリング・オブ・セイクリッド・スシ〜

 今日の客は許し難かった。あろうことか寿司のネタだけを食べ、シャリを残したのだ。スシ・ガ…

都利三
4年前
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だるまとお姫さま

村のはじっこの森の中に、赤くて、丸くて、小さいだるまが住んでいました。 だるまは甘いもの…

丘機関銃
4年前
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昭和復活

「いや、めでたい。まことにめでたく、結構なことですな。天皇陛下の御即位の礼なんてものを、…

差オム
4年前
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現実、虚構、セルバンテス、そして騎士

「で、マンブリーノの兜ってのは床屋の持ってたタライだったわけですよ」 「へえ、面白い」 「ほんとに面白いって思ってます?」 「うん、面白い、痛い、つつくな」  ーー2350年、環境汚染は深刻化し、もはや生物は地表に住うことを許されなくなった地球。人類は肉体の充実を諦め、カプセルにその身体を横たえ、仮想空間に精神を据える。この仮想空間に名前は無い。この空間こそが世界だ。 「一つ聞きたいんだけどさ」 「何です?タライの兜についてもっと語ります?」 「いらないよ……俺の